
「千と千尋の神隠し」の冒頭で、千尋のお父さんがむさぼり食べているあのプルプルした謎の食べ物。
半透明でプニプニとした見た目、箸でつまむとテロ~ンと伸びて汁気がじゅわっと飛び出すあの変な食べ物の正体は一体何なのでしょうか?
映画公開から24年が経った今でも、SNSやYouTubeで話題になり続けるこの謎の料理について、台湾料理説から公式見解まで詳しくお伝えします。
あの食べ物を再現したい方や、正体を知りたい方にとって必要な情報をまとめました。
あのプルプルした肉の正体は台湾料理「肉圓」ではない

結論から言うと、千と千尋の神隠しでお父さんが食べていたプルプルした肉の正体は不明です。
長年「台湾料理の肉圓(バーワン)」と噂されてきましたが、スタジオジブリ公式は肉圓説を否定しています。
また、一部で流布した「シーラカンスの胃袋」という説もガセ情報でした。
公式からは正確な答えは発表されておらず、あの変な食べ物の正体は今も謎のままなのです。
なぜ台湾料理の「肉圓」説が広まったのか?

劇中の食べ物の特徴
まず、劇中で描かれている謎の食べ物の特徴を整理してみましょう。
- 半透明でプルプル・プニプニした見た目
- 箸でつまむとテロ~ンと伸びる
- 食べると汁気がじゅわっと飛び出す
- 湯気の立つ大鍋からすくわれる
- 茶色のタレとパクチーがかけられている
- 一気食いしたくなるような美味しそうな見た目
これらの特徴から、何かの皮に包まれた具入りの料理であることが分かりますね。
肉圓(バーワン)との共通点
台湾のB級グルメ「肉圓(バーワン)」は、以下のような特徴を持っています。
- もち米やサツマイモ粉・芋粉を練った半透明の皮
- 中に豚ひき肉・タケノコなどの具が入っている
- 蒸すか揚げて調理する
- 甘じょっぱいタレとパクチー、ピーナッツ粉をかけて食べる
- プルプル・ムチムチした食感
確かに劇中の食べ物と多くの共通点があることが分かります。
この類似性から、2014年頃から「劇中の謎の食べ物=肉圓」という噂が広まったのです。
九份がモデル地という説との関連
さらに噂を後押ししたのが、「千と千尋の神隠しのモデル地は台湾の九份」という説でした。
九份の夜市には実際に肉圓を売る屋台があり、映画のシーンと重なって見えたことで、多くの人が「あの食べ物は肉圓に違いない」と考えるようになったのですね。
台湾の老舗店「金枝紅糟肉圓」などでは、お父さんが食べた「アレ」として観光客が増加する現象も起きました。
公式見解と実際の違い
ジブリ公式の否定
しかし、ジブリ広報への問い合わせによると、「肉圓ではない」「九份が舞台でもない」と明確に否定されています。
つまり、長年信じられてきた肉圓説は、実は間違いだったということですね。
見た目の違い
実際に肉圓と劇中の食べ物を比較してみると、以下のような違いがあります。
- プルプル具合:劇中の方が柔らかくトロける描写
- 透明感:劇中の方がより半透明
- 汁の出方:劇中では勢いよく汁が飛び出す
- 食べ方:劇中では一口で豪快に食べている
これらの違いから、完全に一致するわけではないことが分かります。
SNSや動画で話題の再現レシピと反響
YouTube動画での再現企画
公式見解が出ているにも関わらず、今でもYouTubeでは「千と千尋のあの料理を再現してみた」という動画が人気を集めています。
カタカタシェフなどの料理系YouTuberが、白玉粉をベースにした再現レシピを紹介していますね。
視聴者からは「本当に美味しそう」「作ってみたい」といったコメントが多数寄せられています。
家庭での再現レシピ
一般的な再現レシピでは、以下のような材料が使われています。
- 白玉粉200g
- 豚肉団子(中の具材として)
- ゼラチン(プルプル汁気を再現)
- 醤油ベースの甘辛タレ
- パクチー
炭水化物が多めなので食べ過ぎには注意が必要ですが、見た目も食感も劇中に近い仕上がりになると評判です。
SNSでの議論
TwitterやInstagramでは、定期的に「あの料理の正体は何?」という投稿が話題になります。
「肉圓だと思ってた」「公式が否定してるなら何なの?」「自分で作ってみたい」といった様々な意見が交わされていますね。
特に台湾旅行をした人からは「現地で肉圓食べたけど、確かに違う気がする」というリアルな体験談も投稿されています。
台湾現地での肉圓人気とジブリ効果
台湾での肉圓の現状
2025年現在、台湾では肉圓が45元(約200円)程度の屋台グルメとして親しまれています。
甘辛タレ・赤麹版が特に人気で、地元の人々にとっては日常的な庶民料理ですね。
観光名物としての地位
千と千尋の神隠し効果で、肉圓は台湾の観光名物として注目度が上がりました。
日本人観光客の中には「ジブリのあの料理を食べてみたい」という理由で肉圓を注文する人も多いそうです。
現地の店主も、その需要を理解して「千と千尋の〜」という説明をすることがあるとか。
他に考えられる食べ物の候補
中華圏の類似料理
肉圓以外にも、劇中の食べ物に似た料理は中華圏に複数存在します。
- 上海の小籠包(汁が出る点で類似)
- 広東の蝦餃(半透明の皮が類似)
- 台湾の水晶餃(透明感が類似)
ただし、どれも完全に一致するわけではありません。
創作料理説
最も有力なのは、宮崎駿監督による完全な創作料理という説です。
様々な中華料理の要素を組み合わせて、より魅力的で印象的な食べ物として描かれた可能性が高いですね。
アニメーションならではの誇張表現で、実在しない理想的な美味しそうな料理を作り出したと考えられます。
まとめ:プルプルした肉の謎は今も続く
千と千尋の神隠しでお父さんが食べていたプルプルした変な食べ物の正体は、結局のところ公式には明かされていない謎のままです。
台湾料理の肉圓説は長年信じられてきましたが、スタジオジブリ公式によって否定されており、実際の肉圓とも完全には一致しません。
おそらくは宮崎駿監督による創作料理で、様々な中華料理の魅力的な要素を組み合わせて作られたものと考えられます。
それでも、この謎の食べ物は映画公開から24年経った今でも多くの人を魅了し続けており、再現レシピや議論が絶えない愛され続ける存在となっていますね。
真の正体は分からなくても、あの美味しそうな描写は多くの人の記憶に残り、食への好奇心をかき立て続けています。
もしあの料理を味わってみたいと思ったら、YouTubeの再現レシピを参考に作ってみたり、台湾で本物の肉圓を食べてみたりするのも楽しそうですね。
きっと、あの謎めいた食べ物の魅力を少しでも感じることができるはずです。