かぐや姫の物語のキャッチコピーって何?

かぐや姫の物語のキャッチコピーって何?

スタジオジブリの高畑勲監督作品「かぐや姫の物語」を見たことがある方、これから見ようと考えている方の中には、この映画のキャッチコピーが印象的だったと感じている方も多いのではないでしょうか。

実はこの作品には、劇場公開時とDVD・Blu-ray発売時で異なるキャッチコピーが使われているんですね。

この記事では、「かぐや姫の物語」のキャッチコピーについて、それぞれのコピーが誰によって考案されたのか、どんな意味が込められているのか、そして制作の裏側にあったエピソードまで、詳しく解説していきます。

映画をより深く理解するためのヒントがきっと見つかるはずです。

かぐや姫の物語のキャッチコピーは2つある

かぐや姫の物語のキャッチコピーは2つある

「かぐや姫の物語」には、公式の主要なキャッチコピーが2つ存在します。

劇場公開時に使用されたのは「姫の犯した罪と罰。」で、これはスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが考案したものです。

そして、2014年12月3日発売のDVD・Blu-ray版では、爆笑問題の太田光さんが特命コピーライターとして考案した「あゝ無情」が採用されました。

どちらも作品の本質に迫る印象的なコピーですが、それぞれ異なる視点から「かぐや姫の物語」の魅力を伝えているんですね。

公式キャッチコピー「姫の犯した罪と罰。」の深い意味

公式キャッチコピー「姫の犯した罪と罰。」の深い意味

鈴木敏夫プロデューサーが込めた想い

劇場公開時のキャッチコピー「姫の犯した罪と罰。」は、スタジオジブリの名プロデューサーである鈴木敏夫さんが考案したものです。

このコピーは、高畑勲監督の企画書にも記されていた、原作「竹取物語」の核心的なテーマを反映しています。

つまり、かぐや姫がなぜ地球に降りてきて、なぜ月へ帰らなければならなかったのかという根源的な問いを投げかけているんですね。

「罪と罰」が示す物語の核心

このキャッチコピーが秀逸なのは、観客に「姫はいったい何をしたのか?」という疑問を抱かせる点にあります。

原作の「竹取物語」では明確に語られていない部分を、高畑監督は「罪と罰」という視点から描き出しました。

地球での生活を望んだこと、それ自体が月の世界では「罪」とされる、という解釈は非常に哲学的です。

そして、その罰として地球に降ろされ、さらに月へ連れ戻される運命を描いているわけですね。

劇場ポスターとチラシでの展開

「姫の犯した罪と罰。」というキャッチコピーは、2013年11月23日の劇場公開時のポスターやチラシに使用されました。

このコピーは現在でもジブリ作品の公式キャッチコピー一覧に記載されている、正式な公式キャッチコピーとして認識されています。

シンプルながらも重厚感のある言葉選びが、高畑作品の持つ芸術性と深みを見事に表現していますよね。

DVD版キャッチコピー「あゝ無情」誕生の舞台裏

太田光が特命コピーライターに

DVD・Blu-ray版のキャッチコピー制作は、実にユニークなプロセスを経て行われました。

爆笑問題の太田光さんが特命コピーライターとして任命されたんですね。

太田さんは高畑勲監督の大ファンとして知られており、その作品理解の深さから白羽の矢が立ったのでしょう。

35種類の候補から生まれた「あゝ無情」

太田さんは鈴木敏夫プロデューサーと公開会議を行い、その場でアイデアを出し合いました。

「女ってわからない」「諸行無常」などのキーワードから発想を広げ、なんと35種類もの候補を考案したそうです。

その中から最終的に選ばれたのが「あゝ無情」でした。

この言葉は、かぐや姫が地球で体験した喜びと悲しみ、そして別れの切なさを、たった4文字で表現していますよね。

「あゝ無情」に込められた意味

「あゝ無情」というコピーは、ヴィクトル・ユゴーの名作「レ・ミゼラブル」の邦題としても知られています。

この言葉には、人生の儚さや、どうしようもない運命への嘆きが込められているんですね。

かぐや姫が地球での暮らしに愛着を持ちながらも、月へ帰らなければならない運命。

その切なさと無常観を見事に捉えた、まさに太田さんならではのセンスが光るキャッチコピーです。

70枚のポスターが都内を彩った

このDVD・Blu-ray版のキャッチコピー「あゝ無情」は、大々的なプロモーション展開が行われました。

