となりのトトロ火垂るの墓同時上映って何?

となりのトトロ火垂るの墓同時上映って何?

「となりのトトロ」と「火垂るの墓」が同じ日に一緒に上映されていたって、知っていましたか?

今では考えられない組み合わせですよね。

ファンタジーの名作と戦争の悲劇を描いた作品が、なぜ同時に上映されることになったのか。

この記事では、1988年のスタジオジブリ史上初の2本立て上映について、その背景や理由、当時の反響まで詳しくお伝えします。

映画ファンなら知っておきたい、ジブリの歴史的な出来事を一緒に振り返りましょう。

となりのトトロと火垂るの墓の同時上映とは

となりのトトロと火垂るの墓の同時上映とは

1988年4月16日、宮崎駿監督の「となりのトトロ」と高畑勲監督の「火垂るの墓」がスタジオジブリ史上初の2本立て上映として同時公開されました。

これは同じ料金で約3時間の2作品を観賞できるという、現代では考えられない興行形式でした。

心温まるファンタジーと戦争の悲劇という、全く異なるテーマの作品が組み合わされた異例の上映だったんですね。

当時の映画館では入れ替え制がなかったため、このような長時間の2本立て上映が可能だったのです。

なぜ同時上映することになったのか

徳間書店の難色が発端だった

実は、この同時上映には切実な理由がありました。

親会社である徳間書店が「となりのトトロ」の企画を「地味すぎる」として難色を示していたんです。

確かに、派手なアクションもない、田舎の姉妹と不思議な生き物の交流を描いた作品は、当時の興行的には不安要素が大きかったのでしょう。

そこでプロデューサーの鈴木敏夫さんが考えたのが、既に企画が進んでいた「火垂るの墓」と組み合わせるという戦略でした。

火垂るの墓の企画が先に動いていた

意外かもしれませんが、「火垂るの墓」の企画は1986年1月にスタートしており、「となりのトトロ」よりも先に動いていたんですね。

高畑勲監督による戦争の悲劇を描いた作品という重厚なテーマは、単独でも注目を集める企画でした。

この2作品を組み合わせることで、徳間書店を説得する材料になったわけです。

当時の興行システムが可能にした

現代の映画館では入れ替え制が当たり前ですが、1988年当時は違いました。

一度チケットを買えば、何時間でも映画館にいられるシステムだったんです。

「となりのトトロ」が約86分、「火垂るの墓」が約88分で、合計約3時間という長時間上映が実現できたのも、このシステムのおかげでした。

今の感覚では考えられない贅沢な映画体験だったと言えますね。

ジブリ側も「攻めた組み合わせ」と認識していた

実は制作側も、この組み合わせがかなり挑戦的だと分かっていました。

高畑勲監督自身が「火垂るの墓を先に観た人はかわいそう」と語っているんです。

戦争で親を亡くした兄妹の悲劇を描いた作品を観た後に、明るいファンタジーを観るのか。

それとも、心温まるファンタジーを観た後に、重い戦争ドラマを観るのか。

どちらにしても観客の心に強烈な印象を残す、まさに「攻めた」プログラムだったわけですね。

公開前には子どもに見せることへの不安も抱いていたそうです。

宮崎駿と高畑勲の対照的な世界観

ファンタジーと現実の対比

「となりのトトロ」は、昭和30年代の日本を舞台にした温かなファンタジーです。

サツキとメイという姉妹が、不思議な生き物トトロと出会い、子どもだけが見える世界を体験する物語ですね。

一方、「火垂るの墓」は昭和20年の神戸を舞台に、戦争という現実の中で懸命に生きようとする清太と節子の物語です。

希望と絶望、ファンタジーと現実という全く対照的な世界観が同時に提示されたわけです。

宮崎駿の「猛批判」

興味深いことに、宮崎駿監督は「火垂るの墓」を「猛批判」したとされています。

同じスタジオの作品でありながら、この反応は意外に思えるかもしれません。

しかし、これは両監督の作品に対する姿勢の違いを表しているとも言えます。

宮崎監督は子どもたちに希望を与える作品を、高畑監督は現実を直視させる作品を作るという、それぞれの信念があったのでしょう。

2人の巨匠の作品が同時に観られる貴重な機会

ジブリを代表する2人の巨匠、宮崎駿と高畑勲。

この2人の新作が同時に公開されるというのは、アニメーションファンにとって夢のような出来事でした。

それぞれ異なるアプローチで「子ども」を描いた2作品を、同じ日に観られるという体験は、まさに贅沢の極みだったと言えますね。

同時上映に対する当時と現在の反響

当時の映画館での体験

1988年に映画館でこの2本立てを体験した人々の証言は、今でも語り継がれています。

「トトロで笑って、火垂るの墓で泣いた」という声が多かったようです。

また、上映順によって受ける印象が全く違ったという意見もあります。

先に「火垂るの墓」を観てしまうと、その後の「となりのトトロ」でも心が重いまま。

逆に「となりのトトロ」を先に観ると、その後の「火垂るの墓」で一気に現実に引き戻される。

どちらの順番でも強烈な映画体験になったわけですね。

後追い世代の驚き

この同時上映の事実は、後の世代にとって驚きの事実として受け止められています。

テレビ放送やDVD、配信で別々に観ることが当たり前の世代にとって、この2作品が同じ日に公開されていたというのは信じられない話なんです。

「え、トトロと火垂るの墓って同じ年なの?」という反応も多いですね。

