
スタジオジブリの名作「かぐや姫の物語」を観て、その繊細な心理描写や物語の深さに感動したことはありませんか?
この作品の脚本は一体誰が書いたのか、どのような過程で生まれたのか、気になりますよね。
実は、この映画の脚本には制作の苦労と、ある脚本家の参加による起死回生のドラマが隠されているんです。
この記事では、「かぐや姫の物語」の脚本を手がけた人物や執筆の経緯、脚本の特徴について、詳しくお伝えしていきますね。
かぐや姫の物語の脚本は誰が書いたのか?

「かぐや姫の物語」の脚本は、高畑勲監督と坂口理子氏の共同執筆によって完成しました。
2013年に公開されたこの作品では、高畑勲監督が原案・脚本・監督の三役を担当し、坂口理子氏が脚本の共同執筆者として参加しています。
原作は日本最古の物語文学「竹取物語」ですが、脚本ではかぐや姫の内面的な心情を新たに掘り下げた点が画期的だと評価されているんですね。
高畑監督にとっては「ホーホケキョ となりの山田くん」以来14年ぶりの監督作品であり、遺作となった作品でもあります。
なぜ二人の共同執筆になったのか?脚本完成までの経緯

企画の始まりと高畑監督の長年の想い
この作品の企画は、2005年頃に鈴木敏夫プロデューサーが提案したことから始まりました。
実は高畑監督は、1959年頃の東映動画時代にすでに「竹取物語」のプロットを考えていたんです。
しかしその企画は当時没になってしまい、約50年の時を経て、ようやく実現することになったんですね。
2008年5月に企画が正式決定し、本格的な脚本作業がスタートしました。
脚本執筆の困難と試行錯誤
2009年2月、最初は西村義明プロデューサーの知人脚本家が初稿を作成しました。
しかし、この初稿は高畑監督の意向と合わなかったんです。
その後、高畑監督自身が脚本執筆を試みましたが、進捗が思うように進まず、制作は難航してしまいます。
高畑監督の完璧主義と徹底したリアリズム志向が、脚本執筆を難しくしていたんですね。
坂口理子氏の参加による起死回生
2009年10月、状況を打開するため、坂口理子氏が脚本執筆チームに加わりました。
坂口氏はテレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞優秀賞を受賞した実力派の脚本家です。
高畑監督が坂口氏を見出したきっかけは、NHKの「おシャシャのシャン!」という番組でした。
この番組を観た高畑監督が坂口氏の才能に感心し、声をかけたんです。
坂口氏はかぐや姫の「記憶」に関するアイデアを提出し、これが起死回生のきっかけとなりました。
彼女の参加により、同年10月に準備稿が完成し、プロジェクトは大きく前進したんですね。
高畑監督のリアリズム志向を支えた坂口氏
高畑監督は、ファンタジーの枠組み内であっても、人物に真実味を持たせることを徹底していました。
特に重視したのが、かぐや姫の地球での心情を丁寧に描くことでした。
坂口氏は、高畑監督のこのリアリズム志向を理解し、脚本に反映させることに成功したんです。
二人の協働により、単なる「竹取物語」の映像化ではなく、かぐや姫という一人の少女の成長と葛藤を描いた作品が生まれました。
坂口氏は後に「高畑監督の遺作完成に導いた脚本家」として高く評価されることになります。
脚本の特徴と評価されているポイント
かぐや姫の内面描写の深さ
この作品の脚本で最も評価されているのは、かぐや姫の内面描写の深さです。
原作の「竹取物語」では、かぐや姫の心情はあまり詳しく描かれていません。
しかし映画では、姫の少女時代を丁寧に描き、地球での生活に対する喜びや悲しみ、葛藤が繊細に表現されているんですね。
特に、地球での生活に馴染み、人々との絆を深めていく過程と、月に帰らなければならない運命との間で揺れる姫の心情が、観る者の心を打ちます。
リアリズムとファンタジーの融合
高畑監督の脚本は、ファンタジーの要素を保ちながらも、徹底したリアリズムを追求しています。
かぐや姫が体験する感情や出来事は、私たち現代人にも共感できるものとして描かれているんです。
このリアリズムとファンタジーの絶妙なバランスが、作品に深みを与えています。
「記憶」というテーマの導入
坂口氏が提案した「記憶」というテーマは、作品全体を貫く重要な要素となりました。
