
スタジオジブリの名作『かぐや姫の物語』について調べていると、「同時上映」という言葉が出てくることがありますよね。
実は、この作品には当初「同時上映」にまつわる興味深い計画があったんです。
宮崎駿監督の『風立ちぬ』と同日公開する予定だったものの、制作の遅れによって計画が変更された経緯があります。
この記事では、『かぐや姫の物語』の同時上映構想の真相と、実際にどのような形で公開されたのか、そして現在どこで見られるのかまで、詳しくお伝えします。
結論:同時上映は実現しなかった
『かぐや姫の物語』は、当初『風立ちぬ』との同時上映(同日公開)が計画されていましたが、制作遅延により実現しませんでした。
最終的には、2013年7月に『風立ちぬ』が、同年11月23日に『かぐや姫の物語』が、それぞれ単独作品として別々に公開されました。
つまり、1枚のチケットで2作品を同時に観られる「同時上映」形式ではなく、完全に独立したロードショー作品として公開されたのです。
なぜ同時上映計画が立てられたのか

ジブリ史上初の試み
2011年秋、スタジオジブリの社内で画期的な決定がなされました。
宮崎駿監督の『風立ちぬ』と高畑勲監督の『かぐや姫の物語』を同時公開するという、ジブリ史上初の試みが決まったのです。
これは2本の長編アニメーション映画を同じ日に劇場公開するという、前例のない挑戦でした。
制作スケジュール回復の戦略
この決定の裏には、実は制作上の戦略がありました。
プロデューサーの西村義明氏は、この決定を「高畑監督を奮起させてスケジュールの回復を促すために鈴木敏夫プロデューサーと仕組んだ"大博打"」と述べています。
つまり、同時公開というプレッシャーをかけることで、制作の遅れがちだった『かぐや姫の物語』の進行を加速させようとしたわけですね。
2012年の公式発表
2012年12月13日、スタジオジブリは正式に『風立ちぬ』と『かぐや姫の物語』を同日に劇場公開すると発表しました。
この時点では、映画ファンの間で大きな話題となり、ジブリの2大巨匠が同時に新作を送り出すという歴史的な瞬間が期待されていました。
なぜ同時上映が実現しなかったのか
制作の遅延
しかし、計画通りにはいきませんでした。
2012年11月ごろ、『かぐや姫の物語』の制作は約1か月間ストップする事態に陥りました。
制作続行そのものが問われるほどの深刻な状況だったと報じられています。
高畑勲監督の作品は、細部へのこだわりと完璧主義で知られていますが、それゆえに制作期間が長期化する傾向がありました。
公開延期の発表
2013年2月4日、ついに『かぐや姫の物語』の公開延期が正式に発表されました。
公開時期は2013年秋へと変更され、『風立ちぬ』との同日公開・同時上映構想は撤回されることになったのです。
その後、2013年8月に『かぐや姫の物語』の公開日が2013年11月23日と正式に決定されました。
絵コンテ完成の遅れ
絵コンテが完成したのは2013年3月23日で、その後も微修正が続けられました。
これは公開のわずか8か月前であり、アニメーション制作の工程を考えると、いかにタイトなスケジュールだったかがわかりますね。
制作拠点も2012年2月に「第7スタジオ」へ移転するなど、体制の整備も進められていました。
実際の公開状況と評価
別々の時期に単独公開
結果として、2作品は以下のように別々の時期に公開されました。
- 『風立ちぬ』:2013年7月20日公開
- 『かぐや姫の物語』:2013年11月23日公開
どちらも単独のロードショー作品として、それぞれ独立した形での上映となりました。
興行成績
『かぐや姫の物語』は、公開初週2日間(2013年11月23・24日)で素晴らしい成績を収めました。
- 興行収入:約2億8425万2550円
- 動員数:22万2822人
- 興行通信社の映画観客動員ランキングで初登場1位を獲得
公開9週目時点では、累計動員184万9467人、累計興行収入22億1756万5750円を記録しています。
国内外での高評価
作品自体は国内外で非常に高い評価を受けました。
絵巻物や水彩画がそのまま動き出したような独自の筆致は、多くの映画賞で評価されました。
特筆すべきは、米国アカデミー賞長編アニメーション映画賞にノミネートされたことです。
手描き感の強い線やにじみを残したスタイルが、世界中のアニメーションファンを魅了したんですね。
現在の視聴方法
