
スタジオジブリの『かぐや姫の物語』について調べていると、ロッテントマトという海外の映画レビューサイトで非常に高い評価を受けていることをご存知でしょうか?
実は、この作品は数あるジブリ作品の中でも特に批評家から絶賛されており、日本国内での興行成績とは異なる海外での評価の高さが注目されています。
この記事では、『かぐや姫の物語』がロッテントマトでどのような評価を受けているのか、その詳細なスコアや他のジブリ作品との比較、さらに高く評価される理由まで詳しくご紹介します。
『かぐや姫の物語』のロッテントマト評価

『かぐや姫の物語』はロッテントマトで批評家スコア100%という満点評価を獲得しています。
この評価は、ロッテントマトが集計した批評家レビューの全てがポジティブ評価だったことを意味しており、極めて稀な快挙です。
さらに注目すべきは、ロッテントマトが選出した「日本アニメーション映画ベスト100」で堂々の第1位に輝いているという点です。
これは数ある日本のアニメ映画の中でも、海外の批評家から最も高く評価されている作品であることを示しています。
また、2014年には「ゴールデン・トマト賞」外国映画部門で第3位にランクインするなど、複数の指標で高い評価を受けています。
なぜ『かぐや姫の物語』はロッテントマトで高評価なのか

高畑勲監督作品の特別な評価
『かぐや姫の物語』を監督した高畑勲氏は、スタジオジブリにおいて宮崎駿監督と双璧をなす巨匠として知られています。
ロッテントマトでは、高畑勲作品に対して特に高い評価を与えており、『かぐや姫の物語』以外にも『火垂るの墓』と『おもひでぽろぽろ』が同じく100%の評価を獲得しています。
実は、日本アニメーション映画ベスト100のトップ3を、これら高畑勲作品が独占しているのです。
- 1位:『かぐや姫の物語』
- 2位:『おもひでぽろぽろ』
- 3位:『火垂るの墓』
これに対して、宮崎駿監督作品は非常に高い評価を受けているものの、100%には届いていません。
『魔女の宅急便』が98%、『千と千尋の神隠し』と『君たちはどう生きるか』がそれぞれ96%となっています。
独特のビジュアル表現への評価
『かぐや姫の物語』の最大の特徴は、その手描き水彩風の独特なビジュアル表現です。
従来のジブリ作品とは一線を画す、絵巻物のような淡い色彩と柔らかな線で描かれた映像は、海外の批評家たちに強い印象を与えました。
この表現手法は、8年という長い制作期間をかけて丁寧に作り上げられたもので、アニメーション技術の新しい可能性を示したと評価されています。
CGアニメーションが主流となっていく時代において、あえて伝統的な手描きの技法を極限まで追求した姿勢が、批評家たちの心を捉えたのです。
古典を再解釈した深い物語性
『かぐや姫の物語』は、日本最古の物語とも言われる『竹取物語』を原作としていますが、単なる忠実な映像化ではありません。
高畑勲監督は、この古典に対して独自の解釈を加え、「生きる喜びと痛み」という普遍的なテーマを描き出しました。
かぐや姫が地球に生まれた理由、月に帰らなければならない運命、そして地上での短い人生における感情の起伏が、詩的でありながら深く心に響く形で表現されています。
この哲学的な深みが、海外の批評家たちに高く評価される要因となっています。
消費社会への批判的視点
物語の中で描かれる、かぐや姫が都の貴族社会に適応できず苦しむ様子は、現代の消費社会や形式主義への批判としても読み取れます。
贅沢な衣装や化粧、形式的な振る舞いを強要される姫の姿は、物質的な豊かさと引き換えに自由や本当の幸せを失っていく現代人の姿と重なります。
このような社会批判的な視点を含みながらも、寓話として美しく昇華させた手腕が評価されているのです。
アメリカ公開のタイミングと推移
『かぐや姫の物語』は2014年10月にアメリカで公開されました。
公開当初からロッテントマトでは高い評価を集め、アカデミー賞長編アニメ部門にノミネートされた時期には99%という驚異的なスコアを記録していました。
その後、さらに多くの批評家レビューが集まる中でも評価は下がることなく、最終的に100%という満点評価に到達したとされています。
この評価の推移は、時間が経っても作品の価値が認められ続けていることを示しています。
ロッテントマトでの評価に対する具体的な反響
海外批評家からの具体的なコメント
ロッテントマトに掲載された海外批評家のレビューでは、以下のような評価が見られます。
多くの批評家が「視覚的に息をのむほど美しい」と表現し、手描きアニメーションの芸術性を称賛しています。
また、「感情的に深く心を揺さぶられる体験」「日本文化への深い敬意と理解を示した作品」といった評価も多数寄せられています。
特に印象的なのは、「アニメーションという形式でしか表現できない芸術作品」という評価です。
これは、単なる娯楽映画ではなく、映像芸術として最高レベルの作品だと認められたことを意味しています。
ゴールデン・トマト賞受賞の意義
2014年、『かぐや姫の物語』は第16回ゴールデン・トマト賞の外国映画部門で第3位に選ばれました。
この賞は、ロッテントマトが1年間に公開された映画の中から、批評家スコアとレビュー数を総合して選出するものです。
スタジオジブリの公式サイトでもこの受賞が報告されており、海外での評価の高さが改めて確認されました。
外国映画でありながらトップ3に入ったことは、言語や文化の壁を超えて作品が評価されたことを示しています。
日本アニメ映画ベスト100での1位獲得
