
高畑勲監督による『かぐや姫の物語』は、その圧倒的な作画クオリティで多くのアニメファンを魅了した作品ですね。
この映画について調べていると、「50万枚」や「24万枚」といった作画枚数の情報が出てきて、どちらが正しいのか混乱してしまう方も多いのではないでしょうか。
実は、この枚数の違いには明確な理由があり、それぞれが指している段階が異なるんです。
本記事では、『かぐや姫の物語』の作画枚数について、予定と実際の数字の違いから、なぜこれほどまでに膨大な枚数が必要だったのかまで、詳しく解説していきますね。
『かぐや姫の物語』の作画枚数は約24万枚

『かぐや姫の物語』の実際の作画枚数は約24万枚とされています。
これはジブリ史上最高記録となる数字で、高畑勲監督の前作『ホーホケキョ となりの山田くん』の約17万枚を大きく上回りました。
一方で、インターネット上では「50万枚」という数字も広く語られていますが、これは公開約8か月前に発表された「予定作画枚数」であり、実際に完成した作品で使用された枚数ではないと考えられています。
つまり、制作当初の計画では50万枚を予定していたものの、最終的には約24万枚で完成したというのが現実的な数字なんですね。
なぜ50万枚説と24万枚説があるのか

50万枚は「予定作画枚数」だった
50万枚という数字は、映画公開前の段階で月刊誌などに掲載された「予定作画枚数」として語られていました。
制作途中で「作画枚数50万枚を超えていて大変」という証言も存在し、この数字が制作現場で実際に話題になっていたことは確かです。
しかし、これはあくまで「目標」や「計画値」であり、最終的な完成版で実際に使われた枚数とは異なる可能性が高いんですね。
アニメ制作の現場では、予定していた作画がカットされたり、効率化によって枚数が減少したりすることは珍しくありません。
24万枚が「実際の完成ベース」の数字
一方、24万枚という数字は完成時点で実際に使用された作画枚数として語られています。
アニメ業界関係者の分析記事でも、「現実の着地は24万枚だったと見る」という見解が示されており、実務的な観点からはこちらの数字がより信憑性が高いとされています。
この24万枚という数字は、制作費52億円という高額予算の要因の一つとしても挙げられており、作品の膨大な制作コストを裏付ける数字として説得力がありますね。
ジブリ作品の中での位置づけ
ジブリ作品の作画枚数を比較すると、『かぐや姫の物語』の24万枚がいかに突出しているかがわかります。
- 第1位:『かぐや姫の物語』約24万枚
- 第2位:『ホーホケキョ となりの山田くん』約17万枚
高畑勲監督の作品が1位と2位を独占しており、監督の作画へのこだわりの強さが数字にも表れていますね。
一般的なテレビアニメが1話あたり3,000〜5,000枚程度であることを考えると、2時間17分の映画で24万枚という数字は驚異的です。
膨大な作画枚数が必要だった理由
独特な「動く絵巻物」の表現手法
『かぐや姫の物語』は、まるで絵巻物が動いているかのような独特の映像表現を目指した作品です。
鉛筆の線をそのまま活かした柔らかなタッチや、水彩画のような色彩表現は、従来のセルアニメとは全く異なるアプローチでした。
この表現を実現するために、一つ一つの動きを丁寧に描き起こす必要があり、結果として膨大な作画枚数が必要になったんですね。
キャラクターの繊細な感情表現
高畑勲監督は、キャラクターの微妙な表情変化や感情の揺れ動きを重視する演出で知られています。
かぐや姫の複雑な心情を表現するために、ほんのわずかな表情の変化も細かく描き分けました。
喜び、悲しみ、怒り、葛藤といった感情の移り変わりを、何枚もの作画を使って丁寧に描写することで、観客の心に深く響く作品になったのです。
自然描写へのこだわり
作品の中で重要な役割を果たす自然の描写にも、膨大な作画枚数が費やされています。