東京・六本木の大江戸線駅構内や、TSUTAYAなどのレンタルショップで、70枚ものポスターが期間限定で掲出されたんです。

劇場公開時とは異なるアプローチで作品の魅力を伝えようとする、ジブリの宣伝戦略の巧みさが感じられますよね。

2つのキャッチコピーが示す作品の多面性

「罪と罰」が提示する哲学的テーマ

「姫の犯した罪と罰。」というキャッチコピーは、作品の哲学的・思想的な側面を前面に押し出しています。

なぜ生まれたのか、なぜ生きるのか、そして運命とは何か。

こうした普遍的な問いを観客に投げかけ、作品を深く考察するきっかけを与えているんですね。

高畑監督が長年追求してきた「なぜ生きるのか」というテーマとも呼応する、重厚なコピーです。

「あゝ無情」が伝える感情的共感

一方、「あゝ無情」は作品の感情的な側面に焦点を当てています。

誰もが人生で経験する別れの辛さ、思い通りにならない運命への悲しみ。

そうした普遍的な感情に訴えかけることで、より多くの人に作品の魅力を伝えようとしているわけですね。

DVD・Blu-rayという家庭で鑑賞する媒体だからこそ、より親しみやすく感情に寄り添うコピーが選ばれたのかもしれません。

対照的なアプローチが生む相乗効果

この2つのキャッチコピーは、一見異なるアプローチを取っているように見えますが、実は作品の多面性を表現しているんです。

「罪と罰」が提示する知的な問いかけと、「あゝ無情」が呼び起こす感情的な共鳴。

この両方が組み合わさることで、「かぐや姫の物語」という作品の豊かさがより際立つわけですね。

キャッチコピー制作をめぐる議論と対立

鈴木プロデューサーと高畑監督の意見の相違

実は、キャッチコピーの制作過程では、鈴木敏夫プロデューサーと高畑勲監督の間で議論があったと報じられています。

高畑監督は作品の芸術性や本質を何よりも重視する姿勢で知られており、宣伝のためのキャッチコピーについても独自の考えを持っていたようです。

一方、鈴木プロデューサーは映画を多くの人に見てもらうための宣伝の重要性を理解していました。

クリエイターと宣伝のバランス

この対立は、芸術作品の宣伝において常に存在するジレンマを象徴していますよね。

作品の本質を損なわずに、いかに多くの人に興味を持ってもらえるか。

そのバランスを取ることが、プロデューサーとしての鈴木さんの腕の見せ所だったわけです。

結果的に「姫の犯した罪と罰。」というキャッチコピーは、作品の本質を的確に捉えながらも興味を引く秀逸なものとなりました。

ジブリならではの宣伝哲学

スタジオジブリは、これまでも多くの印象的なキャッチコピーを生み出してきました。

「生きろ。」(もののけ姫)、「トンネルのむこうは、不思議の町でした。」(千と千尋の神隠し)など、作品の核心を突きながらも詩的な表現が特徴です。

「かぐや姫の物語」のキャッチコピーも、この伝統を受け継いでいるんですね。

映画公開と作品の評価

14年ぶりの高畑監督長編作品

「かぐや姫の物語」は、2013年11月23日に劇場公開されました。

これは高畑勲監督にとって、「ホーホケキョ となりの山田くん」(1999年)以来、約14年ぶりの長編作品だったんです。

そのため、公開前から大きな注目を集めていました。

アカデミー賞ノミネート資格作品に

作品の芸術性の高さは国際的にも認められ、アカデミー賞長編アニメーション部門のノミネート資格作品の一つとなりました。

日本の伝統的な絵巻物を思わせる独特のビジュアルスタイルと、深いテーマ性が評価されたんですね。

キャッチコピーもこうした作品の格調高さを反映したものになっていると言えるでしょう。

「竹取物語」の新解釈

高畑監督は、日本最古の物語とされる「竹取物語」を、独自の視点で再解釈しました。

原作では明確に語られていない、かぐや姫が地球に降りてきた理由と月へ帰る意味。

これを「罪と罰」という概念で読み解いたことが、この作品の最大の特徴なんですね。

キャッチコピー「姫の犯した罪と罰。」は、まさにこの核心的なテーマを端的に表現しています。

SNSや評論家の反応

「罪と罰」というコピーへの反響

劇場公開時のキャッチコピー「姫の犯した罪と罰。」については、多くの観客や評論家から反響がありました。

SNSでは「このキャッチコピーを見て、絶対に見なければと思った」という声や、「映画を見た後、改めてこのコピーの意味の深さに気づいた」という感想が多く見られました。

