
スタジオジブリの『かぐや姫の物語』を見て、心に深く残る音楽に惹かれた方も多いのではないでしょうか。
高畑勲監督が描く繊細な物語を、どんな音楽が彩っているのか気になりますよね。
この作品では、久石譲が初めて高畑作品の音楽を担当し、エンドロールで流れる「いのちの記憶」をはじめとする印象的な挿入曲が使われています。
本記事では、かぐや姫の物語の音楽と挿入曲について、作曲家の背景から収録曲の詳細、そして作品における音楽の役割まで詳しくご紹介します。
かぐや姫の物語の音楽・挿入曲について

『かぐや姫の物語』の音楽は久石譲が作曲を担当し、主題歌「いのちの記憶」を二階堂和美が歌っています。
サウンドトラックには全37曲が収録されており、約52分にわたって物語の情景を音楽で表現しています。
挿入曲としては「いのちの記憶」のほか、「天女の歌」や「わらべ唄」が使用され、作品の感情表現を豊かに彩っています。
東京交響楽団が演奏を担当し、2013年11月20日にCDとして発売されました。
なぜ久石譲が音楽を担当したのか

30年越しの夢の実現
久石譲が高畑勲作品の音楽を担当したのは、実は『かぐや姫の物語』が初めてでした。
久石譲本人が「30年越しの夢が叶った」とコメントしているように、長年温めてきた想いが実を結んだ作品なのです。
宮崎駿監督作品では数多くの名曲を生み出してきた久石譲ですが、同じジブリでも高畑作品とは無縁でした。
この起用によって、久石譲の新たな音楽表現が開花したと言えるでしょう。
高畑作品ならではの音楽性
高畑勲監督の作品は、宮崎駿作品とは異なる繊細さと静謐さを持っています。
『かぐや姫の物語』では、日本の伝統的な情緒と現代的なオーケストレーションが見事に融合しています。
久石譲は、水彩画のようなタッチで描かれる映像美に寄り添うように、控えめでありながら印象的な音楽を作り上げました。
物語の感情(喜び、絶望、別離)を強調する役割を果たしているのですね。
東京交響楽団との協働
サウンドトラックの演奏を担当したのは東京交響楽団です。
オーケストラの豊かな表現力が、かぐや姫の人生の喜怒哀楽を繊細に描き出しています。
弦楽器の優しい響きから、管楽器の力強い音色まで、シーンに合わせた多彩な音楽表現が実現されました。
主要な挿入曲の魅力
「いのちの記憶」(二階堂和美)
エンドロールで流れる主題歌「いのちの記憶」は、この作品を象徴する楽曲です。
二階堂和美の透明感のある歌声が、かぐや姫の儚くも美しい人生を思い起こさせます。
この楽曲をきっかけに、二階堂和美の知名度は大きく向上したとされています。
歌詞には生命の尊さや、限られた時間の中で生きることの意味が込められていますね。
映画を観終わった後も、心に深く残る名曲として多くのファンに愛されています。
「天女の歌」
「天女の歌」は、高畑勲監督と坂口理子が作詞を手がけた挿入歌です。
かぐや姫が月の世界を思い出すシーンで流れる、神秘的で幻想的な楽曲ですね。
この歌は、かぐや姫の本当の故郷である月の世界を表現しています。
地上での生活と月の世界との対比が、音楽によって鮮明に描かれているのです。
「わらべ唄」
「わらべ唄」もまた、高畑勲・坂口理子コンビによる作詞の挿入歌です。
かぐや姫が子供たちと遊ぶシーンなどで使用され、純粋な喜びを表現しています。
日本の伝統的なわらべ唄を思わせる素朴なメロディーが、作品に温かみを与えていますね。
この曲が流れるシーンは、かぐや姫が最も人間らしく生きた瞬間を象徴しています。
サウンドトラックの構成と収録曲
全37曲の物語
『かぐや姫の物語』のサウンドトラックには、全37曲が収録されています。
映画内では17曲以上が使用され、約137分の上映時間を通して物語を彩っています。
それぞれの楽曲が、かぐや姫の人生の各段階を音楽で表現しているのです。
主要な収録曲
サウンドトラックに収録されている主要な楽曲をご紹介しますね。
- 01. はじまり - 物語の幕開けを告げるオープニング曲
- 02. 光り - かぐや姫の誕生を象徴する神秘的な楽曲
- 03. 小さき姫 - 赤ん坊のかぐや姫の可愛らしさを表現
- 07. 生命(いのち) - 命の尊さをテーマにした重要な楽曲
- 14. 生命(いのち)の庭 - 自然の中で育つかぐや姫
- 19. 春のワルツ - 春の訪れと喜びを表現した明るい曲
- 21. 高貴なお方の狂騒曲(ラプソディ) - 求婚者たちの混乱を描く
- 34. いのちの記憶 - 二階堂和美による主題歌
- 35. 琴の調べ - 日本の伝統楽器による優雅な楽曲
- 36. わらべ唄 - 挿入歌として使用
- 37. 天女の歌 - 挿入歌として使用
楽曲のテーマ性
収録曲は大きく分けて、生命の誕生と成長、喜びと楽しさ、苦悩と別離というテーマで構成されています。
「はじまり」から「光り」「小さき姫」へと続く序盤は、新しい命の誕生を祝福するような明るい雰囲気ですね。