2025年に発表されたロッテントマト編集部による「日本アニメーション映画ベスト100」ランキングでの1位獲得は、大きな話題となりました。
このランキングは、単に批評家スコアだけでなく、作品の影響力、芸術性、歴史的重要性なども考慮されているとされています。
『千と千尋の神隠し』や『AKIRA』といった世界的に有名な作品を抑えて1位に選ばれたことは、批評家の目から見た芸術的価値の高さを物語っています。
SNSや映画ファンの反応
ロッテントマトでの高評価を受けて、SNSでは様々な反響が見られます。
「日本では興行的に苦戦したのに、海外ではこんなに評価されているのか」という驚きの声が多く見られます。
また、「宮崎駿監督より高畑勲監督の方が評価されているのは意外だった」という意見もあります。
一方で、「芸術性を重視する批評家と、エンターテインメント性を求める観客の違いだろう」という分析的なコメントも見られました。
映画ファンの間では、「ロッテントマトのランキングをきっかけに、改めて『かぐや姫の物語』を観直した」という声も多く、再評価の機運が高まっている様子がうかがえます。
批評家スコアと観客スコアの違い
ロッテントマトには批評家スコアとは別に、一般観客による評価スコアも存在します。
『かぐや姫の物語』の場合、批評家スコアが100%であるのに対し、観客スコアはそれよりも低い数値となっています。
これは、芸術性や実験的な表現を高く評価する批評家と、エンターテインメント性や分かりやすさを求める一般観客との視点の違いを示しています。
ただし、観客スコアも決して低いわけではなく、多くの観客が作品の美しさや深さを認めているのは事実です。
この違いは、『かぐや姫の物語』が「大衆受けする娯楽作品」よりも「芸術作品」として評価されていることを示しています。
他のジブリ作品とのロッテントマト評価比較
宮崎駿作品のスコア
宮崎駿監督の代表作もロッテントマトで非常に高い評価を受けていますが、100%には届いていません。
- 『魔女の宅急便』:98%
- 『千と千尋の神隠し』:96%
- 『君たちはどう生きるか』:96%
- 『もののけ姫』:93%
- 『ハウルの動く城』:87%
これらの作品はいずれも世界的に大ヒットし、興行収入でも成功を収めていますが、批評家スコアでは高畑作品に一歩及ばない形となっています。
これは、宮崎作品がよりエンターテインメント性を重視しているのに対し、高畑作品がより芸術性や文学性を追求しているという違いが反映されているとも言えます。
他のスタジオジブリ作品
宮崎駿・高畑勲以外のジブリ作品も見てみると、様々な評価が存在します。
『借りぐらしのアリエッティ』は95%、『猫の恩返し』は90%と高評価を得ている一方で、一部の作品はそれより低いスコアとなっています。
このように見ると、ジブリブランド全体が高く評価されている中でも、高畑勲監督の三作品が特別な位置を占めていることが分かります。
評価の違いから見える高畑勲監督の特徴
高畑勲監督作品がロッテントマトで満点評価を受けている理由として、いくつかの共通点が指摘できます。
まず、いずれの作品もリアリズムと詩情が共存している点です。
『火垂るの墓』では戦争の過酷さをリアルに描きながら、兄妹の純粋な愛情を詩的に表現しています。
『おもひでぽろぽろ』では1960年代の日常生活を細密に再現しながら、記憶と自己発見という普遍的テーマを扱っています。
そして『かぐや姫の物語』では、平安時代の社会を丁寧に描きながら、生きることの本質を問いかけています。
このような、具体性と抽象性を高いレベルで融合させる能力が、批評家から特に高く評価されているのです。
『かぐや姫の物語』ロッテントマト評価のまとめ
『かぐや姫の物語』はロッテントマトで批評家スコア100%という満点評価を獲得し、日本アニメーション映画ベスト100で第1位に選ばれた作品です。
手描き水彩風の革新的なビジュアル表現、古典を現代的に再解釈した深い物語性、そして生きることの本質を問いかける哲学性が、海外の批評家たちから絶賛されています。
高畑勲監督作品全体がロッテントマトで高い評価を受けており、『火垂るの墓』『おもひでぽろぽろ』と合わせて日本アニメ映画トップ3を独占しているのも特筆すべき点です。
宮崎駿監督作品が世界的な興行収入で成功している一方で、批評家からの芸術的評価では高畑作品が最高位に位置しているという事実は、映画の評価基準の多様性を示しています。
ゴールデン・トマト賞外国映画部門第3位という実績も含め、『かぐや姫の物語』は「海外批評家から最も高く評価された日本アニメ映画」と言える存在なのです。
改めて『かぐや姫の物語』を観てみませんか
ロッテントマトでの高評価を知って、『かぐや姫の物語』に興味を持たれたのではないでしょうか。
もしまだご覧になっていないなら、ぜひ一度鑑賞してみることをおすすめします。
この作品は、一度観ただけでは理解しきれない深さを持っており、何度も観返すたびに新しい発見があると言われています。
すでにご覧になった方も、海外批評家がどこを評価しているのかを意識しながら観直してみると、また違った感動が得られるかもしれません。
手描きの線一本一本に込められた製作者の想い、色彩の選択に込められた意味、そしてかぐや姫の感情の機微を丁寧に追ってみてください。
批評家が満点をつけた理由が、きっと心に響いてくるはずです。
芸術作品として、あるいは人生について考えるきっかけとして、『かぐや姫の物語』はあなたに何かを語りかけてくれるでしょう。