
スタジオジブリの名作「となりのトトロ」に登場する不思議な生き物、トトロ。
子どもたちに愛され続けるこのキャラクターの名前には、実は意外な語源と由来があるのをご存知でしょうか。
「トトロ」という響きはどこから生まれたのか、なぜこの名前になったのか。
宮崎駿監督の制作背景や、作品に込められた地域との繋がり、さらには作中での命名シーンの秘密まで、多くの方が気になっているトトロの名前の謎を、この記事では詳しく解説していきます。
公式発表や監督のインタビューをもとに、トトロという名前が生まれた経緯を紐解いていきましょう。
トトロの語源と由来の結論

「トトロ」という名前の語源は、宮崎駿監督の知人の少女が「所沢」を「ととろざわ」と発音したことに由来しています。
作品の初期タイトルは『所沢にいるとなりのおばけ』で、これが短縮されて『となりのトトロ』になりました。
宮崎監督が結婚後に埼玉県所沢に移住し、近隣の自然豊かな山から着想を得たことが作品の原点となっています。
スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーによると、「所沢にいるとなりのおばけ」が基盤で、「となりの」は「住んだところの隣の山にいる」という距離的な意味を持っているとされています。
つまり、トトロの名前は所沢という地名と、子どもの舌足らずな発音という、とても身近で温かいエピソードから生まれた名前なのですね。
なぜ「トトロ」という名前になったのか
初期タイトルから「トトロ」が生まれるまで
『となりのトトロ』という作品が生まれる前、宮崎駿監督は『所沢にいるとなりのおばけ』というタイトルを考えていました。
これは監督自身が結婚後に埼玉県所沢に移住し、そこで出会った自然豊かな狭山丘陵の風景に深く感銘を受けたことが背景にあります。
狭山丘陵の雑木林や里山の風景が、作品の舞台である昭和30年代の田舎の原風景として描かれることになったのです。
「所沢にいるとなりのおばけ」という長いタイトルは、そのまま使うには不便だったため、短縮される必要がありました。
そこで「所沢」の響きと「となりの」という親しみやすい表現を組み合わせて、『となりのトトロ』というタイトルが誕生したのですね。
少女の発音が決め手に
「トトロ」という響きそのものは、宮崎監督の知人の娘(または少女)が「所沢」を舌足らずに「ととろざわ」または「とろろざわ」と発音したことがきっかけでした。
子どもの無邪気で可愛らしい発音が、そのまま作品の主要キャラクターの名前に採用されたというわけです。
この少女の発音は、宮崎監督の耳に残り、「トトロ」という不思議で温かみのある響きとして作品に取り入れられました。
実際の地名と子どもの発音という、日常の中の小さな出来事が大きな作品の核になったことは、ジブリ作品らしいエピソードと言えるでしょう。
作中での命名シーンの意味
映画の中では、メイがトトロに初めて出会った際、名前を尋ねるシーンがあります。
トトロは眠たげに「ドゥオ、ドゥオ、ヴォロー」と野太い声を上げますが、メイの耳には「トトロ」と聞こえたため、そう呼ぶことになりました。
この命名シーンは、実際の制作背景にある「少女の発音」というエピソードを作品内でも再現したものと考えられます。
子どもの純粋な聞き間違いや独自の解釈が「トトロ」という名前を生み出したという設定は、現実の由来とリンクしているのですね。
つまり、トトロという名前は伝承や神話から来たものではなく、子どもの感性と日常の中から生まれた名前なのです。
所沢との深い繋がり
宮崎駿監督が所沢に移住したのは、作品制作の大きな転機となりました。
所沢市周辺の狭山丘陵は、開発が進む中でも自然が残る貴重な地域で、監督はこの風景を守りたいという思いも作品に込めました。
実際、作品公開後、所沢市は「トトロの街」として観光地化し、地域のシンボルとなっています。
スタジオジブリ公式でも語源を「所沢のとなりのお化け」と明記しており、所沢という地名とトトロの名前が切り離せない関係にあることが分かります。
トトロの名前に関する具体例とエピソード
初期設定では異なる名前だった
