
『となりのトトロ』でサツキとメイが暮らす古い家は、どこか懐かしく、不思議な雰囲気を持っていますよね。
あの家の中には、実は宮崎駿監督が明かした深い裏設定が隠されているのです。
和室と洋室が混在する独特な間取り、お父さんの書斎がなぜ離れにあるのか、そしてなぜあんなに広い家が空き家だったのか。
この記事では、草壁家の中に秘められた設定や建築的な特徴、そして監督自身が語った家の真実について詳しくお伝えします。
映画を観ただけでは分からない、家の中に込められた意味を知ることで、『となりのトトロ』がより深く楽しめるはずです。
となりのトトロの家の中は「療養用に建てられた別荘」

草壁家は、結核患者の療養用に建てられた未完成の別荘で、先住民が病気で亡くなった「死者の家」とされています。
この驚くべき設定は、宮崎駿監督自身が2001年のインタビューで明かしたもので、『となりのトトロ(ジブリ・ロマンアルバム)』に収録されています。
監督は「病人を療養させるための離れのある別荘で、その人が死んで用なしになった空き家」と明言しており、映画本編では描かれなかった深い背景が存在するのです。
サツキとメイの母・ヤス子が肺疾患で入院中だったため、草壁家は空気の良いこの家を選んだという設定も、この裏設定と深く関係しています。
なぜ療養用の別荘として建てられたのか
結核療養施設としての建築様式
草壁家の特徴的な構造は、和風家屋と日当たりの良い洋間(書斎)が接続された形式になっています。
これは当時、結核療養施設として一般的な建築様式でした。
結核の治療には、日光浴と新鮮な空気が重要とされていたため、陽光をたっぷり取り込める離れが設けられたのです。
草壁タツオの書斎は、まさにこの結核患者のための陽光浴用離れとして建てられた部分なのです。
未完成のまま放置された理由
庭も完成せず放置されたのは、建設途中で住人が亡くなったためです。
本来であれば、療養生活を快適に過ごすための庭園が整備される予定だったはずです。
しかし、家の建設途中で病気により住人が他界してしまい、それ以降は誰も住むことなく空き家となっていました。
だからこそ、サツキとメイが引っ越してきたときには、荒れ放題の庭や埃だらけの室内という状態だったのですね。
カンタの婆ちゃんとの関係
カンタの婆ちゃんは、この家で女中奉公をしていた過去があり、管理を任されていました。
だからこそ、草壁家が引っ越してくる前から家の鍵を持っていて、家の中のことをよく知っていたのです。
「お化け屋敷だ」と周囲から言われていたこの家を、婆ちゃんは長年見守ってきたのでしょう。
木や土手に囲まれ孤立した立地も、療養施設として静かな環境を求めた結果だったと考えられます。
家の中の構造と特徴
和館と洋館の融合デザイン
草壁家は和館(無意識的建築)と洋館(意識的建築)の融合で、大正文化を反映したデザインとなっています。
メインの居住空間は日本家屋らしい畳の部屋や縁側がありますが、お父さんの書斎部分は洋風の造りになっているのが特徴的です。
この和洋折衷の建築スタイルは、大正から昭和初期にかけて流行したもので、時代設定とも合致しています。
家の中の間取りと部屋の配置
家の中は大きく分けて以下のような構成になっています。
- 玄関から続く土間と廊下
- メインの居間となる和室
- サツキとメイの子ども部屋(2階)
- タツオの書斎(離れの洋間)
- 台所
- 風呂場
特に印象的なのは、2階の子ども部屋にある大きな窓と、そこから見える大きなクスノキです。
この部屋でサツキとメイは「まっくろくろすけ」を発見し、トトロとの不思議な出会いへとつながっていきます。
日当たりと風通しを重視した設計
療養施設として建てられただけあって、家の中は日当たりと風通しが非常に良い設計になっています。
大きな窓が随所に配置され、自然光がたっぷり入り込む構造です。
縁側や廊下も開放的で、新鮮な空気が家全体を循環するように考えられています。
これらはすべて、結核療養という本来の目的のために設計された要素なのです。
SNSや専門家の反応と考察
ファンの間で語られる家の印象
SNSでは「あの家に住みたい」という声が多く見られます。
「となりのトトロの家って憧れるけど、裏設定を知ると複雑な気持ちになる」という意見もあります。
宮崎監督のスタッフも「住みたい家」と評価しているように、ファンタジーと現実の死生観を象徴する空間として、多くの人々の心に残っているのです。
建築的な視点からの評価
建築や文化の専門家からは、草壁家の和洋折衷スタイルが高く評価されています。
大正ロマンの時代背景を色濃く反映しており、当時の文化や生活様式を忠実に表現しているとされています。
アートブック『ジ・アート・オブ となりのトトロ』では、監督の覚書に「自分たちの住みたい場所を作ろう」と記されており、制作陣の強い思い入れが感じられます。
裏設定の公開時期と反響
これらの設定は映画本編では明示されず、宮崎監督のインタビューや関連書籍で2001年頃に公表されました。
近年もSNSや記事で再確認されており、「知らなかった」「驚いた」という声が上がり続けています。
ただし、新規公式情報は確認されておらず、2001年時点の監督のコメントが最も信頼できる情報源となっています。
家の中に込められた監督の意図
生と死のテーマ
「死者の家」という設定は、『となりのトトロ』全体に流れる生と死のテーマと深く関係しています。
母親の病気、そして療養のために建てられた家で新しい生活を始める家族。
過去に誰かが亡くなった場所で、新しい命の息吹が芽生えていく対比が描かれているのです。
子どもたちの視点と現実
サツキとメイは、家の暗い過去を知らずに、純粋に新しい家での生活を楽しんでいます。
まっくろくろすけを見つけて喜んだり、トトロと出会ったりする子どもたちの無邪気さは、大人が抱える現実の重さとは対照的です。
監督は、子どもの視点を通して、死という重いテーマを優しく包み込んでいるのかもしれません。
家族の再生の物語
草壁家が「死者の家」に引っ越すことは、家族の再生の物語としても読み解けます。
病気の母を待ちながら、父と娘たちが新しい土地で懸命に生きていく姿。
過去の死を乗り越え、新しい生を育んでいく場所として、この家が選ばれたのではないでしょうか。
まとめ:となりのトトロの家の中に隠された真実
『となりのトトロ』の草壁家は、結核患者の療養用に建てられた未完成の別荘で、先住民が病気で亡くなった「死者の家」という設定があります。
和風家屋と日当たりの良い洋間が接続された建築様式は、当時の結核療養施設として一般的なものでした。
宮崎駿監督が2001年のインタビューで明かしたこの裏設定は、映画本編では語られていませんが、作品全体に流れる生と死のテーマと深く結びついています。
家の中の構造や間取り、そして建てられた理由を知ることで、『となりのトトロ』という作品がより深く、多層的に理解できるようになります。
カンタの婆ちゃんが管理していた理由や、なぜこんなに立派な家が空き家だったのかも、すべてこの設定で説明がつくのです。
『となりのトトロ』をもう一度観てみませんか
家の中の秘密を知った今、もう一度『となりのトトロ』を観てみると、新しい発見があるかもしれませんね。
サツキとメイが駆け回る廊下、お父さんが仕事をする書斎、まっくろくろすけが住んでいた暗い部屋。
それぞれの場所に込められた意味を感じながら観ると、作品の奥深さに改めて気づかされるはずです。
子どもの頃に観た時とは違う感動が、きっとあなたを待っていますよ。
家族や大切な人と一緒に、『となりのトトロ』の世界にもう一度浸ってみてはいかがでしょうか。