
スタジオジブリの作品といえば、『となりのトトロ』や『千と千尋の神隠し』が有名ですが、2013年に公開された『かぐや姫の物語』について「最高傑作」という声を耳にしたことはありませんか?
高畑勲監督が60年にわたるキャリアの集大成として制作したこの作品は、公開から10年以上経った今でも多くの批評家や映画ファンから絶賛され続けています。
なぜこれほどまでに評価が高いのでしょうか?
この記事では、『かぐや姫の物語』が最高傑作と称される理由、作品の魅力、そして現在も評価が高まり続けている背景について詳しくご紹介します。
『かぐや姫の物語』は高畑勲監督の最高傑作

結論から言えば、『かぐや姫の物語』は高畑勲監督の最高傑作であり、日本アニメの頂点とも称される作品です。
多くの批評家や映画評論家から「高畑勲の最高峰作品」「日本アニメの完璧な到達点」と評価されており、Filmarksでは平均スコア4.0以上、eiga.comでも5つ星の高評価レビューが多数寄せられています。
公開から10年以上が経過した2026年現在でも、その評価は衰えることなく、むしろ再評価の波が続いているのが特徴です。
第37回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞、第86回キネマ旬報ベスト・テン日本映画第3位など、数々の賞を受賞し、興行収入も25.5億円を記録しました。
ジブリ作品の中でも『火垂るの墓』や『おもひでぽろぽろ』などの名作を凌駕する総決算的作品として、映画史に名を刻んでいます。
最高傑作と評価される理由

手描きアニメーションの究極到達点
『かぐや姫の物語』が最高傑作と呼ばれる最大の理由は、手描きアニメーションの表現が極限まで高められている点にあります。
絵巻物のような水墨画風のタッチと、驚くほど躍動的な動きの表現が融合しており、「動きに特化した日本最高峰のアニメ」との評価を得ています。
特に印象的なのは、かぐや姫が激情に駆られて疾走するシーンですね。
この場面では、絵が崩れるような荒々しいタッチで感情の爆発を表現しており、アニメーション史に残る名場面として語り継がれています。
また、捨丸との再会シーンでは、繊細な表情の変化と流れるような動きが見事に調和し、観る者の心を揺さぶります。
原作を超えた深いテーマ性
平安時代に成立した日本最古の物語『竹取物語』を基にしながらも、高畑監督は大胆な再構築を行いました。
原作では気高い権力者として描かれていた帝を、セクハラ的な存在に再解釈したのは、極めて現代的な視点です。
帝がかぐや姫を力ずくで抱きしめようとする性暴力的な描写は、議論を呼びましたが、権力と女性の関係性を直接的に問いかける勇気ある表現として評価されています。
作品全体を通して流れるのは「人間讃歌」というテーマですね。
月の世界では感じられない人間の感情の豊かさ、喜び、悲しみ、怒り、そして愛。
これらの感情こそが人間として生きる意味であるというメッセージが、美しい映像とともに胸に迫ってきます。
女性の視点から描かれた普遍的な物語
『かぐや姫の物語』は「1000年分の女の子の悲しみを詰め込んだ傑作」とも評されます。
女性が社会から期待される役割、美しくあること、従順であることへの息苦しさが、かぐや姫の成長物語を通して描かれています。
眉を剃り、お歯黒をし、十二単を着せられて動けなくなるかぐや姫の姿は、女性に対する社会的な抑圧の象徴として解釈できます。
こうした現代的なフェミニズム視点が盛り込まれていることも、本作が時代を超えて評価される理由の一つです。
高畑勲監督60年のキャリアの集大成
高畑勲監督は『アルプスの少女ハイジ』『母をたずねて三千里』『火垂るの墓』など、数々の名作を世に送り出してきました。
『かぐや姫の物語』は、そんな監督が60年にわたるキャリアの集大成として位置づけた作品です。
実際、制作には8年の歳月と50億円を超える製作費が投じられたとされています。
高畑監督は本作で脚本も手がけ(坂口理子と共作)、細部にまでこだわり抜いた演出を実現しました。
媼がかぐや姫に授乳するシーンなど、通常のアニメでは避けられがちな大胆な演出も盛り込まれ、リアリティと人間味を追求する姿勢が貫かれています。
美しく残酷な自然描写
『かぐや姫の物語』のもう一つの魅力は、日本の四季折々の自然が美しく描かれている点です。
竹林、桜、虫、鳥、そして月。
これらの自然描写は単なる背景ではなく、かぐや姫の感情を映し出す鏡として機能しています。
特に印象的なのは、かぐや姫が地球での記憶を失いながら月へ帰っていく最後のシーンですね。
美しい満月と雅楽の調べの中、人間としての感情を失っていくかぐや姫の姿は、美しくも残酷な別れの象徴として観る者の心に深く刻まれます。
具体的な評価とSNSの声
批評家からの絶賛の声
『かぐや姫の物語』は公開当時から、多くの批評家や映画評論家から高い評価を受けてきました。
「動きに特化した日本最高峰のアニメ」「高畑勲の最高峰作品」「完璧で美しく残酷」といった賛辞が並びます。
