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遺産相続手続きの流れを解説!完了までの期間はわずか10ヶ月!

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遺産相続と聞くと難しくてついつい後回しにしたくなりますよね。しかし、遺産相続は葬儀が終わってから10ヶ月以内に終わらせないと後々の修正ができなくなります

特に最近よく見受けられるケースが、放置してから相続が発覚して放棄しようとしたら期限が過ぎてすべて相続することになっていたといったことです。こうなると借金もすべて相続されるので一気に生活が苦しくなっていきます。

借金はできるだけ相続はしたくありませんし、わかった段階ですぐに済ませたいものです。今回は、難しくてよくわからない遺産相続の手続きの流れを期間付きで解説していきます。実は驚くほど時間がないので揉めるとあっという間に過ぎていきます。

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遺産相続の手続きの全体の流れ

では、遺産相続の発生から終わりまで番号付きで解説していきます。遺産相続の手続きは以下の発生から終わりまで9つあります。この流れをしっかりと理解していきましょう。

STEP① 被相続人(故人)が死亡で相続発生

1つ目は、遺産相続が発生する条件です。それは、財産を所有している人の死亡です。もし、葬儀をあげた人が財産を所有している場合は、その人が亡くなった時点で遺産を相続する権利が自動的に発生します。

ドラマで結婚してから顔を合わせない兄が、父の葬儀で顔を表し、遺産の話をするのはこのためです。

STEP② 遺言書があるかどうかの確認

2つ目は、相続が発生したら早急に遺言書の確認を行います。

こちらもドラマで弁護士が突如現れ、遺言書の話をしています。あのシーンはまさに遺言書があったので確認が取れたということです。遺言書があればなにもしていない兄がほくそ笑むシーンもよくある光景ですよね。

STEP③ 相続人の調査、確定

3つ目は、遺言書が発見されたら、相続人の調査、確定を行います。相続人は、個人の財産を受け取れる人のことをいいます。財産を受け取れるのは、法律で決まっています。

財産を受け取れる人の優先順位

第1位:配偶者、配偶者の子、配偶者の孫
第2位:故人の父母、故人の祖父母
第3位:故人の兄弟、故人の兄弟の配偶者、故人の兄弟の子

優先順位の順番で、どれくらいの相続人がいるのか調べます。特別な事情がない限りは家系図を作れば一発でわかります。

ドラマのシーンでは、兄弟姉妹が揃っていよいよ財産分与の話かと思った途端、急に隠し子だと名乗るシーンありますよね。関係がない人が来たと突っ込んでみたら本当は身内だったという展開もよくありますよね。

STEP④ 故人の財産の調査

4つ目は、個人の財産の調査です。すぐイメージできるものは、銀行の通帳ではないでしょうか。しかし、財産と定められているものは銀行通帳だけではありません。財産は以下のようなものを指します。

  • 不動産(家、土地)
  • 預金通帳(実店舗のないネット銀行も含む)
  • 借金
  • 株や小切手などの有価証券(ネットで取引するFXも含む)
  • 骨董品・宝飾品
  • ゴルフ会員権

まずは、家や土地は基本的に故人の名義になっていることが多いです。すると故人の財産となります。

最近では実店舗がない店舗でも口座が開設できるようになりました。たとえば、楽天銀行やジャパン銀行等が該当します。ネットの銀行でも故人の財産に相当します。

また、株はしないけどネットでFXの取引をしている場合、FXの口座も故人の財産となります。FXに関しては、故人が家族に内緒でやっていたりするので、調査の段階で捜査から漏れる危険性が非常に高いです。

実際、故人がFXで取引をしたまま急死し、放置していたら1000万円以上借金を相続したケースもあります。内緒でやるのは万が一のことを考えると得策ではありません。

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STEP⑤ 相続方法の決定(STEP③から3ヶ月以内)

相続の調査が終わると、相続の決定です。相続の決定は、3種類あります。決定は以下の3種類です。

  • 単純承認(借金を含む財産全て相続)
  • 相続放棄(一切の財産を相続しない)
  • 限定承認(借金も相続するがプラスの遺産の上限という限定条件で相続)

借金と言ったマイナスの遺産だけを相続しない方法は、相続放棄しかありません。放棄するとプラスの遺産もすべて放棄することになるので、選択が難しいところです。

期限をすぎると、自動的に単純承認したということになるので、借金があった場合、できるだけ期限内に決めることをおすすめします。

STEP⑥ 故人の準確定申告(STEP③から4ヶ月以内)

故人が自営業の場合や会社員の場合に相当します。準確定申告は、亡くなる前までの利益を申告します。

確定申告と聞くと3月15日にするイメージがありますが、故人の準確定申告に限り、4ヶ月以内といつもする日付と違うので注意が必要です。

STEP⑦ 遺産分割協議書の作成

続いては、遺産分割協議書の作成です。遺産分割協議書は、話し合いの遺産を分けますと証明する書類です。遺産分割協議書の作成は、相続人全員いることが前提条件となります。一人でもいないと協議書は無効となり、話し合いからややり直しです。

ドラマでもピーク時には、いよいよ遺産バトルの決着かと思う場面で、「遺産は私のものです」と関係もない知らない人がでてきたシーンありますよね。具体的に調べたら身内で協議がもう一度最初からやり直し、まさにあのシーンです。

STEP⑧ 遺産の名義変更手続き

協議書作成で、相続が決まれば、具体的に名義変更の手続を行います。土地といった不動産関連の名義変更は故人が住んでいた法務局へ手続きに行きます。

自動車の名義変更は、故人が住んでいた市の陸運局となります。

STEP⑨ 相続税の申告・納付(亡くなった日から10ヶ月以内)

最後は、相続税の申告・納税です。ここまでくると、遺産相続は最終段階です。相続税が発生しているかもわかるので、申告が必要な人は、税務署で行います。

実際、金額は相続税の申告が必要だったが、控除する額が多くて申告が不要になる場合もあります。

遺産相続の手続き方法は2通り

全体の流れを紹介してきましたが、それでもまだややこしいです。遺産相続の手続きの手続きは全部自分でしなければならないのかと言いますと、手続き方法は2種類あります。自分でやる以外にも方法があります。

自分で行う

1つ目は、自分で行う方法です。全工程を書類集めから話し合いから親族集めから全部自分で行います。

決まって手続き場所へ出向くのもすべて自分になります。

代理で頼む

2つ目は、代理で頼む方法です。主に弁護士や行政書士も所属している代行センターで全部やってもらえます。料金が発生しますが、内緒でFXをしていてもネットで秘密の通帳があっても漏れることなく調べてくれます。

また、代理で頼むと書類の記載だけで手続きが終わることもあります。

まとめ

今回は、遺産相続の手続きの流れと期限を説明してきました。相続発生から終わるまで10ヶ月しかありません。特に、相続の決定では相続人と分かってからわずか3ヶ月です。この3ヶ月意外と放置されることが多く、気づいたときには、相続を放棄できない状態になっていたといったケースもあります。

手続き方法は、自分でするか代理で頼むかの2つです。インターネットの取引まではなかなか個人で調べるには限界がありますし、分からなければ調べると言った選択肢もありません。できるだけ代理で頼むほうがお金はかかりますが、トラブルを防ぐことができます。

大切なご家族が亡くなったら…
取り返しのつかないことになる前にまずは大まかな手順を知っておいてください!
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