実は、トトロには初期の設定段階で別の名前が考えられていました。
作品に登場する大・中・小の3体のトトロは、それぞれ個別の名前を持っていたのです。
- 大トトロ(おおとうさん):ミミンズク(1302歳)
- 中トトロ(とうさん):ズク(679歳)
- 小トトロ:ミン
これらの名前は宮崎駿監修の『トトロの生まれたところ』などの資料に記載されています。
しかし、最終的にはすべて「トトロ」という名前に統一され、大トトロがメインキャラクターとして「トトロ」と呼ばれるようになりました。
この変更により、作品がよりシンプルで親しみやすくなったと言えるでしょう。
北欧神話のトロルとの関連性
映画の中で、サツキが「絵本に出ていたトロルのこと?」とメイに尋ねるシーンがあります。
これは北欧神話に登場する妖精「トロル(トロール)」を意識したセリフです。
メイの舌足らずな発音という設定を作中で説明するために、「トトロ」と「トロル」の音の近さを利用したと考えられます。
ただし、宮崎監督のインタビューでは、トトロのビジュアルの直接的原型がトロルというわけではないとされています。
トトロの姿は、日本の森の精霊や土着の信仰をベースに、オリジナルでデザインされたキャラクターなのですね。
中国語圏での「龍猫」という誤解
中国語圏では、トトロが「龍猫(ロンマオ)」と訳されることがあります。
これは、南米原産のネズミ「チンチラ」の中国語名が「龍猫」であり、トトロの見た目がチンチラに似ているためです。
しかし、これは翻訳上の便宜的な表現であり、トトロ自体は「多多洛」と表記されることもあります。
また、「龍猫」がネコバスを指す場合もあり、翻訳による混乱が生じていることが分かります。
日本国内ではトトロの語源が「所沢」にあることが知られていますが、海外では独自の解釈や翻訳が生まれているのですね。
ファンやSNSでの反応
トトロの語源について、SNSやファンの間では様々な意見や感想が交わされています。
「所沢から来ていたなんて知らなかった!」という驚きの声や、「子どもの発音が由来って可愛い」という温かいコメントが多く見られます。
また、「所沢に住んでいるからトトロに親近感が湧く」という地元の方の声もあり、作品と地域が深く結びついていることを実感させられます。
ファンの間では、トトロという名前の由来を知ることで、作品への愛着がさらに深まったという意見も多いですね。
まとめ:トトロの語源と由来
「となりのトトロ」の「トトロ」という名前は、宮崎駿監督の知人の少女が「所沢」を「ととろざわ」と発音したことに由来しています。
初期タイトル『所沢にいるとなりのおばけ』が短縮され、『となりのトトロ』という作品名が生まれました。
宮崎監督が所沢に移住し、狭山丘陵の自然に触れたことが作品の原点となっており、地域との深い繋がりが感じられます。
作中では、メイがトトロの声を「トトロ」と聞き取る命名シーンがあり、子どもの純粋な感性が名前の由来として描かれています。
初期設定では「ミミンズク」「ズク」「ミン」といった別の名前も考えられていましたが、最終的には「トトロ」に統一されました。
また、北欧神話の「トロル」との音の近さや、中国語圏での「龍猫」という翻訳など、文化を超えて様々な解釈が生まれていることも興味深いポイントです。
トトロという名前は、日常の小さな出来事から生まれた、温かくて親しみやすい名前なのですね。
トトロの名前の由来を知って、作品をもっと楽しもう
トトロの名前の由来を知ると、作品を観る目が変わってきませんか。
何気なく聞いていた「トトロ」という響きに、こんなにも温かいエピソードと地域への愛情が込められていたなんて、素敵ですよね。
もし機会があれば、埼玉県所沢市や狭山丘陵を訪れて、トトロが生まれた風景を実際に感じてみるのもおすすめです。
映画を改めて観る際には、メイがトトロに名前を尋ねるシーンや、所沢の自然を思わせる風景に注目してみてください。
きっと、今まで以上に作品への愛着が深まり、トトロという存在がより身近に感じられるはずです。
名前の由来を知ることで、作品の魅力をさらに発見する旅に出かけてみましょう。