葬儀豆知識

葬儀費用は相続財産から払える?

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大切な人が亡くなって、葬儀も無事終了。残りは葬儀代を支払うだけになりました。葬儀の支払いは、葬儀終了後1週間後となっています。それまでにお金をどうにかしないといけません。しかし、遺言等では揉めなかったのに、ここに来てトラブルが急増するのです。

葬儀のトラブルと言えば、遺言のときの遺産分割のイメージもあるのですが、葬儀後の葬儀費用についても誰が払うのか?故人の生前の財産で払うのかで揉めるのです。特に、自分の親の葬儀で兄弟がいる場合は、しっかり話し合いをしていないと最後の最後で揉めることになります。

まず、トラブル紹介の前に、今回は葬儀費用は相続財産から支払えるのか解説します。

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葬儀費用は相続財産から支払えるのか?

葬儀費用は、葬儀にかかったお金です。葬儀斎場の代金、遺体の搬送を含めオプションもつけた総額の額です。中には、全額相続財産から支払うことを考えている人もいます。人としてはどうかしていますが、相続財産から支払うことはOKなんでしょうか?

支払えるけど一般的ではない

一般的には、あまりしない方法ではありませんが、葬儀費用は相続財産から支払えます。では、この相続財産とはなにか気になりませんか?一度、葬儀や遺言のときに1度はでてきます。

ドラマで相続財産は私のものですと聞きますよね?相続財産を知らないと、どういうことかわからなくなります。

今更聞けない相続財産とは?

相続財産とは、被相続人(亡くなった方)が残した財産全てのことを指します。例えば、土地、現金、預貯金、貴金属、自動車が含まれます。もちろん、テレビやiPadやPCを所持していたら相続財産になります。

目には見えませんが、著作権も相続財産になります。

一般的な葬儀費用の支払いとは?

では、気になるのは一般的な葬儀費用の支払いです。どのように支払っているのでしょうか。

香典から支払い、足りない場合のみ相続財産から

一般的には、親族やご友人からいただく香典から出します。香典は、葬儀に出席されている人数によって額も大きく変動します。もしかしたら、足りない事態もでてきます。

仮に、葬儀費用が足りない場合は、はじめて相続財産の中から支払います。原則、葬儀費用が足りない場合のみ相続財産から支払うことになるのです。

もちろん、亡くなった方の口座は、すでに凍結されているので葬儀終了後1週間以内に葬儀代の足りない分を引き出す必要があります。

生命保険等から支払う場合葬儀終了後1週間以内に保険金を受け取っておくこと

もう1つの方法として、故人が加入していた生命保険等を使ってお支払いする方法です。保険金を受取るにも手続きが必要になってくるので、葬儀終了後1週間以内に受け取れるようにしておく必要があります。

保険金の受取は、必要な書類を添付して保険会社に到着してからです。書類の不備があれば、受取るにも時間がかかり、支払いの期限に間に合わなくなることもあります。

葬儀の支払い方法について解説してきましたが、気になりませんか?では葬儀費用誰が支払うんですかと。実は、葬儀費用の支払いにおいてもトラブルが急増しています。

葬儀費用は誰が支払うのか?

葬儀後のトラブルとしては、葬儀費用は誰が支払うのかです。葬儀費用は、1万円や10万円ではなく、平均相場200万円しますからすぐにポケットマネーからさっと支払える額ではありません。

やはり高額なので、支払うのが嫌といった人も実際にはいます。じゃあ、あなたが支払ってよと続いてしまうと解決はせず、結局は弁護士に依頼して法的に決めてもらうこともあるのです。

法律では取り決めがなく原則喪主が支払う

葬儀費用について、誰が支払うのかの決まりがないのです。法律で決まっていないので、言ってしまうと誰でも支払対象になってしまいます。

が、原則は葬儀を執り行う喪主や施主が支払うことになっています。しかし、これはあくまでも原則であって、法的拘束力がないのです。しかし、喪主には相続財産をどうするかの決定権を持っています。

したがって、揉めてしまう原因となります。特に、遺言等で支払いについてもなかったら余計にもめてしまいます。

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生前亡くなった御本人が葬儀会社と契約している場合は、取り決めにしたがって支払う

