
スタジオジブリの名作『かぐや姫の物語』を観て、あの美しい歌声や印象的な旋律が心に残っている方は多いのではないでしょうか。
実は、この作品の音楽には高畑勲監督自身が作詞・作曲した楽曲があり、物語の世界観を深める重要な役割を果たしているんです。
主題歌の「いのちの記憶」、劇中で繰り返し流れる「わらべ唄」や「天女の歌」など、それぞれの楽曲にはかぐや姫の人生や感情が込められていますね。
この記事では、かぐや姫の物語に登場する曲や歌について、その背景や歌詞の意味、作り手の想いまで詳しくご紹介します。
かぐや姫の物語の主な曲と歌

『かぐや姫の物語』の音楽で特に印象的なのは、主題歌「いのちの記憶」と劇中歌「わらべ唄」「天女の歌」の3曲です。
「いのちの記憶」は二階堂和美さんが作詞・作曲・歌唱を手がけた主題歌で、2013年のリリース以降、映画の象徴的な楽曲として広く知られています。
一方、「わらべ唄」と「天女の歌」は高畑勲監督自らが作詞・作曲を担当し、作品の童話的な世界観を音楽で表現しました。
これらの楽曲は映画本編で何度も使用され、かぐや姫の成長や月への帰還を象徴する重要な役割を果たしているんですね。
なぜこれらの曲が重要なのか

高畑勲監督の音楽へのこだわり
高畑勲監督が自ら作詞・作曲を手がけたというのは、スタジオジブリ作品の中でも異例のことです。
監督は「わらべ唄」と「天女の歌」の創作において、作詞の一部を坂口理子さんと共作しながら、映画全体の世界観を音楽で統一することにこだわりました。
通常の劇伴とは異なり、これらの楽曲は物語の進行に深く組み込まれ、かぐや姫の心情や物語のテーマを直接的に表現しています。
監督自身が音楽を創ることで、映像と音楽が一体となった独特の表現が実現したんですね。
自然と命の循環をテーマにした歌詞
3曲すべてに共通するのは、自然の営みや命の循環、再生というテーマです。
「わらべ唄」では「まわれ まわれ まわれよ 水車まわれ」「鳥 虫 けもの 草 木 花 春 夏 秋 冬 連れてこい」という歌詞で、季節の巡りと命の連鎖を表現しています。
「せんぐり いのちが よみがえる」というフレーズは、生命が繰り返し生まれ変わる様子を象徴的に描いていますね。
「天女の歌」では「まわれ めぐれ めぐれよ 遥かなときよ めぐって 心を 呼びかえせ」と、時間の循環と記憶の呼び起こしがテーマになっています。
さらに「まつとしきかば 今かへりこむ」という歌詞は、百人一首の中納言行平の句から引用されており、古典文学との接続も意識されています。
「いのちの記憶」が描く喜びと記憶
主題歌「いのちの記憶」は、かぐや姫の人生の喜び、記憶、そして再生をテーマにした楽曲です。
二階堂和美さんの澄んだ歌声が、「あなたに触れた よろこびが 深く 深く このからだの 端々に しみ込んでゆく」という歌詞を通じて、人との触れ合いの温かさを伝えています。
「いまのすべては 過去のすべて 必ず また会える 懐かしい場所で」というフレーズは、かぐや姫が地球での記憶を持ち続け、再会を願う心情を表現していますね。
この楽曲は映画のラストシーンとも重なり、観る人の心に深い余韻を残します。
各楽曲の詳細と魅力
主題歌「いのちの記憶」の魅力
「いのちの記憶」は2013年にリリースされ、二階堂和美さんが作詞・作曲・歌唱のすべてを担当した完全オリジナル楽曲です。
彼女の透明感のある歌声は、かぐや姫の純粋さと地球での生活への愛着を見事に表現しています。
歌詞全体を通じて、生きることの喜び、人との出会い、そして別れの切なさが繊細に描かれていますね。
公開当時には生演奏のテレビバージョンも話題になり、映画を観た多くの人の心に残る名曲となりました。
現在もSpotifyなどのストリーミング配信や、JOYSOUNDやSmulegなどのカラオケで歌うことができ、長く愛され続けています。
「わらべ唄」が持つ童話的な世界観
「わらべ唄」は高畑勲監督が手がけた楽曲の中でも、特にわらべうた風の素朴な旋律と言葉遊びが特徴的です。
「まわれ まわれ まわれよ 水車まわれ まわって お日さん 呼んでこい」という冒頭部分は、子どもたちが遊びながら歌うような軽快なリズムを持っています。
歌詞に登場する「鳥 虫 けもの 草 木 花」という言葉の連なりは、自然界のあらゆる生命を包括的に表現していますね。
春夏秋冬の四季を「連れてこい」と歌うことで、時間の流れと季節の循環が視覚的にも音楽的にも描かれています。