風に揺れる草木、流れる雲、舞い散る花びらなど、自然の動きを美しく表現するために、何枚もの作画が重ねられました。
特に印象的な竹林のシーンや、月の都のシーンなど、幻想的な映像美を実現するために、通常のアニメ制作では考えられないほどの労力が注ぎ込まれたんですね。
作画枚数に関する具体的な証言と反響
制作現場からの証言
制作途中には「作画枚数50万枚を超えていて大変」という現場からの証言が伝えられていました。
これは当初の計画段階での目標値を示しており、制作スタッフが直面していた困難さを物語っています。
実際の制作過程では、この膨大な枚数を管理し、スケジュール通りに進めることが大きな挑戦だったことが伺えますね。
業界関係者の分析
アニメ業界の専門家たちは、「50万枚説」と「24万枚説」の両方が流布している状況について、詳細な検証を行っています。
多くの専門家が「予定は約50万枚、完成時点で実際に使われたのはおおよそ24万枚」という整理が最も整合的だと結論づけています。
これは、制作の現実と当初の理想のギャップを示すものであり、アニメ制作の難しさを象徴する事例とも言えますね。
ファンの間での議論
SNSやアニメファンのコミュニティでは、この作画枚数について様々な意見が交わされています。
「50万枚という数字を聞いて驚いた」という声もあれば、「24万枚でも十分すごい」という評価もあります。
数字の真偽はさておき、多くのファンが共通して認めているのは、この作品の映像美の圧倒的なクオリティです。
枚数の多さよりも、一枚一枚の作画に込められた情熱と技術が、作品の価値を高めているという意見が多く見られますね。
制作費との関係
『かぐや姫の物語』の制作費は52億円と報じられており、これはジブリ作品の中でも特に高額です。
この高額な制作費の大きな要因の一つが、約24万枚という膨大な作画枚数でした。
アニメーターの人件費、制作期間の長さ、品質管理のコストなど、高品質な作画を実現するための費用が積み重なった結果なんですね。
プロモーション施策との混同
劇場公開時、6分間の特別映像を収録したBD・DVDが100万枚配布予定と報じられました。
これは本編の作画枚数とは全く関係のない「配布ディスクの枚数」の話ですが、数字が独り歩きして混同されることもありました。
こうした数字の混乱も、「枚数」にまつわる議論をより複雑にしている一因かもしれませんね。
まとめ:『かぐや姫の物語』の作画枚数は約24万枚が実際値
『かぐや姫の物語』の作画枚数について整理すると、以下のようになります。
- 実際の作画枚数:約24万枚(ジブリ史上最高記録)
- 予定作画枚数:約50万枚(公開前に発表された計画値)
- 上映時間:約2時間17分
- 制作費:約52億円
50万枚という数字は制作計画段階での目標値であり、完成時点で実際に使用されたのは約24万枚というのが最も信憑性の高い情報です。
それでも24万枚という数字は、ジブリ作品の中でも群を抜いており、高畑勲監督の作画へのこだわりと情熱が結実した結果と言えますね。
この膨大な作画枚数によって実現された独特の映像美は、『かぐや姫の物語』を単なるアニメ映画の枠を超えた芸術作品へと昇華させました。
作品を改めて観てみませんか
作画枚数という数字の裏側には、制作スタッフの情熱と努力、そして高畑勲監督の妥協なき追求がありました。
この記事で『かぐや姫の物語』の制作背景を知った今、改めて作品を観てみると、一枚一枚の作画に込められた想いが感じられるかもしれません。
繊細な線画のタッチ、柔らかな色彩、キャラクターの豊かな表情変化。
それらすべてが24万枚という膨大な作画の積み重ねによって生まれたものなんですね。
まだ観たことがない方も、すでに観た方も、ぜひこの機会に『かぐや姫の物語』の圧倒的な映像美を体験してみてください。
数字だけでは語りきれない、作品の本当の魅力がそこにありますよ。