最近では、葬儀費用のトラブル防止のためにも、生前に葬儀の会社を取り決める人もいます。もし、会社との取り決めを決めていたら、葬儀後は取り決めに従って支払うことになるからです。

トラブルはおこさないためにも、生前のうちにしておくことが何よりも大切です。生前にしておくと、葬儀トラブルでもぼったくられなくても済むので非常にスムーズに進みます。

遺言書で葬儀費用について書かれていた場合も遺言書通りにする

また、遺言書でも葬儀費用に関しても書かれている場合には、遺言書通りにする必要があります。遺言書は法的効力もありますので、葬儀会社と契約していなくても有効になります。

人によっては、生前に葬儀について考える人は苦しい人もいます。そういった方は、遺言に残される人が増えてきています。

では、実際香典では葬儀費用が出せない場合を想定して葬儀費用を相続財産で使うときに注意しておきたいことを記していきます。

葬儀費用で相続財産を使うときに注意したい3項目

葬儀費用を相続財産で使う場合は、注意しておきたいことがいくつかあります。どのような点に注意すればいいのでしょうか。

①相続人全員の許可が必要

1つ目は、相続財産を使うときには、相続人全員の許可が必要です。相続できるのは、法律で決まっています。

相続の対象は、亡くなった御本人の子供(兄弟全員)、親、配偶者、亡くなった御本人の兄弟となります。もし万が一のことで相続財産を使うときには、対象となる人全員を呼ばないといけません。

②故人の口座は凍結されているので手続きする必要がある

2つ目は、相続財産のうち預貯金等口座については、凍結されています。凍結を解除するためにも手続きを行う必要があるのです。

すぐには、受け取れないので、必要な書類を揃えないといけないので、葬儀終了後すぐに手続きしないと、葬儀費用のお支払い期限に間に合わない事態が出てきます。

葬儀だけのために故人の口座が使えることはない

中には、口座凍結後、葬儀があるので引き出せるといった話をちらほら聞きますが、絶対にありえません。理由に関係なく口座は凍結されるので、やはり手続きをする必要があります。

③生命保険の死亡保険の受取人を喪主にしておく

3つ目は、生命保険の保険金の受取に関してです。受取人は保険の決まった範囲なら誰でも指定ができます。が、死亡保険は間違っても御本人に指定してしまうと、万が一のときには口座が凍結されており、解除後再度手続きをしないといけないため、お支払い期限が間に合わない可能性が高くなります。

生命保険で葬儀費用を捻出される場合は、受取人は喪主の人に設定しておきましょう。喪主の人にしておくと、手続き後、喪主に当たる人の口座に金額が振り込まれます。

もし、死亡保険の受取人が御本人担っている場合は、できるだけ早く受取人を変更しておきましょう。

どうしても葬儀費用で揉めてしまったら

やはり、葬儀にはどうしてもトラブルがついてきてしまいます。もし、どうしても葬儀費用で揉めてしまった場合は、どうしたらいいのでしょうか。

弁護士に相談

葬儀費用で揉めてしまった場合、最終相談先は弁護士になります。弁護士に法的で支払う人を決めるといった手順をふむことになります。

さすがに、ここまでくると更に費用が余計にかかってしまうのであまり好ましい状態とは言えません。

まとめ

今回は、葬儀費用は相続財産から払えるのかについて解説してきました。相続財産から支払えることは支払えますが、一般的ではありません。

葬儀費用は、香典の中から出すのが常識となっています。相続財産を使うときは、香典でも足りない場合のみです。全額相続財産で支払うのは、遺言で指示されていたり、生前葬儀会社と契約して取り決めている場合のみです。

また、生命保険から出す場合も受取人を喪主に変更しておくことをおすすめします。

最後の最後まで葬儀費用のトラブルなど故人は望んでおりません。スムーズにするためにも、生前遺言で費用の支払いについてはどのようにするのか決めておいたほうがいいでしょう。

大切なご家族が亡くなったら…
取り返しのつかないことになる前にまずは大まかな手順を知っておいてください!
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