かぐや姫の物語で久石譲が作った音楽の魅力とは?

かぐや姫の物語で久石譲が作った音楽の魅力とは?

スタジオジブリの名作『かぐや姫の物語』をご覧になった方なら、あの幻想的で繊細な音楽に心を動かされたのではないでしょうか。

実はこの作品の音楽を担当したのが、日本を代表する作曲家・久石譲さんなんですね。

久石譲さんといえば宮崎駿監督作品の音楽で知られていますが、高畑勲監督作品とのコラボレーションはこれが唯一となりました。

この記事では、『かぐや姫の物語』における久石譲さんの音楽について、その特徴や制作背景、作品への貢献、そして実際に作品を観た人たちの反応まで、詳しくご紹介していきます。

音楽がどのように物語を彩り、どんな想いが込められているのか、一緒に見ていきましょう。

久石譲が手掛けた『かぐや姫の物語』の音楽

久石譲が手掛けた『かぐや姫の物語』の音楽

『かぐや姫の物語』の音楽は、すべて久石譲さんが作曲しています。

これは高畑勲監督との初めてかつ最後のコラボレーションとなった、非常に貴重な作品なんですね。

サウンドトラック盤(TJJA-10034)には、二階堂和美さんが歌う主題歌も収録されており、幻想的な物語に寄り添う繊細な旋律が特徴となっています。

久石譲さんは本作のために全楽曲を書き下ろし、日本最古の物語文学『竹取の物語』を原作とした高畑監督の世界観を、音楽という形で表現しました。

2013年11月23日に公開されたこの作品は、製作期間8年、総製作費50億円という大規模なプロジェクトであり、音楽もまた作品の重要な要素として位置づけられていました。

なぜ久石譲が起用されたのか

なぜ久石譲が起用されたのか

宮崎作品とは異なる高畑監督との出会い

久石譲さんといえば、『となりのトトロ』『千と千尋の神隠し』『風立ちぬ』など、宮崎駿監督作品の音楽を数多く手掛けてきたことで知られていますよね。

しかし、同じスタジオジブリでも高畑勲監督とのコラボレーションはこれまでありませんでした。

高畑監督の代表作『火垂るの墓』や『平成狸合戦ぽんぽこ』では別の作曲家が音楽を担当していたんですね。

そんな中、『かぐや姫の物語』で初めて久石譲さんが起用されたのは、高畑監督が本作に求めた音楽性と久石さんの持つ表現力が見事にマッチしたからだと言われています。

繊細で詩的な世界観を表現できる音楽性

『かぐや姫の物語』は、水彩画風の柔らかな作画が特徴的な作品です。

幻想的で詩的な表現が評価されており、高畑監督の遺作として芸術性が高い作品として知られているんですね。

こうした繊細な世界観を音楽で表現するには、単なる美しいメロディーだけでなく、物語の奥深さや感情の機微を捉える力が必要でした。

久石譲さんは、オーケストラから室内楽、さらには日本の伝統楽器まで幅広い音楽表現を駆使できる作曲家です。

その多彩な音楽語法と、物語に寄り添う繊細な感性が、高畑監督の求める音楽にぴったりだったのでしょう。

高畑監督の遺作となった特別な意味

『かぐや姫の物語』は、結果的に高畑勲監督の最後の長編監督作品となりました。

高畑監督は2018年に亡くなられましたが、本作は監督の集大成とも言える作品なんですね。

その特別な作品において、久石譲さんとの初コラボレーションが実現したことは、両者にとっても、そして作品にとっても大きな意味を持っています。

2018年刊『ジブリの教科書19 かぐや姫の物語』(文春ジブリ文庫)では、久石譲さんの独占インタビューが掲載され、作曲の裏側が語り下ろしで明かされているそうです。