第86回キネマ旬報ベスト・テンでは日本映画第3位にランクインし、アニメーション作品としては異例の高評価を得ました。
一部では「インテリ左翼的」との批判的な意見もありますが、全体としては圧倒的に肯定的な評価が優勢です。
特に注目されるのは、ジブリの他の高畑作品である『火垂るの墓』や『おもひでぽろぽろ』を凌駕する作品として位置づけられている点ですね。
観客からの熱い支持
公開時には約200万人の観客を動員し、興行収入25.5億円を記録しました。
これは『風立ちぬ』と同時期の公開だったため、相対的には控えめな数字に見えるかもしれませんが、作品の芸術性の高さを考えれば十分な成功と言えます。
Filmarksでは平均スコア4.0以上を維持しており、eiga.comでも5つ星の高評価レビューが多数寄せられています。
「何度観ても新しい発見がある」「涙が止まらなかった」「人生観が変わった」といった感想が多く見られます。
特に印象的なのは、公開から時間が経つにつれて評価が高まっている点です。
2020年代に入ってからもNetflixなどの配信サービスで視聴した人々から新たなレビューが増加し、再評価の波が続いています。
SNSでの反響
SNSでも『かぐや姫の物語』は高く評価されており、様々な声が上がっています。
「かぐや姫が走るシーンで鳥肌が立った」「帝のシーンが衝撃的すぎて言葉を失った」「捨丸との再会シーンで号泣」といった具体的な場面への言及が多く見られます。
また「ジブリ作品の中で一番好き」「高畑監督の最高傑作」という声も少なくありません。
一方で「難しすぎて理解できなかった」「エンディングが悲しすぎる」といった意見もあり、万人受けする作品ではないことも事実です。
しかし、そうした賛否両論も含めて、多くの人々の心を動かし、語り継がれる作品であることは間違いありません。
5人の貴公子のエピソードが観所
原作『竹取物語』でも印象的な5人の貴公子の求婚エピソードは、本作でも重要な見どころの一つです。
それぞれの貴公子が、かぐや姫が求める不可能な品を手に入れようと奮闘し、結果的に失敗する過程が描かれます。
- 石作皇子の「仏の御石の鉢」
- 車持皇子の「蓬莱の玉の枝」
- 右大臣阿倍御主人の「火鼠の裘」
- 大納言大伴御行の「龍の首の珠」
- 中納言石上麻呂の「燕の子安貝」
これらのエピソードを通して、権力者たちの欲望や虚栄が風刺的に描かれており、現代社会への批評としても読み取れます。
声優陣の熱演
『かぐや姫の物語』では、プロの声優ではなく俳優陣が声を担当していることも話題となりました。
かぐや姫役の朝倉あき、捨丸役の高良健吾、翁役の地井武男(遺作)、媼役の宮本信子など、実力派俳優たちの自然な演技が作品のリアリティを高めています。
特に地井武男さんの翁の演技は、娘を思う父親の愛情と、同時に娘を束縛してしまう矛盾した感情が見事に表現されており、多くの観客の心を打ちました。
まとめ
『かぐや姫の物語』が最高傑作と称される理由をまとめると、以下の点が挙げられます。
- 手描きアニメーションの究極到達点と言える美しい映像表現
- 原作を大胆に再構築した深いテーマ性と現代的視点
- 女性の視点から描かれた普遍的な物語
- 高畑勲監督60年のキャリアの集大成
- 美しく残酷な自然描写と人間讃歌
- 批評家・観客からの圧倒的な高評価
- 公開から時間が経つにつれて評価が高まり続けている
第37回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞、第86回キネマ旬報ベスト・テン日本映画第3位などの受賞歴、Filmarksでの平均スコア4.0以上という高評価が、その価値を証明しています。
公開から10年以上が経過した2026年現在も、Netflixなどの配信サービスで新たな視聴者を獲得し続け、再評価の波が続いているのが特徴です。
「日本アニメの頂点」「高畑勲の最高峰作品」という評価は、決して大げさではなく、多くの批評家や観客の共通認識となっています。
あなたも『かぐや姫の物語』を体験してみませんか
ここまで読んでいただき、『かぐや姫の物語』がなぜ最高傑作と呼ばれるのか、お分かりいただけたのではないでしょうか。
もしまだ観たことがない方は、ぜひ一度ご覧になることをおすすめします。
Netflixなどの配信サービスで視聴できますし、Blu-rayやDVDも発売されていますので、ご自宅でゆっくりと鑑賞できますよ。
すでに観たことがある方も、もう一度観てみると新たな発見があるかもしれません。
かぐや姫の疾走シーン、捨丸との再会、帝との対峙、そして月への帰還。
一つ一つの場面に込められた意味を噛みしめながら観ると、より深く作品の魅力を感じられるはずです。
『かぐや姫の物語』は、観る人の人生経験や年齢によって、受け取るメッセージが変わる作品です。
だからこそ、何度観ても新しい感動があり、時代を超えて愛され続けているのですね。
あなたも高畑勲監督が残した最高傑作を通して、人間として生きることの意味、感情の豊かさ、そして愛することの尊さを感じてみてください。
きっと、心に残る特別な体験になるはずですよ。