
スタジオジブリの名作『となりのトトロ』には、実は小説版があることをご存じでしょうか?
映画を何度も観た方でも、小説版の存在を知らない方は意外と多いかもしれませんね。
あの心温まる物語が活字でどのように描かれているのか、映画とはどんな違いがあるのか、気になる方も多いはずです。
この記事では、『小説 となりのトトロ』について、その基本情報から映画版との違い、読む価値まで詳しくご紹介します。
映画を愛する方はもちろん、活字で改めてトトロの世界に触れたい方にとって、きっと新しい発見がありますよ。
『小説 となりのトトロ』とは何か

『小説 となりのトトロ』は、宮崎駿の原作・絵を基に久保つぎこが執筆し、1988年4月にアニメージュ文庫から刊行されたノベライズ作品です。
映画と同時期に発売されたこの小説は、スタジオジブリの同名アニメ映画を文章化した公式作品なんですね。
昭和30年代前半の東京郊外(狭山丘陵や所沢をモデル)を舞台に、小学生のサツキと4歳のメイが古い家に引っ越し、不思議な生き物「トトロ」と出会う物語が描かれています。
著者の久保つぎこさんが文章を担当し、宮崎駿監督自身が原作と挿絵を提供しているのが大きな特徴です。
ハードカバー愛蔵版には宮崎駿による11枚のオールカラー挿絵が収録されており、ファンにとっては貴重なコレクションアイテムとなっています。
なぜ小説版が生まれたのか
映画とメディアミックスの時代背景
1980年代後半は、アニメ作品のメディアミックス展開が盛んになり始めた時期でした。
『となりのトトロ』の制作当初、宮崎駿監督は1970年代からイメージボードを描いており、初期構想は絵本として発表する予定だったとされています。
その後映画化が決定し、姉妹を主人公にする形へと変更されました。
映画公開に合わせて小説版も刊行することで、より多くの人々にこの物語を届けようという意図があったんですね。
活字メディアの独自性
映像では伝えきれない登場人物の内面や心理描写を、小説というメディアを通して表現できます。
特にサツキの視点から描かれる小説版では、映画では描ききれなかった細かな心情が丁寧に綴られています。
映画を観た後でも、活字で読むことで新たな発見や感動があるのが小説版の魅力です。
宮崎駿の創作活動における位置づけ
宮崎駿監督の企画書(1986年)では、当初は中編(60分)として予定されていましたが、絵コンテ段階で長編化されました。
原型は宮沢賢治の『どんぐりと山猫』に影響を受けたとされており、自然と人間の調和というテーマが一貫しています。
「トトロ」という名称も「所沢(ととろざわ)」に由来するという説があり、地域に根ざした物語作りが行われていることが分かりますね。
映画版と小説版の違い
視点の違いが生む新しい物語体験
映画版ではサツキとメイがほぼ同等の主人公として描かれますが、小説版はサツキの視点を中心に物語が進行します。
メイの行動は比較的大雑把に記述され、代わりにサツキの心の動きや成長、独立自尊への気づきが強調されているんですね。
母親の病気への不安、妹への責任感、田舎暮らしへの戸惑いなど、お姉ちゃんとしてのサツキの葛藤がより深く描かれています。
この視点の違いによって、同じストーリーでも全く異なる読後感が生まれるのが興味深いところです。
トトロの描写における違い
映画では愛らしい白眼に黒い瞳がちょこんと入った姿で描かれるトトロですが、小説版ではより異質で衝撃的な目の描写がされているとされています。
森の主で太古から日本に住む動物(精霊ではない)という設定は共通していますが、活字で表現されることで想像の余地が広がり、読者それぞれのトトロ像が生まれます。
巨大なクスノキの穴に住む大トトロの存在感も、文章を通して読むことでまた違った印象を受けるでしょう。
心理描写の深さ
映画では映像や音楽で表現される雰囲気が、小説では言葉で丁寧に綴られています。
お化け屋敷のような古い家に引っ越した時の居心地の悪さ、薪風呂を使う大変さ、新鮮な野菜の美味しさなど、生活の細部が活写されているんですね。
トトロとの不思議な出来事(木の実を植えて一晩で大木に育てるシーンなど)も、文章で読むことでより幻想的に感じられます。
大人向けの深みがある作品
レビューでは「映画とは別物」との声が多く、大人が読むことでより楽しめる作品だと評価されています。
子どもの頃に映画を観た方が大人になってから小説を読むと、サツキの心情により共感できたり、親の立場から物語を捉え直したりすることができます。
人と自然の調和というテーマも、活字で読むことでより深く考察できるでしょう。
『小説 となりのトトロ』の具体的な魅力
宮崎駿の挿絵が楽しめる
ハードカバー愛蔵版には、宮崎駿監督自身が描いた11枚のオールカラー挿絵が収録されています。