この楽曲は映画の中で何度も繰り返され、かぐや姫の成長と共に響き続ける重要なモチーフとなっています。
「天女の歌」と月の世界への回帰
「天女の歌」は、かぐや姫が月の世界へ帰還する場面で流れる、物語のクライマックスを飾る楽曲です。
「まわれ めぐれ めぐれよ 遥かなときよ」という歌詞は、「わらべ唄」と同じく「まわれ」という言葉で始まり、両曲の繋がりを感じさせます。
「鳥 虫 けもの 草 木 花 人の情けを はぐくみて」というフレーズでは、自然の生き物だけでなく「人の情け」という人間の感情も含まれていますね。
そして「まつとしきかば 今かへりこむ」という古典からの引用は、待つ者への思いと帰還の決意を表現しています。
この楽曲には姜小青さんによる琴のカバーバージョンも存在し、和楽器による演奏がさらに作品の日本的な情緒を深めています。
楽曲の視聴方法とカバーバージョン
サウンドトラックと配信サービス
『かぐや姫の物語』の楽曲は、2013年に発売されたサウンドトラックで聴くことができます。
また、2015年には「スタジオジブリの歌 -増補盤-」にも収録され、歌詞も掲載されているため、歌詞の意味をじっくり味わいながら聴くことができます。
現在はSpotifyをはじめとする主要な音楽ストリーミングサービスでも配信されており、いつでもどこでも聴けるようになっていますね。
映画を観た後に音楽だけを繰り返し聴くことで、作品の余韻をより長く楽しむことができます。
カラオケで歌える楽曲
「いのちの記憶」はJOYSOUNDやSmulegなどのカラオケサービスにも配信されています。
映画の感動を思い出しながら歌うことができ、ファンの間でも人気の楽曲となっていますね。
二階堂和美さんの透明感のある歌声を再現するのは難しいですが、自分なりの表現で歌うことで作品への理解がさらに深まります。
友人や家族とカラオケに行った際に、ジブリソングとして選んでみるのもおすすめです。
カバーバージョンの魅力
「いのちの記憶」には、黒田美帆さん(ミクロック)による歌唱カバーバージョンが2019年にYouTubeで公開されています。
オリジナルとは異なる解釈や歌い方で、新たな魅力を発見できる貴重な音源ですね。
また、「天女の歌」の琴カバーは、和楽器の音色が作品の世界観とマッチした美しい演奏となっています。
これらのカバーバージョンを通じて、楽曲の多様な表現の可能性を感じることができます。
SNSやファンの間での評価
「いのちの記憶」への感動の声
SNSでは「いのちの記憶」について、多くの感動の声が投稿されています。
「映画を観終わった後、この歌を聴くだけで涙が出る」「歌詞の一言一言が心に響く」といった意見が多く見られますね。
特に「あなたに触れた よろこびが」というフレーズに共感する人が多く、人との繋がりの大切さを改めて感じたという声もあります。
二階堂和美さんの歌声についても「透明感があって美しい」「かぐや姫の純粋さを表現している」と高く評価されています。
「わらべ唄」の印象に残るフレーズ
ファンの間では「わらべ唄」の「まわれ まわれ まわれよ」というフレーズが特に印象的だという意見が多く見られます。
「何度も繰り返されるこのフレーズが、物語の循環というテーマを強調している」という分析もありますね。
また「せんぐり いのちが よみがえる」という歌詞については、「命の再生を感じさせる力強い言葉」として注目されています。
子どもの頃に聴いた童謡を思い出すという声もあり、世代を超えて共感される普遍的な魅力があると言えます。
「天女の歌」と映画のクライマックス
「天女の歌」は映画のクライマックスで流れることもあり、「この曲が流れるシーンは何度観ても泣いてしまう」という感想が多数寄せられています。
「まつとしきかば 今かへりこむ」という百人一首からの引用については、「古典を知っていると、さらに深く理解できる」という声もありますね。
月へ帰るかぐや姫の姿と重なるこの楽曲は、別れの切なさと同時に、再会への希望も感じさせると評価されています。
音楽と映像が一体となった美しいシーンとして、多くのファンの記憶に残っています。
楽曲制作の背景とエピソード
高畑勲監督の音楽へのアプローチ
高畑勲監督が自ら作詞・作曲を手がけたのは、映画の世界観を音楽レベルから完全にコントロールしたいという強い意志があったからです。
通常、映画音楽は専門の作曲家に依頼することが多いですが、監督は自分の言葉とメロディで物語を語ることを選びました。
