告別式の最後は、出棺の挨拶で締められます。出棺の挨拶が終われば、地域によっては退散となるところもあるので、終わりの挨拶もしっかりしておきたいものです。
でも長々するのは、NGです。というのも、出棺までは参列者の方は基本外で待っているからです。でも挨拶する方としては、故人のことをもっと伝えたい気持ちはわかります。
今回は、出棺の意味とちょうどいい伝わる挨拶の文例をいくつかお伝えします。
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出棺の意味とは
出棺とは、告別式が終わると棺を式場中央に配置して遺族と最後の対面をします。参列者は、全員外で最後の見送りをするために待っています。
最後の対面が終わると、霊柩車に男性が棺を運んで乗せ、見送りとなります。このシーンはドラマでもよく見かけるシーンですよね。
送り出す前に、くぎ打ちを打つ場合もありますが、最近では見かけなくなりました。
実際、葬儀のときにくぎ打ちはせず、ただ棺の蓋をしめ、お別れの花束を添え火葬場に向かいました。葬儀も残っている側の事情に合わせて簡素化されている傾向は今後も続くと思われます。
状況別出棺の挨拶の例文4選
では、霊柩車に棺を乗せたら、最後に締めの挨拶を喪主か代表者の方が一言添えて告別式が終わります。この挨拶が長すぎるとマナー違反となります。ではこの挨拶のときにどのような内容を盛り込めば、ちょうどいい時間で挨拶ができるのか、文例を交えて紹介します。
一般的な出棺時の挨拶文例
本日は、ご多忙の中、○(故人との関係)■■(故人の名前)にご会葬くださり誠にありがとうございます。
皆様からの心のこもったお別れの挨拶を賜(たまわ)り、故人もさぞかしよろこんでいるかと存じます。
生前のご厚誼(こうぎ)に、厚く御礼申し上げます。
私どもは、今後も故人の教えも守り精進していく所存です。
今後とも、故人同様、ご指導、ご鞭撻(べんたつ)いただけますことをお願いします。
本日はありがとうございました。
一般的な挨拶は、御礼に始まり御礼に終わるスタイルです。故人の死因にも触れず手短に終わるために使われます。当たり障りが全くないので、普段から人前に出るのは苦手な方はこの文例をそのまま暗証するように言えば問題ありません。
ポイントとしては、告別式参列の御礼、故人も喜んでいる一言、生前の御礼、今後の挨拶、御礼という順番で締めています。出棺の挨拶の文例として死因の原因問わずに使えます。
病気の場合の文例
本日は、ご多忙の中、○(故人との関係)■■(故人の名前)にご会葬くださり誠にありがとうございます。
○(故人との関係)は、昨年病に倒れ、以来入退院を繰り返してきましたが、○月○日の午後、家族を見守る中、静かに旅立ちました。
享年○○歳でございました。
○(故人との関係)にとってみれば、長く苦しい闘病生活から開放されほっとしていることでしょう。
生前のご厚誼(こうぎ)に深く感謝申し上げます。
今後とも、故人同様、ご指導、ご鞭撻(べんたつ)いただけますことをお願いします。
本日はありがとうございました。
病気の場合は、直接的な病名を言わず、病に倒れ入退院を繰り返していただけで十分です。最初と最後の挨拶はほぼ変えず、間に病のことを入れているだけです。
詳しい病状について触れたくない場合は、上記の文例だけで十分病気で闘病の末亡くなったことが十分に伝わります。文例から病名について問うのはマナー違反となる場合もあるので、触れられることはありません。
大往生だった場合の文例
本日は、ご多忙の中、○(故人との関係)■■(故人の名前)にご会葬くださり誠にありがとうございます。
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先日、病院にて○○歳の生涯を終えましたが、大往生とも言える安らかな最期でした。
○(故人との関係)が晩年豊かに過ごせたのも皆様のご厚情(こうじょう)のたまものと深く感謝しております。
今後とも、故人同様、ご指導、ご鞭撻(べんたつ)いただけますことをお願いします。
本日はありがとうございました。
大往生で亡くなられた場合は、真ん中を大往生な最期としています。プラス、人間一人で生きてはいけないので、みなさんの温かい心のおかげというもの
事故にあった場合の文例
本日は、ご多忙の中、○(故人との関係)■■(故人の名前)にご会葬くださり誠にありがとうございます。
■■は、交通事故で病院に運ばれてからわずか2日の命でございました。その間多くの方からお見舞いをいただきましてありがとうございました。
厚くお礼申し上げます。
享年○○歳でした。悲運でしたが天命と思うしかありません。今後共このような事故がなくなるよう願います。
告別式を無事とりおこなうこができ、皆様のご協力に深く感謝申し上げます。
本日はありがとうございました。
交通事故が原因の場合は、あの信号無視の車めと思う気持ちをあらわにしたい気持ちはわかりますが、ここでは落ち着いて事実だけを入れています。最後に交通事故のない社会をねがうことを入れれば挨拶の完成です。
あまり長すぎるとマナー違反になるので、感情的にならないように注意しましょう。
出棺時の挨拶する上で注意しておきたい項目
次に、出棺の挨拶をする上で注意しておきたい項目です。注意しておかないと後々後ろ指で刺され恥ずかしい思いをします。特にマナーにうるさい人がいる場合、失礼があっただけで、絶縁なんてこともあるので理解しておきましょう。
挨拶の目安は1分から最大でも5分まで
出棺の挨拶は、目安1分から最大でも5分までです。10分なんて言語道断。長すぎます。挨拶としては、一般的な例文がちょうどよく当たり障りが全くありません。
どのような最期であっても使えるので、あれもこれもいいたいと迷っていたり、逆にどのように挨拶していいかわからない場合は、一般の文例を使ってください。
なぜ、挨拶は5分以内なのかというと、霊柩車に棺を乗せるまで、参列者の方は遺族を除き全員外で待機しています。待っているのに、挨拶でさらに待たせるのは配慮をしているとは言えません。
待たせていることを理解して、挨拶は手短に済ませてください。
必ずしも死因はいれなくてもよい
中には、完璧な挨拶をしたい人もいます。しかし、必ずしも完璧にしかも死因をつけてまで挨拶をする必要は全くありません。
生前の故人とのやりとりによりますが、中には死亡したときに詳しい病名まで公表してほしくない人もいます。闘病の末、病に倒れいつに亡くなっただけで十分伝わります。
葬儀でもNGワードは使ってはいけない
出棺だけではありませんが、葬儀全体を通して挨拶としては使ってはいけない言葉があります。以下使ってはいけない言葉をまとめました。中には、よく使う言葉もあるので、注意が必要です。
葬儀では使ってはいけない言葉
- 消える
- 大変
- 落ちる
- とんでもないこと
- 重ね重ね
- いよいよ
- 度々
- ますます
- またまた
- 再び
- 続いて
- 繰り返し
- 追って
- 再三
- 数字の4や9
- 死ぬ
- 生きる
特に、大変や再び、ますますといった言葉は日常よく使います。
よく使う言葉はどのような状況であれ、うっかり出てしまいます。葬儀ではNGなので注意してください。
まとめ
- 出棺の挨拶は5分以内
- NGワードは使わない
- 死因については詳細に言わなくてもいい
出棺の挨拶は、参列者の方を外で待たせてあるので、手短にすることが最大限できる配慮です。長くなりすぎないようにしましょう。待っているのにさらに挨拶で長引くと、生涯に渡ってあそこのお葬式は挨拶が長かったと言われます。適切な時間を守って最後の最後までお互い気持ちよくしたいものです。
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