映画のワンシーンとは異なる角度や構図で描かれた挿絵は、監督の世界観をより深く理解できる貴重な資料です。
活字と挿絵の組み合わせによって、読者の想像力がさらに刺激されますね。
映画では描かれない日常の細部
小説ならではの魅力として、日常生活の細かな描写が挙げられます。
- 引っ越し当日の混乱と疲労
- 古い家の掃除の大変さ
- 薪を割って風呂を沸かす手間
- 近所の人々との関わり方
- 学校での様子
こうした生活感あふれる描写が、物語にリアリティを与えています。
内面の成長物語としての側面
サツキ視点で描かれることで、この物語は一人の少女の成長物語としての側面が強調されます。
母親の不在という不安な状況の中で、妹の面倒を見ながら新しい環境に適応していくサツキの姿は、多くの読者の共感を呼ぶでしょう。
トトロとの出会いは、そんな彼女にとっての心の支えであり、成長のきっかけでもあるんですね。
SNSでの評価と読者の声
SNSでは『小説 となりのトトロ』について様々な意見が見られます。
「映画を観てから読むと、サツキの気持ちがより深く理解できた」という声が多く見られます。
「子どもの頃は映画が好きだったけど、大人になって小説を読んだら涙が止まらなかった」という感想も。
一方で「映画のイメージが強すぎて、活字では物足りなく感じた」という意見もあり、人によって評価が分かれるのも事実です。
ファンの間では「映画と小説、両方楽しむことでトトロの世界がより立体的に理解できる」という見方が一般的ですね。
入手方法と価格について
現在の入手状況
『小説 となりのトトロ』は1988年の初版以降、アニメージュ文庫として刊行されています。
2026年現在、新たな改訂版や復刊の情報は特にありませんが、中古市場では比較的入手しやすい状況です。
楽天市場などのオンライン書店では、中古本が約460円から910円程度で販売されています。
文庫版とハードカバー愛蔵版
文庫版は手軽に読める価格とサイズが魅力です。
一方、ハードカバー愛蔵版は宮崎駿のカラー挿絵が楽しめるため、コレクションとしての価値も高いでしょう。
どちらを選ぶかは、読書スタイルや目的によって決めると良いですね。
図書館での利用
多くの公共図書館でも所蔵されているため、まずは図書館で借りて読んでみるのもおすすめです。
実際に読んでみて気に入ったら、手元に置いておくために購入するという選択肢もありますよ。
『小説 となりのトトロ』を読むべき理由
映画とは異なる感動体験
映画で何度も観たシーンでも、活字で読むことで新たな発見や感動があります。
映像では一瞬で過ぎ去ってしまう場面も、小説ではじっくりと味わうことができるんですね。
登場人物の心情や背景がより深く理解できることで、物語への愛着が一層深まるでしょう。
想像力を刺激する読書体験
映像化された作品の小説を読むことは、自分なりの映像を頭の中に描く訓練にもなります。
特に子どもと一緒に読むことで、親子で物語について語り合うきっかけにもなりますよ。
スタジオジブリ作品への理解が深まる
宮崎駿監督の創作プロセスや、物語に込められたメッセージをより深く理解できます。
自然との共生、子どもの成長、家族の絆といったテーマが、活字を通してより明確に伝わってくるでしょう。
まとめ:小説版で広がるトトロの世界
『小説 となりのトトロ』は、久保つぎこによって執筆され、宮崎駿の原作・絵を基に1988年4月に刊行されたノベライズ作品です。
映画とは異なるサツキ視点の物語として、より深い心理描写や日常の細部が描かれているのが特徴ですね。
主な魅力をまとめると以下のようになります。
- サツキの内面に焦点を当てた視点
- 映画では描かれない生活の細部
- 宮崎駿によるオールカラー挿絵(愛蔵版)
- 大人が読んでも楽しめる深み
- 活字ならではの想像の余地
映画版とは「別物」と捉えることで、それぞれの良さを楽しむことができます。
中古市場では比較的手頃な価格で入手できるため、トトロファンならぜひ一度は手に取ってみる価値がある作品と言えるでしょう。
映画を何度も観た方こそ、小説版で新しいトトロの世界を発見できるはずです。
新しいトトロとの出会いを楽しんでみませんか
映画『となりのトトロ』を愛するあなたなら、きっと小説版でも素敵な体験ができるはずです。
サツキの目を通して描かれる物語は、映画とはまた違った感動を与えてくれますよ。
古本屋やオンライン書店で見かけたら、ぜひ手に取ってみてください。
図書館で借りて読んでみるのも良いでしょう。
久しぶりにトトロの世界に浸りたい時、活字でゆっくりと物語を味わう時間は、きっと心を癒してくれます。
映画を観た後に小説を読む、あるいは小説を読んでから映画を観直す、どちらの順番でも新しい発見があるはずです。
あなたなりのトトロとの出会い方を見つけて、この名作をより深く楽しんでみてくださいね。