金曜ロードショーでの放送
2026年1月9日、日本テレビ系「金曜ロードショー」で本編ノーカット放送が予定されています。
放送時間は21:00〜23:54で、たっぷり約3時間かけて高畑勲監督の遺作を堪能できます。
同番組では、1週前の1月2日に『千と千尋の神隠し』もノーカット放送され、「ジブリ2週連続」として編成される予定です。
特別上映イベント
2025年には「カンヌ監督週間 in Tokio 2025」というイベントで特別上映も行われました。
このように、公開から10年以上経った今でも、様々な形で上映機会が設けられているのは、作品の価値が認められている証拠ですね。
海外版について
北米ではアメリカの配給会社GKidsが上映権を取得し、2014年後半に公開されました。
英語吹き替え版では、かぐや姫役を人気女優クロエ・グレース・モレッツが担当しています。
日本語版とはまた違った魅力があるので、機会があればぜひ英語版もチェックしてみてください。
作品の魅力
独特な映像表現
『かぐや姫の物語』最大の特徴は、その革新的な映像表現にあります。
色彩豊かな絵巻物や水彩画がそのまま動き出したような筆致は、従来のアニメーションの常識を覆すものでした。
手描き感の強い線・にじみを残したスタイルが、日本の伝統美を現代に蘇らせています。
物語のテーマ
日本最古の物語『竹取物語』を原作としながら、高畑勲監督独自の解釈が加えられています。
「命の輝き」や「生きる喜び」を中心テーマに、かぐや姫という一人の女性の人生を丁寧に描いています。
- 竹から生まれた少女の誕生
- 山里での自由な少女時代
- 都での姫としての抑圧された生活
- 十五夜の夜の月への帰還
単なる昔話の再現ではなく、現代を生きる私たちにも響く普遍的なメッセージが込められているんですね。
SNSやファンの声
同時上映幻の計画への興味
SNSでは、「もし同時上映が実現していたら、どんなに贅沢な映画体験だっただろう」という声が多く見られます。
ジブリファンの間では、「宮崎駿と高畑勲、2大巨匠の作品を同じ日に観られるなんて夢のような話だった」という惜しむ声も。
一方で、「それぞれの作品をじっくり味わえたから、結果的には良かった」という意見もあります。
映像美への称賛
作品の映像表現については、多くの賞賛の声が上がっています。
「まるで絵本の中に入り込んだような感覚」「日本画がそのまま動いている奇跡」といった感想がSNSで共有されています。
特に、かぐや姫が感情を爆発させるシーンの表現力は、多くの視聴者の心を揺さぶりました。
高畑勲監督への追悼
2018年に高畑勲監督が亡くなられた際、『かぐや姫の物語』は遺作として改めて注目されました。
「監督の集大成とも言える作品」「何度観ても新しい発見がある」という声が、ファンの間で交わされています。
金曜ロードショーでの放送のたびに、Twitterのトレンドに上がるなど、今でも多くの人に愛されている作品です。
まとめ
『かぐや姫の物語』の同時上映について、改めて整理しましょう。
当初は『風立ちぬ』との同日公開(実質的な同時上映)が計画されていましたが、制作遅延により実現しませんでした。
2013年7月に『風立ちぬ』、同年11月23日に『かぐや姫の物語』と、それぞれ別々の時期に単独作品として公開されました。
1枚のチケットで2作品を観られる従来の「同時上映」形式ではなく、完全に独立したロードショー作品としての公開となったわけです。
制作期間の長期化という困難はありましたが、結果として生み出された作品は、国内外で高い評価を受け、アカデミー賞にもノミネートされる名作となりました。
現在は金曜ロードショーでの放送や特別上映イベントなど、様々な形で視聴する機会があります。
高畑勲監督の遺作を体験しよう
もしまだ『かぐや姫の物語』をご覧になっていないなら、ぜひ一度体験してみてください。
金曜ロードショーでの放送は、気軽に視聴できる絶好の機会です。
日本の伝統的な美意識と現代的なアニメーション技術が融合した、唯一無二の映像体験があなたを待っています。
同時上映という形では実現しませんでしたが、この作品単独でも十分に価値のある、素晴らしい芸術作品です。
高畑勲監督が最後に私たちに残してくれたメッセージを、あなた自身の目で確かめてみてくださいね。
きっと、生きることの喜びや切なさ、そして命の輝きについて、深く考えさせられる時間になるはずです。