現代の短編2本立て(仮面ライダーシリーズなど)とは異なり、各90分近い大作の2本立てというのは、まさに異例中の異例でした。

SNSでの反応

現在、SNSではこの同時上映について様々な意見が交わされています。

「最強で最悪の2本立て」「感情のジェットコースター」といった表現が使われることもあります。

また、「今だったら絶対に企画が通らない組み合わせ」という指摘も的を射ていますね。

ファンの間では、この大胆な組み合わせこそがジブリらしさだったという評価もあります。

映画評論家の見解

映画評論家の中には、この同時上映を「戦争の悲惨さを強調する意図的な対比」と分析する人もいます。

「となりのトトロ」で描かれる平和な日本と、「火垂るの墓」で描かれる戦争の日本。

この対比によって、平和の尊さや戦争の愚かさがより鮮明になるという見方です。

意図的かどうかは別として、結果的に観客に強いメッセージを残す上映形式になったことは間違いありません。

同時上映のその後と歴史的意義

興行的な成功とは言えなかった

実は、この同時上映は興行的には大成功とは言えませんでした。

具体的な興行収入のデータは明記されていませんが、当時の動員数は期待されたほどではなかったようです。

しかし、その後のテレビ放送やビデオ化によって、両作品ともに日本を代表するアニメーション作品として認知されていきました。

劇場公開時よりも、むしろ後世に評価された作品だったんですね。

2013年にも2作一挙公開が実現

25年後の2013年にも、宮崎駿・高畑勲作品の2作一挙公開が行われました。

これもジブリ史上初の同日2作公開として位置づけられています。

過去の成功体験を活かした企画だったと言えるでしょう。

2025年Netflixでの配信決定

新しい動きとして、2025年に「火垂るの墓」がNetflixで国内初配信されることが決定しました。

戦後80年という節目に合わせた配信で、当時の同時上映ポスターのコピーも再注目されているんです。

配信時代になっても、この作品の価値は色褪せていないことが分かりますね。

ジブリの歴史における転換点

この同時上映は、スタジオジブリにとって重要な転換点でもありました。

2人の監督がそれぞれの作品を同時に発表するというスタイルは、その後のジブリの制作体制にも影響を与えたと考えられます。

宮崎駿と高畑勲という2本柱がいたからこそ、ジブリは多様な作品を生み出せたわけです。

現代から見た同時上映の意味

平和と戦争を同時に考えさせる機会

現代の視点から見ると、この同時上映には深い意味があったと気づかされます。

「となりのトトロ」が描く平和な日常と、「火垂るの墓」が描く戦争の悲劇。

この2つを同じ日に観ることで、観客は平和の尊さと戦争の愚かさを同時に考えることができました。

子どもから大人まで、それぞれの立場で何かを感じ取れる貴重な映画体験だったんですね。

エンターテインメントとメッセージ性の両立

この2本立ては、エンターテインメントとしての楽しさと、社会的なメッセージ性を両立させた企画でもありました。

「となりのトトロ」は純粋な映画の楽しさを提供し、「火垂るの墓」は戦争という重いテーマを突きつけます。

両方を体験することで、映画が持つ多様な可能性を実感できたはずです。

世代を超えて語り継がれる理由

なぜこの同時上映が今でも語り継がれるのでしょうか。

それは、単なる興行形式の話ではなく、日本のアニメーション史における重要な出来事だったからです。

2つの名作が同じ日に誕生したという事実、そして全く異なるテーマの作品を同時に提示するという大胆さ。

これらが組み合わさって、伝説的な出来事となったわけですね。

まとめ:となりのトトロと火垂るの墓の同時上映

1988年4月16日、「となりのトトロ」と「火垂るの墓」はスタジオジブリ史上初の2本立て上映として同時公開されました。

この異例の組み合わせは、徳間書店が「となりのトトロ」を「地味」と難色を示したことから、プロデューサーの鈴木敏夫さんが「火垂るの墓」と組み合わせることで実現させました。

約3時間の長時間上映は、当時の入れ替え制がない興行システムだからこそ可能だったんですね。

ファンタジーと戦争映画という対照的な作品の組み合わせは、観客に強烈な印象を残し、今でも語り継がれる伝説的な上映となりました。

高畑勲監督自身も「攻めた組み合わせ」と認識していたこの企画は、結果的に日本アニメーション史における重要な出来事となったのです。

2025年にはNetflixで「火垂るの墓」が配信されるなど、時代が変わっても両作品の価値は色褪せることがありません。

あなたも体験してみませんか

もしあなたがまだ両作品を観ていないなら、ぜひこの機会に鑑賞してみてください。

配信サービスやDVDで簡単に観られる時代になりましたが、できれば同じ日に2作品を続けて観ることをおすすめします。

当時の観客が体験した「感情のジェットコースター」を、あなたも追体験できるはずです。

また、既に両作品を観たことがある方も、改めて「同時上映」という視点で観直してみると、新しい発見があるかもしれませんね。

平和な日常の尊さと、戦争の悲劇。

この2つのテーマを同時に考えることで、私たちが今生きている時代についても深く考えるきっかけになるでしょう。

ジブリの2大巨匠が同じ年に生み出した傑作を、ぜひあなた自身の目で確かめてみてください。

キーワード: となりのトトロ 火垂るの墓 同時上映