キャッチコピーが単なる宣伝文句ではなく、作品理解のための重要な鍵になっていたことがわかりますよね。

「あゝ無情」への共感の声

DVD・Blu-ray版のキャッチコピー「あゝ無情」についても、多くの共感の声が寄せられました。

「映画を見終わった後の気持ちを、まさにこの言葉が表している」といった意見や、「太田さんのセンスに脱帽した」という評価が目立ちます。

特に映画を既に見た人からは、この短い言葉が作品の余韻を見事に捉えていると高く評価されていました。

2つのコピーを比較する議論

映画ファンやコピーライティングに関心のある人々の間では、2つのキャッチコピーを比較する議論も生まれました。

「どちらがより作品の本質を捉えているか」「どちらのコピーの方が印象的か」といった話題が、映画レビューサイトやSNSで交わされています。

このような議論自体が、キャッチコピーの成功を示していると言えるでしょう。

優れたキャッチコピーは、作品について語り合うきっかけを生み出すものなんですね。

キャッチコピーから読み解く作品テーマ

「罪」とは何を指すのか

「姫の犯した罪と罰。」というキャッチコピーで提示される「罪」について、作品を見た人々はさまざまな解釈をしています。

一つは、月の世界の掟を破って地球での生活を望んだこと自体が罪だという解釈。

もう一つは、地球で人間として生きることの喜びを知ってしまったことが罪だという見方です。

いずれにせよ、「生きたい」という純粋な願いが罪とされるという皮肉な構造が、作品の深いテーマとなっているんですね。

「罰」としての地球での生活

興味深いのは、地球での生活が「罰」として描かれている点です。

私たちにとっては当たり前の日常が、月の住人にとっては苦しみに満ちた「罰」なんですね。

喜びもあるけれど、同時に悲しみや苦しみも経験しなければならない。

この二面性こそが、人間として生きることの本質を表しているのかもしれません。

無常観という日本的感性

「あゝ無情」というキャッチコピーが示す無常観は、日本文化に深く根ざした感性です。

美しいものほど儚く、永遠に続くものは何もない。

だからこそ、今この瞬間が愛おしい。

かぐや姫が地球で過ごした時間は限られていましたが、だからこそその一瞬一瞬が輝いて見えるのではないでしょうか。

キャッチコピーに学ぶ表現の力

短い言葉で本質を伝える技術

「姫の犯した罪と罰。」はわずか10文字、「あゝ無情」に至っては4文字です。

これだけ短い言葉で、作品の本質や雰囲気を伝えることができるのは、まさにプロフェッショナルの技ですよね。

余計な説明を削ぎ落とし、核心だけを残す。

この引き算の美学が、優れたキャッチコピーの条件なのかもしれません。

疑問を残すことで興味を引く

「姫の犯した罪と罰。」というコピーは、明確な答えを提示していません。

むしろ「罪って何?」「罰とは?」という疑問を観客に抱かせることで、映画を見たいという気持ちを引き出しているんです。

すべてを説明してしまうのではなく、適度な謎を残すことで好奇心を刺激するわけですね。

感情に訴えかける言葉選び

「あゝ無情」という言葉は、理屈ではなく感情に直接訴えかけてきます。

「あゝ」という感嘆詞が、言葉にならない深い感情を表現しているんですね。

論理的な説明よりも、感情的な共鳴を生み出すことで記憶に残るキャッチコピーになっているわけです。

まとめ:2つのキャッチコピーが織りなす物語の深み

「かぐや姫の物語」のキャッチコピーは、劇場公開時の「姫の犯した罪と罰。」と、DVD・Blu-ray版の「あゝ無情」の2つが存在します。

前者は鈴木敏夫プロデューサーが、後者は太田光さんが考案したものです。

「姫の犯した罪と罰。」は作品の哲学的・思想的テーマを提示し、なぜ姫が地球に降り、月へ帰らなければならなかったのかという根源的な問いを投げかけています。

一方「あゝ無情」は、地球での生活を経験し、別れを余儀なくされる姫の切なさと、人生の無常観を感情的に表現しています。

この2つのキャッチコピーは、それぞれ異なる角度から作品の本質に迫り、「かぐや姫の物語」の多面的な魅力を伝えているんですね。

どちらも短い言葉ながら、作品への深い理解と愛情が込められた、まさに名コピーと言えるでしょう。

この映画を改めて見返してみませんか

キャッチコピーの意味を知った今、「かぐや姫の物語」を改めて見返してみると、新たな発見があるかもしれませんよ。

「姫の犯した罪と罰。」という言葉を胸に作品を見れば、物語の構造がより明確に理解できるはずです。

また、映画を見終わった後に「あゝ無情」という言葉を思い返せば、作品の余韻がより深く心に染み込んでくるでしょう。

高畑勲監督が遺した最後の長編作品である「かぐや姫の物語」。

そのテーマの深さと映像の美しさを、ぜひもう一度じっくりと味わってみてください

きっと最初に見た時とは違う感動が、あなたを待っているはずですよ。

キーワード: かぐや姫の物語 キャッチコピー