このインタビューからも、本作の音楽制作にかけた久石さんの想いの深さが伝わってきますね。

『かぐや姫の物語』の音楽の特徴

日本の伝統音楽と西洋音楽の融合

『かぐや姫の物語』の音楽は、日本古来の物語を題材にしているだけあって、和楽器の音色が効果的に使われています。

箏(琴)や尺八、笛といった伝統楽器の響きが、平安時代を舞台にした物語の雰囲気を見事に演出しているんですね。

一方で、オーケストラによる西洋音楽の手法も取り入れられており、両者が自然に溶け合った独特のサウンドが生まれています。

この和洋折衷の音楽表現が、古典と現代を結ぶ本作の世界観にぴったり合っているんです。

静寂と音楽のバランス

久石譲さんの音楽で特筆すべきは、「鳴らさない」ことの美学も大切にしている点です。

常に音楽が流れているわけではなく、あえて音楽を止めることで、静寂そのものが語りかけてくるような場面も多いんですね。

高畑監督の作品は、間(ま)の取り方が非常に巧みだと言われていますが、音楽もまたその哲学に沿って構成されています。

静寂と音楽、両方があってこそ、かぐや姫の心情や物語の深みが際立つのでしょう。

主題歌との一体感

サウンドトラックには、二階堂和美さんが歌唱する主題歌も収録されています。

この主題歌も久石譲さんの音楽世界と見事に調和しており、作品全体に統一感をもたらしているんですね。

二階堂和美さんの透明感のある歌声が、かぐや姫の儚くも美しい運命を象徴しているようで、多くの視聴者の心に残る名曲となりました。

制作背景とスタッフの想い

8年の製作期間に込められた情熱

『かぐや姫の物語』は、製作期間8年、総製作費50億円という、スタジオジブリでも屈指の大規模プロジェクトでした。

これほど長い制作期間がかかった理由の一つに、高畑監督が求める表現の追求があったと言われています。

音楽制作においても、何度もやり取りを重ね、監督のイメージに近づけるための試行錯誤が繰り返されたことでしょう。

久石譲さんもまた、この長い制作期間の中で作品と向き合い続けた一人なんですね。

豪華なスタッフ陣

本作のスタッフは、原案・脚本・監督が高畑勲さん、脚本協力が坂口理子さん、音楽が久石譲さん、美術が男鹿和雄さん、作画監督が小西賢一さんという豪華な顔ぶれです。

また、声優陣も翁役に地井武男さん、媼役に宮本信子さん、相模役に高畑淳子さん、斎部秋田役に仲代達矢さんなど、実力派が揃っています。

こうしたトップクリエイターたちの情熱が結集した結果、芸術性の高い作品が生まれたんですね。

原作『竹取の物語』への敬意

『かぐや姫の物語』は、日本最古の物語文学『竹取の物語』を原作としています。

竹取翁が光る竹から見つけた小さな姫を育て、美しいかぐや姫に成長させるものの、求婚者たちを拒絶し、月からの罪の贖いを思い出して地上を去るという物語ですね。

高畑監督は、この古典を現代に甦らせるにあたって、単なる昔話としてではなく、人間の生き方や感情の本質を描こうとしました。

久石譲さんの音楽もまた、原作への深い敬意と、現代の観客に届けるための普遍性を兼ね備えているんです。

作品への音楽の貢献

かぐや姫の心情を音で表現

『かぐや姫の物語』の中で、かぐや姫は様々な感情を経験します。

竹の中から生まれた喜び、自然の中で遊ぶ楽しさ、都での窮屈な生活への葛藤、地球への愛着、そして月へ帰らなければならない悲しみ。

こうした複雑な心情の移り変わりを、久石譲さんの音楽は見事に表現しているんですね。

特に、かぐや姫が自然の中を駆け回るシーンでの軽やかな音楽や、月へ帰る場面での哀切な旋律は、多くの観客の心を掴みました。

映像表現との完璧な調和

本作の特徴である水彩画風の柔らかな作画は、それ自体が音楽的なリズムを持っているように感じられます。

