喪服といえば、黒一色。親族側もお通夜、告別式で訪れる方も全員黒なんで、黒のスーツとか黒の地味目の服装だったら、そんなに気にしなくてもいいんじゃないの?と思われます。
全体を見渡すと、喪服はどれも一緒ですが、厳密にいうと親族側と参列者側とでは大きく違います。見られていないようで、見られてる服装に関するマナー。
あとあと、親戚から知り合いから指摘され、恥をかいたとならないように、今回は喪服について取り上げていきます。
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喪服とは?
喪服は、葬儀で着用するものとして定着しています。確かに、葬儀での着用のイメージは、間違ってはいません。
葬儀なのに、同じ黒だからといって結婚式で着用するスーツなんて着てくる人はまずいません。
厳密に言うと、喪服とは、葬儀や法事で着用する服装のことを指します。法事というとよく3回忌や7回忌、33回忌を耳にすることも多いのではないでしょうか。法事でも原則喪服の着用がマナーとなっています。特に、多くの人が集まる一周忌や三回忌は喪服が原則です。
七回忌以降は、身内で行いますが、正式な儀式になるので喪服を着用したほうがいいでしょう。
喪服のランク
喪服がどういった目的で着用されるのかが分かりました。実際葬儀で親戚、喪主見ても真っ黒で厳密な違いなんて一見なさそうな気がしませんか。男性なら、みんな黒いスーツを着ているから余計に違いなんてわかりません。
しかし、喪服にはランクがあり、喪主とその家族が最高ランクの喪服を来て、残りの人はそれより下のランクを身に付けるのがマナーとなっています。結婚式については、新郎新婦と重なってはいけないと一度は目にしたことがあると思います。が、葬儀ではあんまり言われないですよね。
というのも、喪服のランクは葬儀や法要ごとに違うからです。親族よりランクの高いものは着用しませんが、葬儀では喪服の着用に関しては決まっているので、その決まりに従えば頭を悩ますほどでもありません。
喪服のランクは3つにわかれ、上から正喪服、準喪服、略喪服となっています。順番にどのように違うのか説明していきます。
正喪服
葬儀では、親族や遺族が着用する喪服です。法要は、一周忌のときに着用します。
正喪服は、基本亡くなられた方の家族、親族しか着れないので、葬儀だ喪服だきっちりとした服で参列すると、マナー違反となります。きっちりしていくと、参列者なのに遺族と間違われてしまいますし、親族側もあの人違うようだけどと混乱の元です。
非常に大事な友人であっても血縁関係がなければ、正喪服は避けてくださいね。
正喪服はどういった服装なのか
正喪服は、肌の露出は原則NGなので、長袖が基本となっています。でも夏になると暑さで死にそうになりますよね。最近は、正喪服も七分袖までならOKとなっています。
正喪服は、黒無地ワンピース、スーツ、アンサンブルです。襟元は詰まったものを選びましょう。
準喪服
準喪服は、葬儀で一般の弔問客が着用します。法要の場合は三回忌以降の親族の服装となっています。
つまり、どこかで近所のお世話になった人の葬儀を知ったときに着用するのが準喪服です。参列者は基本全員準喪服なので、故人と血縁関係が全くない場合は、準喪服を着用します。
準喪服はどういった服装なのか
準喪服も色や服装は正喪服とほぼ同じです。なので、葬儀でも親族と同じようなスーツに見えるのは、このためです。服装も黒無地のスーツ、ワンピース、アンサンブルです。
ランク分けの意味がないじゃないかと思いますよね。しかし、正喪服と準喪服の違いは、最近の流行が有無か半袖がOKかです。正喪服では流行は取り入れられません。準喪服では、流行が取り入れられ、暑い夏場は半袖でも参列OKとなっています。
喪服にも流行があることにはビックリですが、時代に合わせての意味です。気候変動で余計に夏が熱くなりすぎれば、もっと変わっていく可能性も十分ありえます。
略喪服
最後は、略喪服です。どこをどう略するのかはおいといて、略喪服を着用するのは、お通夜のときだけです。お通夜では、弔問客は正喪服や準喪服を着ていくと、はじめから予想していたのかと不謹慎に思われるからです。
多くの方がお仕事帰りとなる場合が多いので、お通夜は絶対略喪服を意識してください。
略喪服の服装
略喪服では、基本的にOKな色が増えます。黒、紺、濃グレーの地味な色のワンピースかアンサンブル、スーツで大丈夫です。
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喪服はどこで買うのか?
