
スタジオジブリの名作『かぐや姫の物語』を観て、あの心に染み入る歌が気になっている方も多いのではないでしょうか。
エンディングで流れる切ない歌声や、劇中で子どもたちが遊ぶシーンのわらべ歌風のメロディ。
それらの音楽が作品の世界観を深め、かぐや姫の心情を表現していますよね。
この記事では、『かぐや姫の物語』に使われている歌について、主題歌から劇中の音楽まで詳しくご紹介します。
どんな歌がどのような場面で使われているのか、そして作品のテーマとどう結びついているのかを知ることで、もっと深く作品を味わえるはずです。
『かぐや姫の物語』の主題歌と劇中歌

『かぐや姫の物語』の主題歌は、二階堂和美さんが歌う「いのちの記憶」です。
この曲は二階堂和美さん自身が作詞・作曲も手がけており、エンドロールで流れます。
また、劇中では山里で子どもたちと遊ぶシーンなどで、わらべ歌風の音楽が効果的に使われています。
これらの音楽は、かぐや姫の自由な幼少期と、都での束縛された生活との対比を表現する重要な役割を果たしているんですね。
主題歌「いのちの記憶」について

二階堂和美による作詞・作曲・歌唱
「いのちの記憶」は、シンガーソングライターの二階堂和美さんが全てを手がけた楽曲です。
高畑勲監督から直接依頼を受けて制作されたこの曲は、かぐや姫の「生きる喜びと哀しみ」「この世に生まれてきた意味」を静かに振り返るような内容になっています。
二階堂和美さんの透明感のある歌声が、作品の余韻を深めてくれるんですよね。
映画本編を観終わった後、この歌が流れることで、かぐや姫の人生を改めて噛みしめることができます。
作品のテーマと深く結びついた歌詞
「いのちの記憶」の歌詞は、作品全体のテーマである生と死、そして郷愁と強く結びついています。
月へ帰らなければならないかぐや姫が、地球での記憶を失う前に感じた様々な感情が、この歌には込められているとされています。
山里での自由な日々、都での苦しみ、そして捨丸との再会。
全ての経験が「いのち」として彼女の中に刻まれていたことを、この歌が教えてくれます。
だからこそ、映画を観た多くの人が涙を流すんですね。
劇中で使われるわらべ歌風の音楽
山里での自由な子ども時代を象徴する歌
劇中では、かぐや姫が「たけのこ」と呼ばれていた幼少期に、印象的な音楽が何度も登場します。
特に山里で子どもたちと走り回り、自然のなかで自由に育つ様子を描いた場面では、民謡・わらべ歌調の音楽が用いられています。
この音楽は、たけのこがスクスクと育つスピード感ある成長の描写と一体になっており、映像と音楽の一体感が素晴らしいんです。
子どもたちの無邪気な笑い声と、軽快なリズムが、かぐや姫の本当の幸せがどこにあったのかを物語っています。
季節の移ろいと自然への郷愁
花見や季節の移ろいを感じさせる場面でも、静かな旋律が多用されています。
都に出る前後の山里の記憶や、自然への郷愁を表現する場面では、優しくも切ないメロディが流れるんですね。
これらの音楽は、独立した一曲というよりも、高畑勲監督の演出と音楽表現が一体となった「劇伴+挿入歌」という位置づけになっています。
だからこそ、映像と切り離せない音楽として、私たちの記憶に深く残るのでしょう。
音楽が表現する作品のコントラスト
山里と都の対比を支える音楽
『かぐや姫の物語』の大きなテーマの一つが、山里での自由な生活と、都での束縛された生活の対比です。
音楽もこのコントラストを見事に支えているんです。
山里の場面では、素朴で躍動感のあるリズム・旋律が使われます。
一方、都の場面では、雅楽的・宮廷的な雰囲気を感じさせる音使いがされています。
この音楽の違いによって、かぐや姫の「本当の幸せ」と「押し付けられた幸せ」のギャップが、より鮮明に伝わってくるんですね。
作法や教養を強いられる都での音楽
都で「高貴な姫」として作法や教養を強いられる時期には、音楽も窮屈さを感じさせるものに変わります。
形式的で格式高い音色が、かぐや姫の息苦しさを音で表現していると評されています。
彼女が本当に求めていたものは、山里での自由な暮らしだったことが、音楽からも伝わってきます。
音楽が物語の深層を語るという、高畑勲監督ならではの演出が光っていますよね。
『かぐや姫の物語』の音楽に対する評価と反響
生まれてきた意味を問いかける音楽
