
『となりのトトロ』を見たことがある方なら、あの温かくて優しいメロディが心に残っていますよね。
映画を見てから何十年も経つのに、ふとした瞬間に「さんぽ」や「となりのトトロ」のメロディが頭の中で流れてくることってありませんか?
実は、これらの曲には作曲家・久石譲さんの深い想いや、子どもたちが歌いやすい工夫、そして日本の自然観を表現した哲学が込められているんです。
この記事では、『となりのトトロ』の主題歌から劇中歌まで、それぞれの曲の特徴や背景、込められた想いを詳しく解説していきます。
曲を知ることで、映画をもっと深く楽しめるようになりますよ。
となりのトトロの曲紹介・解説:全体像

『となりのトトロ』の音楽は、久石譲が作曲を手がけた名曲揃いです。
主題歌「となりのトトロ」とオープニングテーマ「さんぽ」は、井上あずみさんの歌声で多くの人の心に刻まれていますね。
劇中では「風の通り道」「すすわたり」「夕暮れの風」「ねこバス」など、シーンごとに印象的な楽曲が流れ、物語をより感動的に彩っています。
これらの曲は、ただ耳に心地よいだけでなく、子どもたちが歌いやすい工夫や、日本の自然観という深いテーマが込められているんです。
それぞれの曲には、作り手の想いやこだわりがあり、それを知ることで映画の世界観がさらに広がりますよ。
主題歌「さんぽ」と「となりのトトロ」の魅力
「さんぽ」:子どもたちが歌いやすい工夫
映画のオープニングで流れる「さんぽ」は、徹底してシンプルな音階で制作されているのが特徴です。
作曲は久石譲、歌唱は井上あずみさんが担当していますね。
この曲の最大の特徴は、歌詞が一音につき一言と振られていることです。
つまり、「あるこう あるこう わたしはげんき」というように、音符一つ一つに対して一文字ずつ歌詞が当てはめられているんですね。
これによって、小さな子どもたちでも非常に歌いやすくなっています。
実際、幼稚園のお遊戯会や遠足の定番曲として、今でも多くの子どもたちに親しまれていますよ。
オープニング映像では、メイのうしろからいろいろな生きものが並んでついて来るシーンが印象的で、この楽しげな映像と曲がぴったりマッチしていますね。
「となりのトトロ」:イメージソングから主題歌へ
エンディングで流れる「となりのトトロ」は、この映画を象徴する主題歌です。
実は、この曲には興味深い発売の経緯があるんですよ。
映画公開の半年前に、まずイメージソングとして発売されました。
その時のカップリング曲は、『天空の城ラピュタ』の主題歌「君をのせて」だったんです。
その後、映画公開直前に主題歌として再発売され、この時のカップリングは「さんぽ」に変更されました。
「トトロ、トトロ」という印象的なサビのメロディは、一度聴いたら忘れられない魅力がありますよね。
子どもから大人まで、世代を超えて愛され続けている理由が、このシンプルで温かいメロディにあるんです。
劇中歌に込められた世界観
「風の通り道」:映画全体の隠しテーマ
「風の通り道」は、メイとサツキが引っ越した先の自然に触れるシーンで流れる曲です。
実は、久石譲自身がこの曲を「映画全体の隠しテーマ」と呼んでいるんですよ。
この曲には、日本の古来の思想である「自然の一つひとつに神様が宿る」という考え方が反映されています。
トトロという存在そのものが、森の精霊であり、自然の神秘を象徴していますよね。
「風の通り道」の神秘的で優しいメロディは、まさにそういった自然への畏敬の念を音楽で表現したものなんです。
ピアノとオーケストラが織りなす美しいハーモニーは、森の中を吹き抜ける風そのもののようで、聴く人の心を穏やかにしてくれますね。
「すすわたり」:かわいくてあやしい不思議な存在
サツキとメイが「まっくろくろすけ」と呼ぶ、あの黒いふわふわした存在のテーマ曲が「すすわたり」です。
作曲はもちろん久石譲が担当していますね。
この曲の特徴は、かわいらしいけれど少しあやしい感じのメロディなんです。
まっくろくろすけ自体が、害のない存在だけど正体不明で少し不気味という絶妙な設定ですよね。
その雰囲気を音楽で完璧に表現しているのがこの「すすわたり」なんです。
多くの視聴者が、この曲を聴いて家の中でまっくろくろすけを探した経験があるとされています。
古い家の暗い隅っこに、本当にいそうな気がしてきますよね。
「夕暮れの風」:最も情緒豊かなメロディ
劇中歌の中でも、最も印象深いといえるのが「夕暮れの風」です。
吹き抜けていくような美しいメロディが、映画の世界観をより一層引き立てているんですよ。
夕暮れ時の、どこか切なくて懐かしい気持ちを、音楽で表現した傑作ですね。
その情緒豊かなメロディは、映画の中でも特に感動的なシーンを彩っています。
オーケストラの繊細な響きが、昭和30年代の日本の田舎の風景と、子どもたちの冒険を優しく包み込んでいるんです。
「ねこバス」:疾走感と不思議さの共存
ねこバスが登場するシーンで流れる「ねこバス」という曲は、北原拓が作曲を担当しています。
この曲の魅力は、得体の知れない雰囲気と駆け抜けていく疾走感が共存しているところなんです。
ねこバスって、よく考えると相当不思議な存在ですよね。
猫なのにバスで、壁をすり抜けて、空中を走って、行き先表示が目に出るという...