かぐや姫が月から地球に来た理由、そして地球での記憶をどう捉えるかという視点は、物語に新しい解釈を加えました。
このアイデアにより、単なる宿命の物語ではなく、自己のアイデンティティと記憶についての哲学的な問いも含んだ作品になったんですね。
SNSや専門家の評価、ファンの声
高畑監督の遺作としての評価
高畑勲監督は2018年に逝去されましたが、「かぐや姫の物語」は監督の遺作として特別な位置づけにあります。
SNSでは「高畑監督の集大成」「最高傑作」という声が多く見られます。
特に脚本については、「大人になってから観ると、かぐや姫の心情がより深く理解できる」という意見も寄せられているんですね。
映画評論家からも、脚本の繊細さと深さが高く評価されています。
坂口理子氏への注目
公開当初はあまり知られていませんでしたが、近年、坂口理子氏の貢献が再評価されています。
ファンの間では「坂口さんがいなければ完成しなかった作品」という認識が広がっているんです。
坂口氏自身が執筆した脚本・ノベライズ本(角川文庫)も発売されており、作品をより深く理解したいファンに読まれています。
「ノベライズを読んで、映画で描かれなかった部分も知ることができた」という声もありますね。
テレビ放送での再注目
2026年1月9日には、日本テレビ「金曜ロードシネマクラブ」で放送される予定となっています。
この放送を前に、SNSでは「久しぶりに観たい」「今回こそ泣かずに観られるかな」といった声が上がっています。
高畑監督の解釈で姫の少女時代を丁寧に描いた作品として、あらためて注目が集まっているんですね。
「脚本の素晴らしさを再確認したい」というファンも多く、脚本の完成度の高さが作品の魅力を支えていることが分かります。
制作チームと実験的なアプローチ
主要スタッフの豪華な顔ぶれ
「かぐや姫の物語」は、脚本だけでなく、制作チーム全体が豪華な顔ぶれでした。
- 製作: 氏家齊一郎
- 企画: 鈴木敏夫
- プロデューサー: 西村義明
- 音楽: 久石譲
- 主題歌: 二階堂和美
特に音楽の久石譲氏は、ジブリ作品を多く手がけてきた名作曲家ですね。
主題歌「いのちの記憶」を歌った二階堂和美さんの歌声も、作品の世界観を深めています。
ジブリ初の新プロデューサー誕生
鈴木敏夫氏は、この作品を「ジブリ初の自分以外のプロデューサー(西村義明氏)誕生」と評価しています。
西村義明プロデューサーのもと、外注中心のスタッフ編成で実験的なアプローチが取られました。
この新しい制作体制が、作品に独特の雰囲気をもたらしたとも言われているんですね。
企画から公開まで約8年の歳月
2005年頃の企画提案から2013年の公開まで、約8年もの歳月がかかりました。
特に脚本の完成までに時間がかかったことが、制作期間の長さに影響しています。
しかし、この時間をかけたからこそ、細部まで練り上げられた脚本が完成したんですね。
高畑監督の妥協を許さない姿勢と、坂口氏の粘り強い協力が、名作を生み出したと言えるでしょう。
まとめ:高畑勲監督と坂口理子氏が生み出した名作
「かぐや姫の物語」の脚本は、高畑勲監督と坂口理子氏の共同執筆によって完成しました。
企画から公開まで約8年、特に脚本執筆には試行錯誤と困難がありましたが、坂口氏の参加により起死回生を果たしたんですね。
二人が作り上げた脚本は、かぐや姫の内面描写の深さ、リアリズムとファンタジーの融合、「記憶」というテーマの導入など、多くの特徴があります。
この脚本があったからこそ、「かぐや姫の物語」は単なる「竹取物語」の映像化を超えた、普遍的なテーマを持つ作品になったと言えるでしょう。
高畑監督の遺作として、そして坂口氏の才能が光る作品として、今もなお多くの人々に愛され続けています。
あなたも「かぐや姫の物語」を観てみませんか?
脚本の素晴らしさを知った今、あらためて「かぐや姫の物語」を観てみると、新しい発見があるかもしれませんよ。
高畑監督と坂口氏がどのようにかぐや姫の心情を描いたのか、ぜひご自身の目で確かめてみてください。
坂口理子氏のノベライズ本を読んでから映画を観ると、より深く作品を理解できるでしょう。
2026年1月9日のテレビ放送も、作品を観る良い機会ですね。
高畑監督と坂口氏が心を込めて作り上げた脚本の力を、ぜひ感じてみてくださいね。