「いのちの記憶」をはじめとする『かぐや姫の物語』の音楽は、作品テーマである「生まれてきた意味」「本当の幸せとは何か」を補強する重要な要素として高く評価されています。
公開時のレビューやインタビューでも、音楽が作品の感動を何倍にも増幅させているという声が多く聞かれました。
特に「いのちの記憶」の歌詞とメロディは、観客の心に深く刻まれているようです。
映像と一体となった音楽体験
『かぐや姫の物語』の音楽は、映像と切り離して聴くよりも、映像と一体となって初めて完成するという特徴があります。
わらべ歌風の劇中音楽は、独立した楽曲として有名になっているわけではありませんが、映画を観た人の記憶には強く残っているんですね。
それは、高畑勲監督が音楽を「映像の一部」として緻密に構成したからこそ実現できたことなのでしょう。
捨丸との再会シーンでの音楽
特に印象深いのが、捨丸との再会シーンです。
このシーンでは、感情が高ぶる場面における映画の音楽・演出の効果が絶大だと、多くの人が言及しています。
アニメ絵本版のレビューでも、この場面の音楽の効果がしばしば語られているんです。
音楽が登場人物の感情を代弁し、観客の涙を誘う瞬間ですよね。
関連メディアで楽しむ『かぐや姫の物語』の音楽
アニメ絵本版で作品世界を追体験
徳間書店などから、映画本編の構成をなぞるアニメ絵本版『かぐや姫の物語』が刊行されています。
絵本では音楽を直接聴くことはできませんが、作品世界や歌の場面を絵と文章で追体験できるんです。
映画を観た後に絵本を読むことで、あの感動的な音楽が頭の中に蘇ってきますよ。
サウンドトラックで何度も聴ける
もちろん、映画のサウンドトラックも発売されています。
「いのちの記憶」を何度も聴きたい方、劇中の音楽をじっくり味わいたい方には、サウンドトラックの購入がおすすめです。
映画を観た時の感動を、いつでも呼び起こすことができます。
日常生活の中で聴くことで、新たな発見があるかもしれませんね。
『かぐや姫の物語』の基本情報
作品の概要
改めて、『かぐや姫の物語』の基本情報を確認しておきましょう。
- タイトル:かぐや姫の物語
- 公開日:2013年11月23日
- 制作:スタジオジブリ
- 監督:高畑勲
- 原作:『竹取物語』
日本最古の物語とされる『竹取物語』を、高畑勲監督が独自の解釈で映像化した作品です。
水彩画のような美しい映像表現も、この作品の大きな魅力の一つですよね。
高畑勲監督のこだわり
高畑勲監督は、『かぐや姫の物語』の制作に8年もの歳月をかけました。
音楽についても、映像と完璧に調和するよう、細部までこだわり抜いたとされています。
その結果生まれたのが、観る人の心を深く揺さぶる、映像と音楽の融合なんですね。
この作品は、高畑勲監督の遺作となりましたが、その芸術性は永遠に語り継がれるでしょう。
まとめ:音楽が語るかぐや姫の物語
『かぐや姫の物語』の主題歌は、二階堂和美さんが作詞・作曲・歌唱を手がけた「いのちの記憶」です。
この曲は、かぐや姫の生きる喜びと哀しみ、そしてこの世に生まれてきた意味を静かに歌い上げています。
また、劇中では山里で子どもたちと遊ぶシーンなどで、わらべ歌風の音楽が効果的に使われており、かぐや姫の自由な幼少期と都での束縛された生活の対比を表現しています。
音楽は、作品のテーマである「生まれてきた意味」「本当の幸せとは何か」を補強する重要な要素として、多くの人に評価されているんですね。
山里の素朴で躍動感のある音楽と、都の雅楽的で格式高い音楽の対比が、かぐや姫の心情を見事に表現しています。
特に「いのちの記憶」は、映画を観終わった後の余韻を深め、多くの人の心に深く刻まれています。
『かぐや姫の物語』を改めて観てみませんか
音楽の意味や役割を知った今、『かぐや姫の物語』を改めて観てみると、また違った感動が味わえるはずです。
一度観た方も、まだ観ていない方も、音楽に注目しながら作品を鑑賞してみてください。
「いのちの記憶」の歌詞に込められた想い、わらべ歌風の音楽が表現する自由な心。
それらが、かぐや姫の人生をより深く、より切なく伝えてくれるでしょう。
音楽と映像が一体となって紡ぐ、高畑勲監督からの最後のメッセージを、ぜひ心で受け取ってみてくださいね。
そして、あなた自身の「生まれてきた意味」「本当の幸せ」についても、考えるきっかけになれば幸いです。