久石譲さんの音楽は、この独特の映像表現と完璧に調和し、視覚と聴覚が一体となった芸術体験を生み出しているんですね。

音楽が映像を引き立て、映像が音楽に新たな意味を与える、そんな相乗効果が全編を通じて感じられます。

観客の感情を揺さぶる力

『かぐや姫の物語』を観た多くの人が、涙を流したと語っています。

その感動を生み出す大きな要因の一つが、久石譲さんの音楽なんですね。

音楽は言葉を超えて、直接心に訴えかける力を持っています。

本作の音楽は、かぐや姫の儚い運命や、この地球で生きることの尊さを、観客の心に深く刻み込んでいるんです。

観客やファンの反応

サウンドトラックへの高評価

『かぐや姫の物語』のサウンドトラックは、映画公開後も多くの音楽ファンに愛され続けています。

CDが発売されると、久石譲さんのファンはもちろん、ジブリ作品のファンや映画音楽愛好家からも高い評価を受けました。

音楽だけを聴いても作品の世界観が浮かんでくる、そんな完成度の高さが支持されているんですね。

SNSでの反響

作品が公開されてから10年以上経った今でも、SNSでは『かぐや姫の物語』の音楽について語る投稿が見られます。

「久石譲さんの音楽が美しすぎて泣いた」「高畑監督と久石さんのコラボがこれ一作だけなのが惜しい」といった声が多く聞かれるんですね。

また、「音楽を聴くだけで映画の場面が蘇ってくる」という感想も多く、音楽が映画体験の重要な部分を占めていることがわかります。

ファンの間では、久石譲さんの他のジブリ作品とは一味違う、和の要素を取り入れた音楽性が特に評価されているようです。

2026年の再放送への期待

2026年1月9日には、日本テレビ「金曜ロードシネマクラブ」で『かぐや姫の物語』が放送される予定となっています。

この再放送に向けて、SNSでは「久石譲さんの音楽を改めて楽しみたい」という声が高まっているんですね。

竹取物語の新しい解釈として再注目されている本作ですが、音楽面でも再評価の機会になりそうです。

テレビの大画面と良い音響設備で観れば、劇場で観た時とはまた違った感動が味わえるかもしれません。

まとめ:高畑監督と久石譲の奇跡のコラボレーション

『かぐや姫の物語』における久石譲さんの音楽は、高畑勲監督との初めてかつ最後のコラボレーションとして、特別な輝きを放っています。

日本の伝統音楽と西洋音楽を融合させた繊細な旋律は、水彩画風の美しい映像と完璧に調和し、かぐや姫の心情や物語の深みを見事に表現しているんですね。

製作期間8年、総製作費50億円という大規模なプロジェクトの中で生み出された音楽は、作品の芸術性を高める重要な要素となりました。

サウンドトラック盤(TJJA-10034)として発売されているこの音楽は、映画を観た人にとっても、これから観る人にとっても、作品世界への扉を開いてくれるでしょう。

高畑監督の遺作となった本作における久石譲さんの音楽は、日本アニメーション史に残る名作の一部として、これからも多くの人々の心に響き続けるはずです。

この音楽と共に物語を体験してみませんか

『かぐや姫の物語』の音楽について知ることで、作品への興味がさらに深まったのではないでしょうか。

もしまだ作品をご覧になっていないなら、2026年1月9日の「金曜ロードシネマクラブ」での放送は絶好の機会ですね。

すでに観たことがある方も、久石譲さんの音楽に注目して改めて観てみると、新たな発見があるかもしれません。

サウンドトラックだけを聴いて、音楽の世界に浸ってみるのも素敵な体験です。

高畑監督と久石譲さんが生み出した奇跡のコラボレーションを、ぜひあなた自身の感性で味わってみてください。

きっと、心に残る特別な時間になるはずですよ。

キーワード: かぐや姫の物語 久石譲