高額療養費制度は生きている間しか申請できないと思ってませんか?
何を当たり前のことを言っているのだと思われるかも知れませんね。実際申請している人は、骨折して手術が必要になった人とか長期入院している人ですよね。
本人からそういった話を聞くと、高額療養費制度は生きている本人じゃないと申請できないと思いこんでしまうのです。
大切なご家族が亡くなったら… |
特に葬儀後にこういった話をすると「不謹慎な!あそこはお金のことしか考えていない!」と言われそうでなかなかできませんよね。
しかし、実際のところはお金が戻ってきたり生活費の根本にも関わってくるのでどのタイミングでお金のことを聞いていいのかわからないと思います。
今回は、生活の根本にも関わってくる高額療養費制度について解説していきます。メインは死亡後を想定して話を進めていきます。
ご存知ですか?亡くなった後でも高額療養費制度が利用できます
結論から申し上げると、死亡後でも高額療養費制度が申請できます。一瞬、「えっ?」となりますよね。本人死亡後は、申請者がいないので無理なのではと思われるかも知れません。しかし、国の決まりで本人が死亡した場合は、遺族が代理請求できるようになっています。
葬儀後だと、他の手続きがいっぱいで医療費のことまで頭がまわらない人がほとんどだと思います。しかし、高額療養費制度は死亡後も申請できることを知っていると他の手続きが終わってからあとでもすぐに申請できることに気がつけます。
では次に、高額療養費制度について詳しく掘り下げていきます。
そもそも高額療養費制度とは
高額療養費制度は、病気やケガで医療費が自己負担の限度額がこえたときにお金が戻ってくる制度です。特に長期入院をしていたのち亡くなってしまった場合は、高確率で高額療養費制度の代理申請ができる可能性があります。
具体的に高額療養費制度は以下の紹介する特徴を持っています。
特徴①医療費の支払った対象月は1ヶ月
まず1つ目は、高額療養費制度はひと月の医療費が対象となります。申請できる月は、翌月からとなっています。長期入院の場合は、毎月必要になります。
例えば、今年の2月から長期入院をしており、手術を行って限度額を超えていた場合は、2月分を3月に高額療養費制度を申請する流れになります。更に入院が長引けば、4月も申請が必要になる場合があります。
特徴②申請期限は2年
2つ目の特徴がさかのぼって申請できる期限です。本来であれば、長期入院の場合はその都度申請すれば忘れることはありません。
しかし、人によって事情により都度申請ができない場合もあります。その場合は2年以内であれば申請を受け付けてくれます。
代理申請をする場合、他の手続きで忙しさを極めるので落ち着いてからでも2年という申請期限を知っていれば冷静に対処できます。
特徴③限度額は年齢や所得によって変わってくる
3つ目の特徴は、気になっている人も多いひと月の限度額についてです。先ほどが限度を何回か使っていますが、具体的にいくらかわからないと申請しようにも申請できませんよね。
ひと月の限度額は故人の年齢や所得に関わってきます。具体的には下記のテーブルにまとめました。限度額は年齢は70歳を区切りとしています。残りは所得区分で区別されます。
高額療養費制度の計算方法
具体的な計算方法についてです。厚生労働省に掲載されているものを例に説明していきます。故人が生前に会社員であったかそうでなかったかによって制度は同じなのですが適用区分が変わってきます。
<69歳以下>
大切なご家族が亡くなったら…
取り返しのつかないことになる前に、まずは大まかな手順を知っておいてください!
→ 家族が亡くなったらすること【葬儀までの流れと手順】引用先:厚生労働省
<70歳以上>
引用先:厚生労働省
多数該当した場合は、この式には該当しません。ここでいう多数該当は、療養を受けた月以前の1年間に3ヶ月連続で高額療養費制度を利用していることをいいます。
例えば、長期入院が昨年から続いている場合、その年に3ヶ月以上連続で制度を利用していると多数該当の金額で支給されます。
高額療養費制度が戻ってくるまでの流れ
続いて、高額療養費制度の利用の流れについて説明していきます。高額療養費制度は、他の申請制度とは違い比較的スムーズに手続きができます。
STEP①該当するなら申請書が送られてくるので手続きを行う
高額療養費制度の場合、国民健康保険でも社会保険であっても該当者には高額療養費制度を利用するように通達を行ってくれます。いちいち計算しなくても限度額を超えていれば、向こうから申請書を届けてくれます。
申請書が届いたら、必要事項を記入を上送り返せば申請完了です。
高額療養費制度に関しては、向こうから届けてくれるので何かしらの段階で対象であった場合が多く、見逃してしまうといったことが少ないです。市役所からお知らせが届いていれば、確認することをおすすめします。
高額療養費制度がもらえるまで何ヶ月かかるのか?
問題は、申請してからお金がもらえるまでの期間です。この期間は4ヶ月程度かかります。比較的申請してもすぐにはもらえません。年金の倍はかかります。
まだまだ得する高額療養費制度について
もっとお得になる意外と知られていない高額療養費制度について説明します。高額療養費制度は、本人だけ対象になるとは思っていませんか?手続きする人が一人なので本人だけと思いますが、以下のことを知ると見る世界が変わります。
世帯合算で請求できる
1つ目は、世帯合算が請求できることです。高額療養費制度は、金額にもよりけりですが、本人だけでは対象に入らず、あと数千円で対象となるといった場合です。
実は、高額療養費制度は世帯合算ができます。つまり、ご家族の誰かが対象期間に通院履歴があれば合算で高額療養費制度を利用できる可能性があるということです。
本人が他の診療機関を診療していても対象になる
2つ目は、他の医療機関を受診していても対象になることです。たとえば、該当者が整形外科を骨折で通院していたとしましょう。季節によっては、通院中にインフルエンザになってしまい、他の医療機関でお金がかかった場合、他の医療機関でかかったお金も申請の対象になります。
まとめ
今回は、死亡後は一番見逃しやすい高額療養費制度について説明してきました。死亡後も2年以内であれば高額療養費制度を受けることが可能です。特に病死が原因で死亡直前まで長い間入院していた場合は、高確率で高額療養費制度を利用できる可能性があります。
生前中においても役所から健康保険組合から高額療養費制度についての案内が届いている可能性もあります。落ち着いた後でもいいので、高額療養費制度を忘れずに申請してください。
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