葬儀が終わるとあとは手続きだけと思っていませんか?確かに、後は故人が契約していたスマホの解約やクレジットカードの解約等があります。しかし、多くの人が知らないことがあります。
実は、葬儀費用に関しては、相続税の債務控除の対象になります。いきなり難しい税金の話が出てきましたが、この話を知らないと、相続税が余計にかかったり、申告の間違いで指摘を受けたりと大恥をかいてしまいます。
ということは、葬儀で多くの方がされる香典返しも相続税の債務控除の対象に!ラッキーと思ってしまいがちですが、実は香典返しは相続税の債務控除の対象にはなりません。
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今回は、なぜ香典返しが相続税の債務控除の対象にならないのか徹底的に解説していきます。
香典返しはなぜ相続税の対象にはならいないのか
葬儀に関しては、相続税で債務控除を受けることができます。しかしいきなり税金の話をしても何のことがさっぱりわかりませんよね。
理由を説明する前に税金についてお話します。
切っても切り離せない相続税と葬儀との関係
一見、税金と葬儀は関係なさそうに見えます。税金と聞いてもほとんどのかたがよく聞くのは所得税や確定申告のときだけだと思います。年に数回なのでなかなか頭には入りません。
相続税と葬儀費用はどのような関係があるのでしょうか。
相続税とは
相続税は、主に亡くなった方の遺産を相続または遺言で受け継いた場合にかかってくる税金です。一見遺産か遺言でしかかからないので、葬儀には関係ないと思われるかもしれません。
しかし、国の決まりで葬儀費用は相続税の控除の対象になることが決まっています。したがって、葬儀費用と相続税は切っても切り離せない関係です。
債務控除(さいむこうじょ)とは
続いては債務控除についてです。
債務控除は、プラスの財産からマイナスの財産を差し引くことをいいます。ここまでで葬儀のことが全く触れられていないので葬儀の何がマイナスなんだと思われる方もいます。債務控除のマイナスの財産として代表されるのが、葬儀費用です。
四字熟語のような専門用語となっていますが、あんまり一般では聞きなれない言葉です。
香典返しは法律で葬儀費用ではないと明記されている
税金の話をしてきましたが、葬儀費用なら相続税の債務控除の対象となる話をしてきました。香典返しについても常識で考えると、葬儀費用に含まれるのではないかと思う方非常に多いです。
しかし、法律では、香典返しは葬儀費用には含まないと書いてあるのです。
国税庁のNo.4129相続財産から控除できる葬式費用を見てみましょう。
1 葬式費用となるもの
遺産総額から差し引く葬式費用は、通常次のようなものです。
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取り返しのつかないことになる前に、まずは大まかな手順を知っておいてください!
→ 家族が亡くなったらすること【葬儀までの流れと手順】(1) 葬式や葬送に際し、又はこれらの前において、火葬や埋葬、納骨をするためにかかった費用(仮葬式と本葬式を行ったときにはその両方にかかった費用が認められます。)
(2) 遺体や遺骨の回送にかかった費用
(3) 葬式の前後に生じた費用で通常葬式にかかせない費用(例えば、お通夜などにかかった費用がこれにあたります。)
(4) 葬式に当たりお寺などに対して読経料などのお礼をした費用
(5) 死体の捜索又は死体や遺骨の運搬にかかった費用2 葬式費用に含まれないもの
次のような費用は、遺産総額から差し引く葬式費用には該当しません。(1) 香典返しのためにかかった費用
(2) 墓石や墓地の買入れのためにかかった費用や墓地を借りるためにかかった費用
(3) 初七日や法事などのためにかかった費用
葬儀費用に含まれないものとして、香典返しときっちり書かれてありました。我々の見解としては、葬儀と聞くとなんとなく香典返しも含めるのではないかと意見したくなります。
しかし、香典返しのタイミングを考えてください。香典返しは通常は四十九日法要が終わってから行います。つまり葬儀が終わってから行うので相続税の債務控除とはしない考え方をします。
香典返しまで葬儀費用の対象となると、初七日法要といった法要も対象に含まれるので余計にややこしくなります。
となると、気になる点が一つ出てきます。香典返しの他にも葬儀当日に返している会葬御礼についてです。同じ返しのギフトですがこれに関しても言及していきます。
会葬御礼は葬儀費用に含まれるかどうかの疑問を解決
会葬御礼は、葬儀に参列してくださった方全員を対象にして渡す返礼品です。渡すタイミングは、葬儀の当日です。
実は葬儀の当日に渡される会葬御礼は、葬儀費用の対象となってしまいます。なぜなら葬儀の儀式に入っているからです。法律では、葬儀費用に含まれるものは大概通夜、告別式にかかった費用が対象になります。
同じ御礼ですが、渡すタイミングによっては相続税の対象になったりならなかったりします。
香典返しを当日御礼として会葬御礼にして渡すととどうなるのかというと、香典の金額にもよります。香典返しの半返しに相当するなら葬儀費用には満たしません。
まとめ
- 香典返しは相続税の債務控除の対象にはならない
- 会葬御礼は葬儀費用の対象になるので相続税の債務控除の対象になる
- 香典返しを当日に行っても香典の半値に相当するなら葬儀費用には含まれない
今回は香典返しは想像税の債務控除の対象にはならないことをお伝えしてきました。香典返しと聞くと葬儀の延長なので、葬儀費用に含まれてもいいのではないかと思いますが、決まりごとできっちり含まれない旨が記載されています。
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