そんな不思議な存在の魅力を、音楽で見事に表現しているんですよ。
アップテンポで躍動感のあるメロディは、ドライブにも合いそうな楽曲として人気があります。
「まいご」:姉の想いを歌った切ない曲
迷子になったメイを必死で探すサツキの気持ちを描いた曲が「まいご」です。
歌唱は井上あずみさんが担当していますね。
心配している気持ちや、無事に帰ってきてほしいという願いが込められた切ない曲なんです。
映画の中でも、この場面は多くの人が涙するシーンですよね。
幼い妹を失ってしまったかもしれないという恐怖と不安、そして姉としての責任感...
そんなサツキの複雑な感情を、優しくも切ないメロディで表現しているんですよ。
「ふしぎしりとりうた」:イメージアルバムの異色曲
映画のイメージアルバムに収録された「ふしぎしりとりうた」は、森公美子さんが歌唱しています。
この曲は、となりのトトロのほのぼのとした世界観とは異なる早いテンポが特徴なんです。
連想ゲームに近い歌詞の世界観で、「しりとり」というタイトル通り、言葉遊びの要素が強い楽曲ですね。
映画本編では使われていませんが、トトロの世界を別の角度から楽しめる面白い曲として、ファンの間では知られていますよ。
久石譲の音楽哲学と制作の背景
シンプルさへのこだわり
久石譲が『となりのトトロ』の音楽制作で特にこだわったのが、シンプルさです。
「さんぽ」に代表されるように、徹底して子どもたちが歌いやすい音階とリズムで作曲されているんですね。
これは、難しい技巧を排除して、誰もが親しめる音楽を目指した結果なんです。
シンプルだからこそ普遍的で、何十年経っても色褪せない魅力があるんですよ。
実際、1988年の公開から30年以上経った今でも、これらの曲は幅広い世代に愛され続けていますよね。
日本の自然観を音楽で表現
久石譲は「風の通り道」を通じて、日本古来の自然観を表現しようとしました。
八百万の神という考え方、つまり自然のあらゆるものに神様が宿るという思想ですね。
トトロという存在自体が、まさにこの思想を体現したキャラクターなんです。
久石譲の音楽は、そういった宮崎駿監督の世界観を、音という形で見事に表現しているんですよ。
オーケストラの壮大な響きと、ピアノの繊細な旋律が織りなすハーモニーは、日本の自然の美しさと神秘性を感じさせてくれますね。
ファンの間で語られるトトロの音楽
幼少期の思い出と結びついた曲
SNSやファンコミュニティでは、『となりのトトロ』の曲が幼少期の思い出と深く結びついているという声が多く聞かれます。
「幼稚園の遠足で『さんぽ』を歌いながら歩いた思い出がある」という人や、「家族で映画を見た時の温かい記憶が蘇る」という人がたくさんいるんですよ。
音楽には、記憶を呼び起こす強力な力がありますよね。
特に子どもの頃に聴いた曲は、その時の感情や体験と一緒に心に刻まれるんです。
『となりのトトロ』の音楽は、まさにそういった「心の故郷」のような存在として、多くの人々に愛されているんですね。
大人になってから気づく音楽の深さ
子どもの頃は単純に「楽しい曲」「かわいい曲」として聴いていたトトロの音楽ですが、大人になってから聴き直すと、その奥深さに気づくという声も多いんです。
「『風の通り道』の神秘的なメロディに、日本の自然観が込められていることを知って感動した」という人や、「『夕暮れの風』の切なさが、大人になってからの方がより心に響く」という声がありますね。
子どもの頃と大人になってからで、同じ曲から受け取るメッセージが変わるんです。