「春のワルツ」のような軽やかな曲は、かぐや姫の幸せな時期を象徴しています。
一方で「高貴なお方の狂騒曲」は、貴族社会の滑稽さや息苦しさを音楽で表現しているのです。
音楽が果たす作品での役割
感情表現の強調
『かぐや姫の物語』において、音楽は感情表現を強調する重要な役割を果たしています。
高畑監督の繊細な演出に、久石譲の音楽が寄り添うことで、観客の心に深く訴えかける作品となりました。
特に、かぐや姫が月に帰らなければならないと知った時の絶望感は、音楽によってより一層際立ちます。
言葉では表現しきれない感情を、音楽が代弁しているのですね。
日本的な情緒の表現
『かぐや姫の物語』は日本最古の物語である『竹取物語』を原作としています。
久石譲の音楽には、琴の音色をはじめとする日本の伝統的な要素が随所に取り入れられています。
西洋のオーケストラと和楽器の融合が、作品に独特の趣を与えていますね。
これによって、古典的な物語が現代の観客にも親しみやすく感じられるのです。
沈黙の効果
興味深いことに、『かぐや姫の物語』では音楽が流れないシーンも効果的に使われています。
音楽があるからこそ、沈黙の持つ力がより際立つのですね。
重要な場面であえて音楽を使わないことで、観客は映像とセリフに集中できます。
久石譲と高畑監督の綿密な打ち合わせによって、音楽と沈黙のバランスが絶妙に調整されているのです。
サウンドトラックの入手方法と展開
CD・デジタル配信
『かぐや姫の物語』のサウンドトラックは、2013年11月20日に発売されました。
CDとして購入できるほか、Apple MusicやSpotifyなどのデジタル配信サービスでも聴くことができます。
映画公開から10年以上経った現在でも、多くの音楽ファンに愛され続けていますね。
自宅でゆっくりと音楽を楽しみたい方には、CDでの購入がおすすめです。
LPレコード版
音楽愛好家に嬉しいことに、LPレコード版も販売されています。
レコードならではの温かみのある音質で、『かぐや姫の物語』の音楽を楽しむことができるのです。
選曲版も存在し、「春のワルツ」から「わらべ唄」まで、人気曲を厳選して収録しています。
コレクターズアイテムとしても価値が高いですね。
リマスター版の有無
2026年時点では、特別なリマスター版や新装版のリリースは確認されていません。
オリジナル版が標準的な音源として流通しています。
今後、記念版などの形でリマスター版が発売される可能性はありますが、現在のところ公式な発表はないようです。
ファンや専門家からの評価
映画音楽としての完成度
『かぐや姫の物語』の音楽は、映画音楽としての完成度の高さが専門家から高く評価されています。
久石譲の作曲家としての円熟した技術が、高畑勲監督の繊細な演出と完璧にマッチしているとされていますね。
特に、オーケストラの使い方や楽曲の配置のセンスは、映画音楽の教科書とも言える仕上がりだという声もあります。
二階堂和美の歌声
主題歌「いのちの記憶」を歌った二階堂和美の歌声については、多くのファンから絶賛されています。
SNSでは「涙が止まらない」「何度聴いても感動する」という意見が数多く見られますね。
透明感がありながらも力強さを持つ彼女の歌声が、かぐや姫の生き様と重なるという感想も多いです。
この楽曲をきっかけに、二階堂和美のファンになった方も少なくないようです。
心に残る音楽体験
ファンの間では「『かぐや姫の物語』の音楽は心に深く残る」という声が多数寄せられています。
特に、映画を観た後にサウンドトラックを聴くと、物語の場面が鮮明に蘇るという体験をする人が多いようですね。
音楽が単なる背景ではなく、作品と一体化していることの証明と言えるでしょう。
まとめ
『かぐや姫の物語』の音楽と挿入曲は、久石譲が作曲を担当した全37曲のサウンドトラックが中心となっています。
主題歌「いのちの記憶」を二階堂和美が歌い、「天女の歌」「わらべ唄」といった挿入歌が作品を彩っていますね。
東京交響楽団の演奏による豊かな音楽表現は、かぐや姫の人生の喜怒哀楽を繊細に描き出しています。
久石譲にとっては30年越しの夢が叶った作品であり、高畑勲監督との初コラボレーションとなりました。
日本の伝統的な情緒と現代的なオーケストレーションが融合した音楽は、映画音楽の新たな境地を開いたと言えるでしょう。
サウンドトラックはCDやデジタル配信、LPレコードなどで入手可能で、多くの音楽ファンに愛され続けています。
音楽とともに作品を再び楽しんでみませんか
『かぐや姫の物語』の音楽について知った今、もう一度作品を観てみてはいかがでしょうか。
音楽に注目しながら鑑賞すると、初めて観た時とはまったく違う発見があるはずです。
サウンドトラックを聴きながら、お気に入りのシーンを思い出すのも素敵な楽しみ方ですね。
久石譲と高畑勲監督が紡ぎ出した音楽と映像の美しい融合を、ぜひ心ゆくまで味わってください。
きっと、新しい感動があなたを待っていますよ。