喪服は、あんまりどうどうと売っているところを見かけないですよね。服のお店に行ってもなかなかお目にかかれれません。社会人になったら、1着は持っておきたい喪服。一体どこで買えばいいのでしょうか。
しまむら
服が安いでおなじみのしまむら。安すぎて思わず二度見してしまいそうな価格。0が一つ少ないそれくらい安くお洒落な服も手に入ります。
最近では、しまむらは全国規模になりましたよね。UNIQLO、GU、しまむらというほど有名になりました。
もちろん、喪服も驚きの安さで売っています。1万円あると揃えられるので、お近くに店舗があるなら是非とも行ってみてください。あのしまむらでフォーマル用品も揃えられるなんてまるで夢のようです。
洋服の青山
スーツ専門売場としても有名な洋服の青山。就職する時にリクルートスーツでお世話になった人も多いのではないでしょうか。一見すると、リクルートスーツやビジネススーツしか取り扱っていないのかと思いきや、冠婚葬祭で使われるスーツも取り扱っています。
洋服の青山でリクルートスーツを買うついでに冠婚葬祭で使われるスーツも一緒に買うとしばらくは安心です。
楽天やアマゾンなどの冠婚葬祭を扱うインターネットサイト
最近、日用品や本、PCまでもが楽天やアマゾンといったインターネットで買えるようになりました。冠婚葬祭を取り扱うサイトで買えるようになっています。
楽天やアマゾンで喪服と検索すると山のように引っかかります。もちろん洋服の青山でもインターネットのサイトで喪服が買えます。
一般のフォーマル売場
洋服の青山以外でも喪服は買えます。一般の売場ならフォーマル売場に行きましょう。最近では小売でも卸問屋でも買えるようになっているので、お値段が心配なら卸問屋のフォーマル売場がおすすめです。
以前バイトで卸問屋で働いていましたが、フォーマル売場が側にありました。
喪服のルーツ
ところで、喪服は黒ですね。当たり前のことですが、このルーツを知っていたら鼻高々です。うっかり子供になぜ喪服は黒色なのと聞かれると多くの人が常識だからって返すんじゃありませんか?
常識という言葉は非常に便利です。みんながそうしてるから、ある意味そうなんですが、喪服のルーツをたどっていくと、はじめは黒ではなかったんです。黒になったのは、あの人物が着用してからです。一体誰が着用したら黒と定着していったのかも紹介します。
江戸時代の喪服
江戸時代の喪服は、ザビエルでもお馴染みのイエズス会の宣教師ルイス・フロイスの書物日欧文化比較ではっきりと、喪服は白と書かれているのです。今とは真逆の色です。喪主も参列者も白を身につけいたようです。
なぜ、白から黒になったのはいつからかさらに気になります。
喪服が黒に定着したのは明治時代のあの人が着用してから
喪服が黒になったのは、なんと明治時代。近代歴史でも有名な大河ドラマ西郷どんでお馴染みの大久保利通です。歴史の授業で一度は目にする人物。明治を作った先駆者としても有名です。
大久保利通の葬儀の際、なんと黒の大礼服で出席したことから、みていた人は、葬儀のとき上流階級の人は黒を着ていると広まったのです。そこから現代の喪服の色は黒になっています。さすが、偉人。最後の最後まで影響を与えていますね。
まとめ
- 喪服は、正喪服、準喪服、略喪服と分かれている
- 正喪服は親族や故人の近親者
- 準喪服は葬儀の弔問客が着る、法要では三回忌に親族が着る
- 略喪服はお通夜のときに着る
喪服は、黒一色でどれも似ています。一見して同じようなものだからといってマナー違反をするわけにはいかないのです。結婚式同様葬儀のときには親族より格式が上がる喪服を着てはいけません。
喪服は、それぞれに対応したものを最低でも3着もっておけば困ることはありません。売場はフォーマル売場か洋服の青山、ネットです。まだ持っていない方は自分専用のものを持っておくとあとあと困りません。
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