これも、久石譲の音楽が持つ奥深さの証明ですよね。
シンプルでありながら、聴く人の年齢や経験によって異なる感動を与えてくれるんですよ。
世代を超えて歌い継がれる理由
『となりのトトロ』が公開されたのは1988年ですが、今でも幼稚園や保育園で「さんぽ」が歌われ続けているのは驚きですよね。
ファンの間では、「自分が子どもの頃に歌った曲を、今度は自分の子どもが歌っている」という声も聞かれます。
これは、曲が持つ普遍的な魅力と、シンプルで歌いやすい構成の賜物なんです。
流行に左右されない、本質的な良さがあるからこそ、30年以上経った今でも色褪せないんですよね。
親から子へ、そして孫へと、世代を超えて愛され続ける稀有な作品だと言えますよ。
『となりのトトロ』の音楽を楽しむ方法
サウンドトラックで映画の世界に浸る
『となりのトトロ』の音楽をじっくり楽しみたいなら、サウンドトラックを聴くのがおすすめです。
映画で使用された劇中音楽が収録されており、映像なしでも映画の世界観を存分に味わえるんですよ。
「風の通り道」や「夕暮れの風」などのインストゥルメンタル曲は、作業用BGMやリラックスタイムの音楽としても最適ですね。
自然の音や、昭和の日本の田舎を思わせる懐かしい雰囲気が、心を落ち着かせてくれます。
イメージアルバムで別の角度から楽しむ
映画本編では使われていない楽曲も含まれるイメージアルバムも、ファンの間では人気があります。
「ふしぎしりとりうた」などの異色曲も収録されており、トトロの世界をより多角的に楽しめるんですよ。
イメージアルバムは、映画の世界観を広げる「もう一つのトトロ」として、ファンの間では根強い人気があるんです。
映画を見た後に聴くと、また違った発見があって面白いですよ。
コンサートやオーケストラ演奏
久石譲自身が指揮を務めるコンサートや、ジブリ音楽を演奏するオーケストラコンサートも定期的に開催されていますね。
生演奏で聴く『となりのトトロ』の音楽は、CDとはまた違った感動があるんです。
オーケストラの壮大な響きや、繊細な音の重なりを肌で感じられるのは、生演奏ならではの魅力ですよね。
全国各地で様々な団体がジブリコンサートを開催しているので、機会があればぜひ足を運んでみてくださいね。
まとめ:トトロの音楽が愛される理由
『となりのトトロ』の音楽は、久石譲の卓越した作曲技術と、深い哲学が込められた名曲揃いです。
「さんぽ」や「となりのトトロ」といった主題歌は、シンプルで歌いやすい構成により、世代を超えて歌い継がれていますね。
「風の通り道」は映画全体の隠しテーマとして、日本古来の自然観を表現しています。
「すすわたり」「夕暮れの風」「ねこバス」「まいご」などの劇中歌は、それぞれのシーンの雰囲気を完璧に表現し、物語をより感動的にしているんです。
これらの音楽が持つ普遍的な魅力こそが、30年以上経った今でも色褪せない理由なんですね。
あなたも改めてトトロの音楽を聴いてみませんか
この記事を読んで、『となりのトトロ』の音楽に込められた想いや背景を知ったあなたは、きっと以前とは違う聴き方ができるはずです。
子どもの頃に見た映画を、大人になった今改めて見直してみると、新しい発見がたくさんありますよ。
特に音楽に注目して聴いてみると、久石譲の天才的な作曲技術や、込められた深いメッセージに気づけるはずです。
サウンドトラックを聴きながら、あの温かい世界に浸るのもいいですね。
忙しい日常の中で、ほんの少しだけトトロの世界に立ち寄って、心を癒してみてください。
きっと、子どもの頃の純粋な気持ちを思い出せるはずですよ。