作詞の一部を坂口理子さんと共作したことで、言葉のリズムや響きにもこだわった楽曲が生まれたんですね。
このアプローチは、高畑監督の完璧主義と作品への深い愛情を物語っています。
二階堂和美さんとの出会い
主題歌「いのちの記憶」を歌った二階堂和美さんは、シンガーソングライターとして独自の音楽性を持つアーティストです。
彼女の透明感のある歌声と、自然体でありながら深い情感を表現する歌唱スタイルが、かぐや姫というキャラクターの本質を捉えるのに最適だと判断されました。
作詞・作曲も彼女自身が担当したことで、楽曲全体に統一感と個性が生まれています。
公開当時の生演奏テレビバージョンでは、その生の歌声がさらに多くの人の心を捉えましたね。
百人一首との繋がり
「天女の歌」に登場する「まつとしきかば 今かへりこむ」というフレーズは、百人一首の中納言行平の歌から引用されています。
原歌は「立ち別れ いなばの山の 峰におふる まつとし聞かば 今帰り来む」という別れの歌です。
この古典からの引用により、作品に日本文化の深い教養と歴史的な重みが加わっています。
現代の物語と古典文学を結びつけることで、時代を超えた普遍的なテーマが表現されているんですね。
音楽が描く『かぐや姫の物語』のテーマ
命の循環と再生
3曲すべてに共通する最大のテーマは、命の循環と再生です。
「わらべ唄」の「せんぐり いのちが よみがえる」、「天女の歌」の「めぐれよ 遥かなときよ」というフレーズは、生命が終わりと始まりを繰り返すことを表現しています。
かぐや姫が地球に生まれ、成長し、月へ帰るという物語の流れも、大きな命の循環の一部として描かれていますね。
音楽を通じて、死は終わりではなく新たな始まりであるというメッセージが伝わってきます。
自然との一体感
「鳥 虫 けもの 草 木 花」という歌詞は、人間も自然の一部であることを示しています。
かぐや姫が山や野原で遊び、自然の中で生きる喜びを感じる姿と、これらの歌詞は完全に重なっていますね。
現代社会では忘れがちな自然との繋がりを、音楽を通じて思い出させてくれる力があります。
四季の移り変わりや水車の回転といった自然の営みが、人間の人生とも重なり合うことを教えてくれます。
人の情けと記憶
「いのちの記憶」が歌う「あなたに触れた よろこび」や、「天女の歌」の「人の情けを はぐくみて」というフレーズは、人間関係の温かさと大切さを表現しています。
かぐや姫が地球で出会った人々との思い出、特に翁や媼との絆は、月へ帰った後も彼女の心に残り続けます。
「いまのすべては 過去のすべて 必ず また会える 懐かしい場所で」という歌詞は、記憶が永遠に続くことを約束していますね。
人との出会いと別れ、そして再会への希望というテーマが、音楽によって力強く表現されています。
まとめ:かぐや姫の物語の音楽が伝えるもの
『かぐや姫の物語』の楽曲は、主題歌「いのちの記憶」と劇中歌「わらべ唄」「天女の歌」を中心に構成されています。
「いのちの記憶」は二階堂和美さんが作詞・作曲・歌唱を担当し、人生の喜びと記憶をテーマにした美しい楽曲です。
「わらべ唄」と「天女の歌」は高畑勲監督自らが作詞・作曲し、命の循環や自然との一体感、人の情けを表現しています。
これらの楽曲は映画の中で繰り返し使用され、かぐや姫の成長と月への帰還を象徴する重要な役割を果たしていますね。
百人一首からの引用や、わらべうた風のメロディなど、日本の伝統文化との繋がりも深く、時代を超えて愛される普遍的な魅力を持っています。
現在はストリーミング配信やカラオケでも楽しめるので、映画を観た後に音楽だけを繰り返し聴くことで、作品への理解がさらに深まります。
音楽と共に、もう一度作品を味わってみませんか
『かぐや姫の物語』の楽曲を知ることで、映画の世界がさらに広がって見えてきますね。
もし映画をまだ観ていない方は、これらの音楽を意識しながら鑑賞すると、より深い感動を得られるかもしれません。
すでに観た方も、サウンドトラックを聴きながらあのシーンを思い出したり、歌詞の意味をじっくり噛みしめたりすることで、新たな発見があるはずです。
カラオケで歌ってみるのも、作品への愛を表現する素敵な方法ですよね。
音楽は映像とは別の形で、物語の本質を伝えてくれます。
ぜひ、『かぐや姫の物語』の美しい音楽と共に、命の喜びや自然との繋がり、人との絆を感じてみてください。