香典返しは、香典を受け取った場合にはしたほうが失礼にあたりません。もちろん経済的な理由でできない場合は除きます。
最近はネットでも簡単にプロに頼めるようになりました。もはや自分で用意して発送までやったといった話を聞くと驚かれます。実際、葬儀のあとはほとんどプロに頼むことが多く、中には葬儀社でも四十九日法要が終わるまで任せることができます。
しかし、知っておきたいのはマナーです。プロに任せきりになると誰かから聞かれたときに答えられなくなります。特に香典返しのマナーは西日本で行う場合、若干異なってきます。
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今回は、香典返しに使うのしから名前の書き方、地域によるマナーの違いを解説していきます。
香典返しにのしや名前は必要なのか?
まず、気になる点は、香典返しにのしや名前が必要なのかです。のしというと品物の上からつけたりしています。表書きと名前が書いてあるあののしです。
のしは付ける必要があるのでしょうか。
のしも名前も必要
香典返しにはのしも名前も必要なものとなります。のしと聞くとどちらかというとお祝いごとに聞かれる方が多いです。お祝いごとでもないのに、弔事用でも品物を直接相手に配送されるときには、のしはどうしましょうと店の人に聞かれます。
しかし、のしと名前はかならずいるものなので本来は聞くものではありません。聞いたとしても、のしにつける名前はどうしましょうです。
では、なぜのしに名前がいるのかというと、弔事ではかならずお声をかけた人全員が参列するとは限りません。中には高齢でいきたいけど遠方だから体力的にも行けない場合もあります。親しい友人などは、香典だけ送る場合もあります。
香典を返すお品物を送るときにのしがないと、送られてきた側としては誰から送られてきたかわかりませんし、御礼のしようもありません。
実は弔事はのしではない衝撃事実
香典返しでも頻繁にのしという言葉が使われます。しかし、のしはお祝いごとを指す言葉です。あまりにも便利なので香典のときにものしがといった会話になりがちです。
厳密に言うと、弔事は掛け紙といいます。お店の人ものしと言っても事前に弔事用と言っていれば、きっちり理解しているので間違える心配はありません。
香典返しに関する一般的なマナー
では、香典返しに関する一般的なマナーです。香典返しには大きく分けて2つ分けれられます。
- 品物を配送する/直接持っていく
- カタログギフトを配送する
いずれにしても一般的な香典返しのマナーとしては変わりません。どのような決まり事がなるのか見ていきましょう。間違えると恥を欠いてしまいます。
水引きは結びきり
香典返しには、水引きをかけます。弔事用の水引きは結びきりと決まっています。結びきりは、不幸はこれっきりといった意味合いがあります。何度も続いてほしくないからです。
水引きの本数は偶数のものを使います。こちらも割り切るといった意味合いがあります。
水引きの色は黒と白
水引きの色についてです。一般的には弔事用には黒と白を使用します。さすがに派手な色で弔事用のものを見たことがありません。お店からもかならず尋ねられる項目なので間違える心配はほとんどありません。
表書きは『志』
次に名前の上に書かれている表書きです。多くの方が志といった文字を目にしているのではないでしょうか。一般的に、表書きは『志』を使います。
志は宗教問わず弔事用に使われる便利な言葉です。お返しするときには覚えておくと困りません。しかし、関西方面から御礼を受け取る場合には別の言葉です。後ほど説明します。
名前は『○○』(名前の名字)または『○○家』
表書きの下には、喪主の名字を書きます。名字だけの場合もありますし、○○家と表記する場合もあります。地域によって宗教によって異なる部分でもありません。
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どちらか書けば問題ありません。最近では、喪主のフルネームを書くこともあるようです。結構悩ましい問題なのでどうしているかは確認したほうが確実です。
品物を配送する場合は内のし
続いては品物ののしの包装についてです。実はのしは配送するか直接持っていくかで貼り方が違います。特に最近では品物やカタログギフトを使って配送される方のほうが断然多くなりました。
品物を配送する場合は、内のしで貼り付けます。内のしは品物に直接のしを貼り付ける方法です。
最近葬儀に参列したときに香典でお返しをいただいたときに見て、内のしが増えてきたと思っていたら配送したほうが遠方の人にとって、便利ですからね。高齢になるとなにかと遠方に出向くのは難しくなります。
品物を相手に直接渡す場合は外のし
家が近かったりする場合は、香典返しは直接相手に持っていく場合もあります。車で行ける距離なら直接持っていってもいいですね。
品物を直接相手に渡す場合は、外のしといった方法で貼り付けます。外のしは、包装してからのしを貼ります。
カタログギフトの場合は内のし
多くの方が弔事のときにもカタログギフトを利用されます。カタログギフトは、ほとんどが葬儀社からギフト専門店から注文するのでマナーまでは忌にする人はいないと思います。
実際、カタログギフトの場合は配送するので、内のしで貼ります。
関西方面からお返しをするときの注意点
次に関西方面から香典返しをする場合です。一般的なものでもマナー違反となりませんが、やはり違うことをしていると気にしてしまいます。
関西在住ですが、志はあまり見たこともありません。水切りも一般的な色とはずいぶん違います。では関西方面ではどのような香典返しののし(掛け紙)が一般的なのかきちんと理解していきましょう。
水引きの色は黄色と白の水引きの結びきり
関西方面から行うときには、水引きの色に注意してください。関西方面では、弔事用の水引きは黄色と白が一般的です。文具売り場では黒と白もあるにはあるのですが、香典返しの場合は黄色と白です。
表書きは満中陰志か満中陰(事前に親族に確認すると確実)
一般と違うところは、表書きにもありました。他の地域では表書きには志とかきます。志と書けば、宗教問わず使えます。
しかし、関西では満中陰や満中陰志といった言葉が使われます。親戚の葬儀のときにも自分の祖父の葬儀のときにも忌明けは絶えず満中陰という言葉を使って話していました。
実際、関西方面から香典返しをするときには満中陰で出します。カタログギフトや品物を配送するときにも関西なら満中陰で表書きをします。地域によって言葉自体異なるので注意しましょう。
宗教による香典返しののし(掛け紙)の表書きの違い
最後は、宗教による香典返しの表書きです。宗教問わない場合は、志とかきますが、宗教が違うとどうなるのでしょうか。
神式・キリスト教式の表書きは偲び草
神式やキリスト教では、仏教徒は違い忌明けとは言わず五十日祭といいます。忌明けの日付も違ってきます。
意味合いとしても志では別にいいのですが、キリスト教や神式の場合は偲び草と書きます。宗教によって表書きが異なることも知っておくと知識がある人として見られます。
まとめ
- 香典返しにのしや名前は必要
- のしの表書きは一般的には志だが、関西方面だと満中陰、キリスト教や神式の場合は偲び草と異なる(特に関西方面はかならず満中陰としておくこと)
- 水引きの色は一般的に黒と白だが関西では黄色と白
香典返しにつかうのしは正式には掛け紙といいます。のしは通常お祝いごとに使い弔事用には使いませんが、便宜上お店でものしはどうされますか?と聞かれることが多いです。
マナーに関しては葬儀社やギフト専門店で頼む人が増えてきているので知っているだけでいいでしょう。マナー違反は頼んでおくとリスクが減ります。事実香典返しでマナーがなっていないとここ数十年聞いたことがありません。
マナーに関して気にしているなら葬儀社またはギフト専門店で任せましょう。
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